10月14日、医薬品開発支援、調剤薬局運営の富士バイオメディックス 【名古屋セ:3379】が、東京地裁へ民事再生法の適用を申請し受理されたと発表しました。いわゆる倒産です。負債は約218億円です。
これを受け、名古屋証券取引所は富士バイオメディックス株を11月15日付で上場廃止にすると発表しました。
以下、帝国データバンクのウェブサイトからの抜粋です。
医薬品開発支援、調剤薬局運営
名証セントレックス上場
株式会社富士バイオメディックス
民事再生法の適用を申請
負債218億3000万円TDB企業コード:270402008
「東京」 (株)富士バイオメディックス(資本金51億8603万601円、中央区八重洲2-1-5、代表岩﨑稔氏ほか1名、従業員500名)は10月14日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。
~~~中略~~~
2008年5月期の年売上高は約140億6100万円を確保したものの、投資有価証券評価損、関係会社株式評価損などから約31億3300万円の最終純損失の計上を強いられていた。積極的なM&Aなどにともなう過大な有利子負債が重荷となっていたほか、今年9月末に予定していた未収入金が回収できず、この未収入金の存在自体に疑義が生じたことから、資金調達も困難となり、今回の措置となった。
さて、私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしています。「会社四季報で倒産した企業のページを見ること」を何回も繰り返していくうちに、どういった財務内容の企業が危ないのか感覚的に判ってくるからです。
富士バイオメディックスは、最新版の四季報に載っている2008年5月期の決算を、ぱっと見た感じでは、財務状況が激しく悪いようには見えません。今年に入って多数倒産した新興不動産関連企業の財務状況よりはマシです。
しかし、利益剰余金がマイナス14億円という点と営業キャッシュフローがマイナス55億円という点は、厳しいですね。
総資産366億円に対して、有利子負債193億円というのもなかなか大きい数値です。
あと、帝国データバンクの記事でも指摘されていますが、M&A(企業合併と買収)に積極的だった点も倒産のリスクを高めていたのでしょう。M&Aをしょっちゅうやっていると、買収に必要な資金を金融機関や株式市場から調達しなければなりません。しかし、今年のような金融不安が発生すると、金を貸してくれない金融機関が出てきて、手元の資金が足りなくなり倒産するリスクが高まります。
なお、今年倒産した上場企業は、下記の24社です。この24社という数字は、2002年の29社倒産に次いで戦後2番目の多さです。
- グレース ※
- レイコフ ※
- ニイウスコー
- アリサカ
- トスコ
- スルガコーポレーション ※
- 真柄建設 ※
- エー・エス・アイ(株) (旧・(株)アスキーソリューションズ
- キョーエイ産業 ※
- ゼファー ※
- 三平建設※
- アーバンコーポレーション※
- 創建ホームズ※
- トランスデジタル
- Human21※
- リプラス※
- ジェネシス・テクノロジー
- シーズクリエイト※
- プロデュース
- ランドコム※
- エルクリエイト※
- 新井組※
- ニューシティ・レジデンス投資法人※
- 富士バイオメディックス
※をつけた会社は不動産関連企業です。
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