4月30日、東証2部上場のシステム会社、ニイウスコーが、東京地方裁判所に民事再生手続きの開始を申し立て、受理されたと発表しました。以下、ITproの記事からの抜粋です。
東証2部上場のシステム会社、ニイウスコーは2008年4月30日、東京地方裁判所に民事再生手続きの開始を申し立て、受理されたと発表した。旧経営陣が行った不適切な会計処理を調査し、その結果を反映し過去5年間の財務諸表を訂正した結果、2008年6月期の中間決算は連結自己資本が278億円の債務超過になったため。
過去5期を調査した結果、56取引において売上金総額682億円の不適切な取引が見つかったという。具体的には、「実態のないとみられるスルー取引」や「リース契約を利用した不適切な循環取引」、「売り上げの先行計上とその後の失注処理、買戻しによる循環取引」などとする。循環取引にかかわった取引先名は公表していない。不適切な取引が判明したことで、過去5期の有価証券報告書と直近2期の半期報告書を訂正する。
また、循環取引で倒産かという感じです。ニイウスコーは循環取引にかかわった取引先名をまだ公表していませんが、過去の取引先には、昨年倒産したIXIは確実に含まれているでしょうね。
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ちなみに、今年に入って上場企業の倒産はグレース、レイコフに続いて3社目です。グレース、レイコフの倒産を事前に見抜くのはなかなか難しかったかと思いますが、ニイウスコーの倒産は予想できた方だと思います。
私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしていますが、ニイウスコーは株主持分・利益剰余金・営業キャッシュフローがマイナスで、かつ巨大な有利子負債を抱えています。
これだけでも経営状態がまずいことがわかりますが、2008年2月14日にはニイウスコーの広報が「過去に当社で不適切な取引が行われた可能性がある」と発表しており、この時点でもう詰んでいたといっていいでしょう。
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