9月29日、中古ビル再生販売の不動産流動化事業や戸建て・マンション開発事業を展開していたランドコム【東証2部:8948】 が東京地裁に民事再生手続開始の申立てを行い受理されたと発表しました。いわゆる倒産です。負債は約309億円です。
これを受け、東証はランドコム株を10月30日付で上場廃止にすると発表しました。
以下、帝国データバンクのウェブサイトからの抜粋です。
不動産企画・開発
東証2部上場
ランドコム株式会社
民事再生法の適用を申請
負債309億8900万円TDB企業コード:201559079
「神奈川」 東証2部上場の不動産業者、ランドコム(株)(資本金9億7955万2705円、横浜市西区みなとみらい2-2-1、代表青木俊実氏、従業員50名)は、9月29日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。
~~~中略~~~
しかし、用地や建設資材の高騰で販売価格が上昇したことや、景況感悪化によるユーザーの買い控えなどから、分譲マンションの販売が思うように進まず在庫が増加していたうえ、主力の流動化事業もサブプライム問題の影響から急激に落ち込むなどしたことで資金繰りは悪化。
さらに、今年5月には社債の償還が不能となっていたほか、その後も取引先への支払いが遅延するなど警戒感が高まっていた。従業員解雇などのリストラも奏功せず自主再建を断念、今回の措置となった。
さて、私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしています。「会社四季報で倒産した企業のページを見ること」を何回も繰り返していくうちに、どういった財務内容の企業が危ないのか感覚的に判ってくるからです。
ランドコムは、ぱっと見た感じでは、自己資本(株主持分)が48億円と少ない点、有利子負債が333億円と多い点、営業キャッシュフローのマイナスが227億円と巨額な点、現金同等物が7億円しかない点が目につきます。
売上高279億円に対して、営業キャッシュフローが227億円のマイナスというのが強烈すぎます。アーバンコーポレーションやHuman21に比べてもひどい。
あのアーバンコーポレーションでさえ、売上高2400億円に対して営業キャッシュフローのマイナスは1000億円でした。
ランドコムの営業キャッシュフローの赤字の大きさは、今年の倒産上場企業の中でも相当ひどいものです。ランドコムは、本業で出て行った巨額のキャッシュを、銀行からの買い入れなどでまかなっていたわけですが、その姿は「証券会社から目一杯の金を借りて信用取引を行う個人投資家」に類似していますね。レバレッジを効かせ過ぎたということでしょう。
なお、今年倒産した上場企業は、下記の20社です。
- グレース ※
- レイコフ ※
- ニイウスコー
- アリサカ
- トスコ
- スルガコーポレーション ※
- 真柄建設 ※
- エー・エス・アイ(株) (旧・(株)アスキーソリューションズ
- キョーエイ産業 ※
- ゼファー ※
- 三平建設※
- アーバンコーポレーション※
- 創建ホームズ※
- トランスデジタル
- Human21※
- リプラス※
- ジェネシス・テクノロジー
- シーズクリエイト※
- プロデュース
- ランドコム※
※をつけた会社は不動産関連企業です。
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