2014.4.22 Last Update!
松井証券には従来の信用取引とは別に、新種の信用取引サービスである「一日信用取引」があります。
「一日信用取引」はデイトレード限定とする代わりに取引手数料が無料となる信用取引サービスです。
また、「一日信用取引」においては、1注文あたりの約定代金合計が300万円以上の場合、金利も無料となります。
1注文あたり約定代金合計300万円未満の場合は、年利2.0%の金利を徴収されます。
- 松井証券の「株式取引」「一日信用取引」 – 松井証券による一日信用取引の紹介ページ
ただし、これらの好条件は、日計り取引(デイトレード)のみに適用されます。
「一日信用取引」において、新規建を行った当日の大引けまでに建玉が決済されなかった場合、松井証券により建玉が強制的に決済されます。
強制決済の際の手数料は「約定代金×0.3% (最低手数料20円、税抜)」と高額になっており、注意が必要です※
「一日信用取引」における信用取引の手数料と金利を、表を使って示すと、下記のようになります。
▼「一日信用取引」における手数料と金利
1注文あたりの約定代金の合計金額
|
手数料
|
金利
|
1注文あたりの建約定代金が
合計で300万円以上 |
無料※
|
年率
0.0% |
1注文あたりの建約定代金が
合計で300万円未満 |
無料※
|
年率
2.0% |
※手数料無料は、建玉を建てた当日の大引けまでに、自分で反対売買をした場合のみ。 新規建を行った当日の大引けまでに建玉が決済されなかった場合、松井証券により建玉が強制的に決済される。強制決済の際の手数料は「約定代金×0.3% (最低手数料20円、税抜)」。
※現引・現渡を行った場合、当該建玉の新規建手数料として、約定代金×0.3%(税抜)が徴収される。
ちなみに、「一日信用取引」において売買できる銘柄ですが、買い注文ができる銘柄は、東京証券取引所(マザーズ、JASDAQ含む)、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、札幌証券取引所における松井証券の取扱銘柄が対象となっています。
一日信用取引において空売りができる銘柄は、下記リンク先に載っている銘柄となります。
一日信用取引「売建」取扱銘柄【CSVファイル】 – 松井証券ウェブサイト
松井証券による『一日信用取引』の取扱開始についてという発表文を読んで、私は一日信用取引のサービス内容について疑問点が何個か浮かんだので、松井証券の顧客サポートに電話をかけて問い合わせしました。
以下、私と松井証券の顧客サポートの方との「一日信用取引」についての質疑応答です。
▼松井証券 「一日信用取引」 Q&A
~~~~
Question1 (私からの質問)
「一日信用取引」における強制決済の流れを教えてください。
Answer1 (松井証券の顧客サポートからの回答)
「一日信用取引」において、大引けまでに反対売買が行われなかった場合、その日の夜に、松井証券が強制決済による反対売買の注文を成行で出す。
よって、通常は翌営業日の午前中に強制決済の注文が約定し、強制決済完了となる。 強制決済の際の手数料は「約定代金×0.3%( (最低手数料20円、税抜)」となり、ユーザーが負担する。
↓関連リンク
松井証券の一日信用取引の強制決済はどのタイミングで行われるか? 【実験】
Q2 松井証券の証券取引口座を持っていない人は、どういった手順で、「一日信用取引」を始めることができますか?
A2 下記の手順です。
まず、証券取引口座を開設する。その後、パソコンなどで証券取引口座にログインして、信用取引口座の開設を申し込む。 口座開設の審査に通って、信用取引口座の開設ができたユーザーは、「通常の信用取引口座」と一緒に「一日信用取引口座」が開設される。
Q3 「一日信用取引は制度信用取引、無期限信用取引とは別のサービスです」との記載がありますが、証拠金も別々に管理されるのですか?
A3 ※松井証券から「一日信用取引」と「従来の信用取引」の保証金は、同一の保証金になるとの回答を得ました。
委託保証金は制度信用取引、無期限信用取引、一日信用取引を合算して管理します。振替などの手続きは不要です。(←松井証券のウェブサイトから抜粋)
Q4 パソコン用のトレーディングツールであるネットストックハイスピードで一日信用取引を行うことはできますか?
A4 可能です。
- [一日信用2WAYスピード注文]株の売買 – ネットストック・ハイスピード チュートリアル
- ネットストック・ハイスピードの一日信用取引 – ネットストック・ハイスピード ヘルプ
Q5 普通の携帯電話用のトレーディングツールであるハイスピードαで一日信用取引を行うことはできますか?
A5 「ハイスピードα」と「スマートフォンではない携帯電話」は、一日信用取引に対応する予定が今のところありません。
Q6 スマートフォン用のトレーディングツールである「株touch」で一日信用取引を行うことはできますか?
可能です。
Q7 「一日信用取引において、約定代金合計が300万円以上の場合、金利が無料」について質問します。発注した株数の全てが一気に約定するとは限らないと思います。
例えば、30万円の株を1回の注文で10株発注したとします。
その際、まず1株が30万円で約定した。その後、9株が30万円で約定した。
この場合、金利は無料になりますでしょうか?
A7 注文が分かれて約定した場合(部分約定した場合)、当該注文に係る約定代金が合計で300万円以上となれば、年利0%です。 上の質問だと最終的に全て約定して300万円を越えているので、金利は無料になります。
ただし、上の仮定の場合、最終的に9株しか約定しなかったら、合計約定代金が300万円未満になるので、金利が発生します。ご注意ください。
~~以上、私と松井証券の顧客サポートの方との「一日信用取引」についての質疑応答~~
ちなみに、2014年3月27日から、松井証券の「一日信用取引」においてプレミアム空売りという新しいサービスが始まっています。
「プレミアム空売り」とは、他の証券会社では空売りできない銘柄も空売りできる、一日信用取引向けのサービスです。
通常の信用取引より空売りできる銘柄が増えるわけですが、プレミアム空売りサービスの対象銘柄を空売りした場合、その日のうちに反対売買を行う必要があります。
プレミアム空売りサービスでは、ガンホー株やミクシィ株などを信用売りできるようになっています。ただし、ガンホー株などの空売りができるのは、松井証券にその株式の在庫があるときです。在庫切れを起こした場合は、一時的に空売りが不可能になります。
プレミアム空売りの詳細を知りたい方は、下記リンク先の記事をクリックしてください。
松井証券、「プレミアム空売り」サービスを開始 【2014年3月27日より】
▼参考情報
以下、松井証券ウェブサイトの別ページからの抜粋です。(2012年12月27日 追加)
一日信用取引に関するよくあるお問い合わせ
Q1:一日信用取引の開始に伴い、現行の制度信用取引、無期限信用取引はどうなりますか?
A1:制度信用取引、無期限信用取引は引き続きお取引いただけます。手数料は変更ありません。デイトレード専用の一日信用取引が新たに加わります。
Q2:信用取引の委託保証金の取扱いはどうなりますか?一日信用取引で取引する場合、委託保証金の振替などが必要ですか?
A2:委託保証金は制度信用取引、無期限信用取引、一日信用取引を合算して管理します。振替などの手続きは不要です。
Q3:2013年1月から行われる信用取引の制度変更について、一日信用取引しか対象にならないのですか?
A3:制度信用取引、無期限信用取引、一日信用取引の全てにおいて、信用取引の制度変更に対応します。
Q4:一日信用取引では建玉を持ち越すことはできないのですか?
A4:一日信用取引はデイトレード専用の信用取引なので、新規建の当日中に反対売買、もしくは現引・現渡が行われない場合、翌営業日に当該建玉を当社の任意で決済します。十分ご認識のうえ、お取引ください。
~~中略~~
Q5:一日信用取引では1注文あたりの建金額が300万円以上の場合、金利・貸株料が0%ということですが、これは一度に約定しなくても適用されますか?
A5:1つの注文に対して複数の約定がつく(一部出来、部分約定)場合でも、1注文あたりの建金額の合計が300万円以上になれば金利・貸株料が0%です。
なお、複数の注文により建金額の合計が300万円以上になっても金利・貸株料は0%になりませんのでご注意ください。なお、新規建を行った翌日以降は建金額にかかわらず年利2.0%の金利・貸株料がかかります。
Q6:一日信用取引の売買が行われる市場はどこですか?
A6:取引所立会市場となり、重複上場銘柄は主市場に発注します。当社のお客様同士の取引ではありません。
▼関連記事
一日信用取引と通常の信用取引の比較 【メリットとデメリットの解説】
「一日信用取引」と「SMBC日興証券における信用取引」の比較