9月25日、アセットマネジメント事業、賃貸保証事業のリプラス 【マザーズ:8936】の株価がストップ安7170円で11万9593株の大幅売り越しとなり、売買が成立しませんでした。ストップ安売り気配というやつです。
9月24日、同社が破産手続きの開始を東京地裁に申し立て、破産手続きの開始決定を受けたと発表したからです。負債は約325億です。
これにより、通常は1カ月の整理銘柄指定を経て上場廃止されるところ、、東証はリプラス株を10月9日付で上場廃止にすると発表しました。
上場廃止が決定した銘柄でも会社更生や民事再生を申請した企業ならば、事業が継続する可能性もあるので思惑買いが入ることもあります。しかし、破産申請は事業を清算してしまうということですから、今日は思惑買いが入りませんでした。
以下、帝国データバンクのウェブサイトからの抜粋です。
アセットマネジメント事業、賃貸保証事業
東証マザーズ上場
株式会社リプラス
破産手続き開始決定受ける
負債325億7057万円TDB企業コード:987373591
「東京」 (株)リプラス(資本金38億6965万5264円、東京都港区虎ノ門4-1-28、代表姜裕文氏、従業員778名)は、9月24日に東京地裁へ自己破産を申請し、同日同地裁より破産手続き開始決定を受けた。
当社は、2002年(平成14年)9月に設立。機関投資家やSPCと共同でアセットマネジメント事業(8割)を手がけるほか、賃貸住宅の保証・保険サービス(2割)を手がけていた。稼働率の低いオフィスビルなどの用途転換(コンバージョン)や新築、高稼働の賃貸住宅を再生し、利回り物件として保有あるいは売却を行うアセットマネジメント事業において、当社は資産査定や投資スキームの構築・提案、ファイナンスアレンジや不動産再生に向けたプランニングなどを手がけていた。また、賃貸保証事業では滞納家賃保証システムの提供、賃貸住宅管理会社の家賃回収業務などの業務受託を手がけ、2004年12月には東証マザーズへ上場を果たした。
~~~中略~~~
しかし、不動産市況が厳しさを増すなかで資金調達環境は悪化。不動産取得に伴いSPCを含めた連結ベースでは有利子負債が6月末で約441億円と年商を大きく上回り、金利負担が増していた。こうしたなか、賃貸住宅管理会社の家賃回収業務において、7月31日および8月1日において、不動産オーナーに対して送金の遅延が発生、8月29日においても送金遅延が発生し、動向が注目されていた。
その後、9月22日には、半期報告書の提出延期および継続企業の前提に関する重要な疑義が注記されることを明らかにしていたが、9月末の資金決済にメドが立たず、今回の措置となった。
負債は、2008年9月24日時点で約325億7057万円。
なお、2008年に入ってからの上場企業の倒産は、(株)Human21(ジャスダック上場、東京都、9月民事再生法)に次いで16社目(上場廃止後のエー・エス・アイ(株)を含む)となる。
さて、私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしています。「会社四季報で倒産した企業のページを見ること」を何回も繰り返していくうちに、どういった財務内容の企業が危ないのか感覚的に判ってくるからです。
リプラスは、ぱっと見た感じでは、株主持分がかなり少ない点、有利子負債が多い点、利益剰余金がマイナスな点が目に付きます。そして、前年度にあたる2007年12月期は営業キャッシュフローが30億円のプラスだったわけですが、投資キャッシュフローが346億円のマイナスでした。
営業キャッシュフローがプラスになっているので、四季報を読むだけでは、私には今年中のリプラスの倒産は予想できなかったと思います。
8月11日に、「リプラス、7月31日および8月1日において、不動産オーナーに対して送金の遅延が発生」というIRニュースを聞いて、やっとリプラス財務状況の深刻さを知りました。
個人的には同じ不動産関連銘柄でも、先日倒産したアーバンコーポーレーションや創建ホームズよりも、リプラスの倒産を見抜く方が難しいと感じました。
なお、今年倒産した上場企業は、下記の17社です。
- グレース ※
- レイコフ ※
- ニイウスコー
- アリサカ
- トスコ
- スルガコーポレーション ※
- 真柄建設 ※
- エー・エス・アイ(株) (旧・(株)アスキーソリューションズ
- キョーエイ産業 ※
- ゼファー ※
- 三平建設※
- アーバンコーポレーション※
- 創建ホームズ※
- トランスデジタル
- Human21※
- リプラス※
- ジェネシス・テクノロジー
※をつけた会社が不動産関連企業です。