5月6日、CRE【ジャスダック:8866】が東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、受理されたと発表しました。
いわゆる倒産です。負債は約150億円です。
これを受け、ジャスダック証券取引所を運営する大阪証券取引所は、CRE株を6月7日付で上場廃止にすると発表しました。
以下、企業信用調査で有名な帝国データバンクのウェブサイトからの抜粋です。
2010/05/06(木)
貸事務所業
ジャスダック上場
株式会社コマーシャル・アールイー
民事再生法の適用を申請
負債150億円TDB企業コード:260255722
「東京」 (株)コマーシャル・アールイー(資本金32億5420万8000円、中央区八重洲1-5-4、代表甲斐田啓二氏、従業員113名)は、5月6日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。~~~中略~~~
しかし、2008年秋に発生した世界的な金融危機の影響による不動産不況のため、2009年(平成21年)同期の年収入高は約279億600万円に減少し、棚卸資産の評価損などで約113億9800万円の当期損失を計上していた。金融機関の返済を今年6月末まで期日延長する契約を締結していたが、2010年3月期も連結決算では赤字決算が予想されていた。
さて、私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしています。「会社四季報で倒産した企業のページを見ること」を何回も繰り返していくうちに、どういった財務内容の企業が危ないのか感覚的に判ってくるからです。
四季報でCREの2010年3月期の第3四半期決算を見るに、CREは総資産260億円に対して、自己資本(株主持分)が-8.7億円とマイナスです。自己資本がマイナスな時点ですでに買ってはいけない銘柄です。
有利子負債は127億円なので総資産に対して超巨額とはいえません。しかし、利益剰余金は-92.9億円と大きくマイナスになっています。利益剰余金が大幅にマイナスになっている点も、買ってはいけない銘柄の典型例といえます。
営業キャッシュフローは2009年3月期の本決算で43.1億円のプラスとなっています。また、同時期の投資キャッシュフローは10.9億円のプラスです。
しかし、同時期の財務キャッシュフローが78.2億円のマイナスとなっています。
財務が悪いので当然といえば当然ですが、継続企業の前提に関する重要な疑義が付いています。
CREは2010年3月期の第3四半期決算が出た時点ですでに、「買ってはいけない銘柄」になっていたといえるでしょう。
なお、今年に入ってからの上場企業の倒産は、1月の日本航空に続いて、CREが2社目となります。
▼2010年度 倒産上場企業の一覧
会社名 | 証券取引所と証券コード | 倒産の形態 | 倒産時の負債 | 倒産の日付 (2010年) | 上場廃止日 (2010年) |
日本航空 | 東証1部 : 9205 | 会社更生 |
日本航空が約6715億7800万円 日本航空インターナショナルが約1兆5279億1900万円 ジャルキャピタルが約1226億8400万円 3社合計の負債は約2兆3221億8100万円 |
1月19日 | 2月20日 |
CRE(コマーシャル・アールイー) | ジャスダック : 8866 | 民事再生 | 約150億円 | 5月6日 | 6月7日 |
▼関連記事