9月25日、半導体検査サービス大手のジェネシス・テクノロジー【東証2部:2473】が神戸地方裁判所に民事再生手続開始の申立てを行い受理されたと発表しました。いわゆる倒産です。負債は約112億円です。
これを受け、東証はジェネシス・テクノロジー株を10月26日付で上場廃止にすると発表しました。
以下、帝国データバンクのウェブサイトからの抜粋です。
半導体検査サービス大手
東証2部上場
ジェネシス・テクノロジー株式会社
民事再生法の適用を申請
負債112億6400万円TDB企業コード:270471023
「兵庫」 ジェネシス・テクノロジー(株)(資本金26億3395万円、西脇市和田町75、代表小松伯正氏、従業員477名)は、9月25日、神戸地裁に民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けた。
~~~中略~~~
しかし、2008年3月期には、半導体の価格下落やFPD(フラット・パネル・ディスプレイ)駆動用ICでの生産調整が長引き、事業構造改善、希望退職の募集をはじめとする合理化施策に取り組んだものの、FPD駆動用ICの市況悪化の長期化に加え、ロジックICでも顧客の生産動向の変化による数量減少が大きく影響し、業績が大幅に悪化。年売上高は約85億8900万円にまで落ち込み、約48億7300万円の当期純損失を計上し、継続企業の前提に関する注記を記載していた。
今期に入り、一部事業の売却、拠点統合、人員削減などのリストラに取り組んでいたが、第2四半期に半導体テストハウス事業の需要が減退傾向を強め、第3四半期以降も更に悪化する見通しとなる中、売上高も急激に落ち込むことが予想され、資金繰りにメドが立たない状況となったことから、今回の措置に至った。
さて、私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしています。「会社四季報で倒産した企業のページを見ること」を何回も繰り返していくうちに、どういった財務内容の企業が危ないのか感覚的に判ってくるからです。
ジェネシス・テクノロジーは、ぱっと見た感じでは、利益剰余金が大幅にマイナスな点、営業キャッシュフローがマイナスな点が目に付きます。また、過去2年連続で経常利益が赤字ですし、継続企業の前提に疑義の注記がついていました。(継続疑義とは、事業が継続するか疑わしいという意味です)
正直、財務状況によいところはなく、「買ってはいけない銘柄」の典型的なバランスシートになっていました。今年倒産した上場企業の中では、ニイウスコーやトスコと同じくらい倒産の予想がしやすかったと思います。
なお、今年倒産した上場企業は、下記の17社です。
- グレース ※
- レイコフ ※
- ニイウスコー
- アリサカ
- トスコ
- スルガコーポレーション ※
- 真柄建設 ※
- エー・エス・アイ(株) (旧・(株)アスキーソリューションズ
- キョーエイ産業 ※
- ゼファー ※
- 三平建設※
- アーバンコーポレーション※
- 創建ホームズ※
- トランスデジタル
- Human21※
- リプラス※
- ジェネシス・テクノロジー
※をつけた会社は不動産関連企業です。
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