エルピーダメモリ、会社更生法申請(倒産)で上場廃止

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2012年2月7日、国内唯一の半導体DRAMメーカーのエルピーダメモリ【東証1部:6665】が、
東京地裁へ会社更生法の適用を申請し、同日保全命令を受けました。

いわゆる倒産です。負債は2011年3月末で約4480億3300万円です。

これを受け、東京証券取引所は、エルピーダメモリ株を2012年3月28日付で上場廃止にすると発表しました。

以下、企業信用調査で有名な帝国データバンクのウェブサイトからの抜粋です。

2012/02/27(月) 東証1部上場のDRAM専業の半導体メーカー
製造業で過去最大の倒産
エルピーダメモリ株式会社
会社更生法の適用を申請
負債4480億3300万円

TDB企業コード:987907697

「東京」 エルピーダメモリ(株)(資本金2361億4313万1742円、中央区八重洲2-2-1、代表坂本幸雄氏、従業員3190名)は、2月27日に東京地裁へ会社更生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。

 ~~~中略~~~

 このため、2009年8月に改正産業活力再生法を活用し、日本政策投資銀行を割当先とする政府保証付の優先株式300億円を発行、同年11月には協調融資などで1100億円を調達、乗り切りを図った。その後、需要は回復をみせていたが、2010年後半より再びPCの出荷台数が伸び悩んだことでDRAM価格は下落。プレミアDRAMは堅調に推移したものの、業績への効果は薄く、今期に入ってもPCDRAMの需給バランスが崩れ6月頃から急落。9月には「円高とDRAM不況の緊急対策について」発表し、この中で広島工場の生産能力の一部を台湾の生産子会社に移設することの検討や坂本社長の報酬手取額を当面の間100%カットなどを表明していた。

 2012年1月に300億円の社債償還、2012年4月上旬には770億円の協調融資の返済が迫るなか、リファイナンスの動向が注目される一方、米国マイクロン社など経営統合を視野に資本・業務提携交渉を行っていたが、金融機関との交渉も難航するなか、今回の措置となった。

さて、私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしています。「会社四季報で倒産した企業のページを見ること」を何回も繰り返していくうちに、どういった財務内容の企業が危ないのか感覚的に判ってくるからです。

四季報でエルピーダメモリの「2012年3月期 第2四半期の決算」を見るに、エルピーダメモリは総資産8082億円に対して、自己資本(株主持分)が2591億円となっています。これは上場企業のメーカーとしては、それほどよい数値ではありませんが、劇的に悪い数字でもありません。

有利子負債は3210億円と大きいですが、これも劇的に悪い数字ではありません。

利益剰余金は-529億円となっています。利益剰余金がマイナスになっているのは、倒産する会社にありがちです。

四季報に載っている営業キャッシュフローは2011年3月期の本決算で+1729億円となっています。これはよい数字です。

また、同時期の投資キャッシュフローは-1105億円となっていました。

そして、同時期の財務キャッシュフローは-604億円となっています。

正直、四季報に載っている数字だけを見ると、すぐに倒産するような印象は受けませんでした。

しかし、エルピーダのウェブサイトにある最新の決算書「2012年3月期 第3四半期決算短信」を見ると、かなり経営が厳しい状態であることが伺えます。

2012年2月2日に発表された「2012年3月期 第3四半期決算短信」によると、「2011年4月1日 ~ 2011年12月31日」のキャッシュフローの累計は下記のようになっています。

エルピーダメモリの 2011年4月1日 ~ 2011年12月31日のキャッシュフローの累計
営業キャッシュフロー 246億円
投資キャッシュフロー -608億円
財務キャッシュフロー 242億円
現金及び現金同等物の四半期末残高 974億円
フリー・キャッシュフロー -361億円

上の表のように、「2012年3月期 第3四半期決算短信」ではフリー・キャッシュフローがマイナスになっています。

また、資金繰りが苦しくなったため、「2012年3月期 第3四半期決算短信」から、エルピーダメモリには継続企業の前提に関する重要な疑義が付いていました。

やはり、「継続企業の前提に関する重要な疑義」が付いている銘柄は、買わない方が無難でしょう。

エルピーダメモリ株は、「2012年3月期 第3四半期決算短信」の決算が出た時点ですでに、「買ってはいけない銘柄」になっていたといえます。

なお、2012年度の上場企業の倒産は、下記のようになっています。 

▼2012年度 倒産上場企業の一覧

会社名 証券取引所と証券コード 倒産の形態 倒産時の負債 倒産の日付
(2012年)
上場廃止日
(2012年)
エルピーダメモリ 東証1部:6665 会社更生 2011年3月末で約4480億3300万円 2月27日 3月28日

今年に入っての上場企業の倒産は、エルピーダメモリが初です。

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