楽天証券にはマーケットスピードという株取引と日経225先物取引に対応したパソコン用のトレーディングツールがあります。
このマーケットスピードの後継にあたるツール「MARKETSPEED II」が2018年10月14日※に提供開始の予定です。Windowsのパソコンで利用可能なツールとなっています。
(※2018年9月25日追記 : 楽天証券がマーケットスピード2のリリース日を10月14日に延期すると発表しましたnew!)
「MARKETSPEED II」は、「アイスバーグ注文、スナイパー注文、トレイリング注文」といったアルゴ注文機能が搭載されています。
最新の注文方法を導入しつつも、会社四季報、日経テレコンなど従来のマーケットスピードにも存在した便利な投資情報ツールが搭載されているのが、「MARKETSPEED II」の特長です。
さて、去る9月13日に楽天証券が主催する「MARKETSPEED II」のメディア向け説明会が開催されました。私、兜達也も参加してきたので新しいトレーディングツールについてリポートします。説明会に参加しただけでなく、「MARKETSPEED II」の体験版も触ってきました。
▼「MARKETSPEED II」のメリット
私が「MARKETSPEED II」のメリットと感じたのは以下の項目です
- マルチウィンドウに対応
- アルゴ注文
- 見やすい画面
- 無料利用の条件の緩さ
「MARKETSPEED II」はマルチウィンドウに対応
従来からあるマーケットスピードは1つのモニターで使うのが前提のソフトです。1つのディスプレイに1つのマーケットスピードのウィンドウを開いて利用するのが通常の使い方です。
そのため、チャートなどの情報を複数のディスプレイに安定して表示させるために、複数のパソコンにそれぞれマーケットスピードをインストールして多重に起動させる個人投資家が存在しています。
「MARKETSPEED II」はマルチウィンドウに対応しているので、複数のパソコンにインストールする必要はありません。必要な数のウインドウを作って、複数の画面に展開していけばよい仕様になっています。
これは、チャートなどの膨大な情報量を目視で確認したいトレーダーにとって恩恵があるでしょう。
「MARKETSPEED II」ではアルゴ注文が使える
新規に導入される注文方法が5つあるのですが、そのうち「トレイリング注文」と「リンク注文」の二つは他の証券会社でも見たことがある注文方法で、導入されて喜ぶ個人投資家もいるはずです。
他の三つの注文方法「アイスバーグ注文」「スナイパー注文」「リザーブ注文」は、個人的に今まで聞いたことがない珍しい注文方法です。実際に有益かどうかは、ソフトがリリース前のため未知数なところあるのですが、新しい取り組みとして非常に興味深い発注方法ではあります。
「アイスバーグ注文」と「スナイパー注文」は他の投資家に自分の注文を見せにくくするステルス注文といったところです。リザーブ注文は時間を1分刻みで指定して発注できる予約注文です。
▼トレイリング注文
トレイリング注文とは、逆指値注文を設定しつつ、株価が自分にとって有利な方向に動いた場合は逆指値価格を自動で修正する注文です。損失を限定しつつ、利益の拡大を狙うことができます。
▼リンク注文
リンク注文とは、最大10個の注文を連続して登録できる機能です。約定したら自動で次の注文が発注されるので、相場や約定結果を見ていなくても取引できます。
なお、リンク注文では1つ目に新規注文、2つ目に決済注文として損切りと利食いを両方設定することで、イフダンOCO注文の利用が可能になります。株取引でイフダンOCO注文が使用できる証券会社は少ないので貴重です。
▼アイスバーグ注文
アイスバーグ注文とは、アイスバーグ注文とは、1つの注文を少しずつ小分けにして発注できる機能です。氷山の一角のように注文の一部しか他の投資家には見えないため、板の薄い銘柄の取引や大口の注文を目立たせたくない場合に使用します。
▼スナイパー注文
スナイパー注文とは、指定した価格の気配が表示されるまでは発注せずに待機し、表示されたときに瞬時に発注する機能です。他人の注文が出てから、その気配値に自分の注文をぶつけるので、簡単にいうと後出しジャンケンに似ています。
約定しなかった分は自動的に取り消され、指定した気配が再度表示されるまで待機するため、自分の注文を他の投資家に見せなくすることができます。スナイパー注文は取引量があまり活発でない銘柄を取引することを想定して開発されました。
▼リザーブ注文
リザーブ注文とは、日時や株価を指定して発注できる機能です。日時指定では、30営業日先まで8:00~14:59の分単位で指定できます。決算発表や経済指標の発表に合わせて取引する場合などに便利です。
また、株価指定では値幅制限外の価格を指定できます。ストップ安の銘柄などを約定させることを狙うのに使えるでしょう。
見やすい画面
従来からあるマーケットスピードはシンプルで見やすい画面でしたが、「MARKETSPEED II」も見やすい画面です。
しかも、「MARKETSPEED II」の方が1つのディスプレイで表示できる投資情報が多くなってると感じました。
必要な投資情報がよくまとまっているウィンドウを、マルチモニターで表示することが可能なので、以前のマーケットスピードより情報収集がはかどります。
無料利用の条件が緩い
マーケットスピードと「MARKETSPEED II」は条件を満たすと無料で使用可能です。無料条件はどちらのソフトも同じになっています。
マーケットスピードは40~50万人程度の利用者がいますが、楽天証券の発表によると、99.9%の利用者が無料条件を満たしているということです。無料利用条件がかなり緩いのですが、詳しく知りたい方は、下記リンク先の記事をご覧ください。
なお、何も条件を満たしていない人でも、口座開設後3ヶ月はマーケットスピードと「MARKETSPEED II」の利用料金が自動で無料になるので、「MARKETSPEED II」に興味がある方は、とりあえず楽天証券で口座開設して使い勝手を試してみるのもよいでしょう。
▼「MARKETSPEED II」のデメリット
■今のところ国内株式のみ対応
「MARKETSPEED II」は今のところ国内株式の現物株取引と信用取引に対応しています。そのため、米国株取引や日経225先物・オプションには対応していません。
ただ、従来からあるマーケットスピードは今のところ終了予定はありませんし、マーケットスピードなら米国株取引や日経225先物取引を行うことは可能です。
また、「MARKETSPEED II」は将来的に米国株取引や日経225先物・オプションの機能を導入する予定となっています。
■Windowsのパソコンのみに対応
「MARKETSPEED II」はWindowsのパソコンのみに対応しています。スマートフォンやMacのパソコンにはインストールできません。
そのため、「MARKETSPEED II」のアルゴ注文を使いたい人は、Windowsのパソコンを手に入れる必要があります。
▼「MARKETSPEED II」の説明会で楽天証券の社員さんから聞いてきた話
- 「MARKETSPEED II」は全部、楽天証券の社内で開発している
- スマートフォン用アプリのiSPEEDも楽天証券の自社開発
- 「MARKETSPEED II」の開発コンセプトとしては使いやすいことも目指し、メニューの階層を深くしないツールにした。個人投資家にとって最高のツールにしたい
- 「MARKETSPEED II」の株価配信の速度はマーケットスピードより速くなる予定。特にフル板が当社比で速くなる予定
- アルゴ注文を導入した背景 その1 大口の個人投資家がアイスバーグ注文などの注文機能の搭載を望んだ
- その2 機関投資家の高頻度取引(HFT)のアルゴ注文に個人投資家も対応できるようにするため
- その3 トレーリング注文は楽天証券のコールセンターに多くの要望があって実装された
▼まとめ 「MARKETSPEED II」の体験版を触った感想
アルゴ注文が導入されることにより、思った以上に高機能な注文が可能な点に興味をひかれました。個人的にはリンク注文を利用することで、イフダンOCO注文の発注が可能な点がありがたいです。
また、個人的にマルチウィンドウに対応した点が一番の朗報です。私は複数ディスプレイを使っているのですが、ウィンドウを各モニターにちらして表示できると見やすくなるので、今までより気軽に株式投資情報の収集ができます。
体験版を触った感じでは、マーケットスピードに比べて「MARKETSPEED II」の動作が極端に遅いということもなかったです。
動作が重くなく、致命的なバグもなければ、9月30日のリリース日から早速「MARKETSPEED2」を自分のパソコンでも使ってみたいくらい、第一印象はよかった。
もしバグがなかったら、日本株の取引は「MARKETSPEED II」で行い、日経225miniの取引はマーケットスピードで行っていくことになりそうです。
なお、楽天証券では2018年9月13日から12月16日まで「マーケットスピード II 」「マーケットスピード」操作ガイド郵送キャンペーンを実施中です。
楽天証券の証券取引口座を持っている人は、口座にログインして郵送の申込みを行うと、「マーケットスピード II 」と「マーケットスピード」の操作ガイドがもらえます。
また、上でも記載しましたが、「マーケットスピード II 」と「マーケットスピード」は口座開設から3ヶ月間はだれでも利用料が無料です。よって、まだ口座を持っていなくてマーケットスピード2に興味がある人は、9月30日のマーケットスピードIIのリリース日付近に、楽天証券の口座を開設するのがよいかもしれません。
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