シコー、民事再生法申請(倒産)で上場廃止

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2012年8月10日、精密小型モーター製造のシコー【東証マザーズ:6667】が、
東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日に受理されました。

いわゆる倒産です。負債は2012年7月末時点で約85億945万1823円です。

これを受け、東京証券取引所は、シコー株を2012年9月10日付で上場廃止にすると発表しました。

以下、企業信用調査で有名な帝国データバンクのウェブサイトからの抜粋です。

2012/08/10(金) 精密小型モーター製造
東証マザーズ上場
シコー株式会社
民事再生法の適用を申請
負債85億945万1823円

TDB企業コード:200578525
「神奈川」 シコー(株)(資本金33億5102万633円、大和市中央林間西3-9-6、代表白木学氏、従業員59名)は、8月10日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。

 ~~中略~~

 しかし、2007年から始めた為替デリバティブがその後の円高進行で評価損が発生、断続的な赤字決算の要因となっていた。

2012年12月期の第1四半期決算は販売単価の下落に加え、原料費や中国の人件費の上昇で、売上原価が売上高を上回る売上総損失を計上。「継続企業の前提に関する注記」(ゴーイングコンサーン)がなされたことで、金融機関と締結しているシンジケート・ローンの財務制限条項に抵触し、資金調達環境は厳しさを増していた。

資金繰りが悪化するなか、今年6月以降取引先金融機関との間で再生の方針について協議する一方で、スポンサー選定を進めてきたが本日付でミネベア(株)(東証1部)との間でスポンサー契約を締結、同社支援のもと再建を目指すこととなった。

さて、私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしています。「会社四季報で倒産した企業のページを見ること」を何回も繰り返していくうちに、どういった財務内容の企業が危ないのか感覚的に判ってくるからです。

四季報でシコーの「2012年12月期の第1四半期決算」を見るに、シコーは総資産が112億円あります。しかし、自己資本(株主持分)が11億円しかありません。株主持分比率は10%とかなり低めの数字となっています。

有利子負債は72億円と、総資産に対して大きな数字となっています。

また、利益剰余金は-38億円と巨額のマイナスになっています。利益剰余金がマイナスになっているのは、倒産する会社にありがちです。

また、四季報に載っている2011年12月期の本決算でのキャッシュフローの数字は、下記のようになっています。

シコーのキャッシュフロー
+3.86億円
-7.15億円
+8.86億円

このように財務状況は非常に悪かったため、シコーには継続企業の前提に関する重要な疑義が付いていました。

やはり、「継続企業の前提に関する重要な疑義」が付いている銘柄は、買わない方が無難でしょう。

なお、2012年度の上場企業の倒産は、下記のようになっています。 

▼2012年度 倒産上場企業の一覧

会社名 証券取引所と証券コード 倒産の形態 倒産時の負債 倒産の日付
(2012年)
上場廃止日
(2012年)
エルピーダメモリ 東証1部:6665 会社更生 2011年3月末で約4480億3300万円 2月27日 3月28日
山水電気 東証1部:6793 民事再生 2011年12月31日時点で約2億4765万円 4月2日 5月3日
NISグループ 東証2部:8571 民事再生 2011年12月31日時点で約508億2300万円 5月9日 6月10日
クレスト・インベストメンツ ジャスダック:2318 民事再生 2012年4月30日時点で31億9000万円 7月31日 9月1日
シコー 東証マザーズ:6667 民事再生 2012年7月末時点で約85億945万1823円 8月10日 9月11日

今年に入っての上場企業の倒産は、エルピーダメモリ・山水電気・NISグループ・クレスト・インベストメンツに次いで、シコーが5社目です。

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