2012年8月9日、沖電気工業【東証1部:6703】(通称OKI)の株価が前日比-41円(-33.61%)の終値81円と暴落しました。
8月8日に同社が、スペインの子会社で不適切な会計処理が見つかったと発表したからです。
▼2012年8月9日の沖電気工業株の1日株価チャート
▼参考資料 沖電気工業のウェブサイト
当社海外連結子会社の不適切な会計処理および平成25年3月期第1四半期報告書提出遅延ならびに監理銘柄(確認中)への指定見込みに関するお知らせ
上記リンク先のページに掲載されている発表文では、「プリンターの売上に関する債権を過大計上していたことが社内調査で判明した」と述べられています。
現時点では、いつから不正会計が始まったか判らないようです。
総額で80億円程度の損失リスクとなる可能性があり、その影響は過年度に及ぶ可能性があります(過去の決算を修正しなければいけない可能性があります)。
沖電気工業は当初、平成25年3月期の第1四半期決算を8月10日に発表する予定でした。しかし、不正会計の影響を織り込んだ数値をまとめるため、決算発表を延期することを決めています。9月14日をめどに発表する予定です。
決算発表を延期したため、4~6月期の四半期報告書の提出は法定期限内の8月14日に間に合いません。
なお、東京証券取引所は、四半期報告書を8月14日までに提出できる見込みがないことを根拠に、沖電気工業株を監理銘柄(確認中)に指定しました。四半期報告書が9月14日までに提出されなかった場合、沖電気工業株は上場廃止となります。
以下、参考サイトを紹介しておきます。
以下、フリー百科事典ウィキペディアより抜粋
▼監理銘柄(確認中)とは
~~前略~~
実際には監理銘柄(審査中)・監理銘柄(確認中)の二通りに分けて指定される。監理銘柄(審査中)とされるのは、有価証券報告書等に虚偽を用いたなど犯罪性や社会的影響が想定され、上場資格の審査を行う場合である。監理銘柄(確認中)はそれ以外、単純な上場基準への数値抵触や法定義務過怠があり、その復帰や実行の経過を確認する場合である。
また、監理銘柄指定を受けた場合に必ず上場廃止になるものではないことに注意を要する。基準抵触の恐れがある事項が解消に至れば監理銘柄指定は解除される。
▼主な事例(※すでに上場廃止もしくは会社が消滅しているものを除く)
- 日本テレビ放送網(日テレ) – 放送法のうち株保有に関する問題
- オリンパス – 90年代における財テク失敗を飛ばしの手法で補填しようとした問題(オリンパス事件)
- 大王製紙 – 創業家(井川家)出身の元会長による背任容疑
東京証券取引所のウェブサイトからの抜粋
2012/08/08 更新
[東京証券取引所]
以下のとおり、監理銘柄(確認中)に指定することにしましたので、お知らせします。
1.銘柄 沖電気工業株式会社 株式
(コード:6703、市場区分:市場第一部)2.監理銘柄(確認中)指定期間 平成24年8月8日(水)から当取引所が上場廃止基準に該当するかどうかを認定した日まで 条文 有価証券上場規程施行規則第605条第1項第13号a
(四半期報告書について、法定提出期限までに提出できる見込みのない旨の開示を、当該最終日までに行っているときに該当するため)
3.理由 沖電気工業株式会社は、平成24年8月8日(水)、四半期報告書の法定提出期限(平成24年8月14日(火))までに四半期報告書を提出できる見込みのない旨の開示を行いました。
同社が四半期報告書を法定提出期間の経過後1か月以内(平成24年9月14日(金)まで)に提出しなかった場合、同社株式は上場廃止となります。
今回、当取引所は、同社株式について、監理銘柄(確認中)に指定し、上場廃止となるおそれがあることを投資者に対して注意喚起します。
なお、2012年8月8日の沖電気工業の発表文を読んだ限りでは、沖電気工業が循環取引を行っていたか否かは判りません。
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