9月9日、液晶技術製品開発・製造のインネクスト【札幌証券取引所 – アンビシャス:証券コード6660】が、取締役会で東京地裁へ自己破産を申請することを決議しました。
今後破産申請をする予定です。
負債は約10億7000万円です。
これを受け、アンビシャスを運営する札幌証券取引所は、インネクスト株を2011年10月10日付で上場廃止にすると発表しました。
以下、企業信用調査で有名な帝国データバンクのウェブサイトからの抜粋です。
2011/09/09(金) 液晶技術製品開発・製造
札証アンビシャス上場
株式会社インネクスト
自己破産申請へ
負債10億7000万円TDB企業コード:985274709
「東京」 (株)インネクスト(資本金1億9581万2500円、品川区西五反田2-18-2、代表那須郁雄氏ほか1名、従業員17名)は、9月9日開催の取締役会で東京地裁へ自己破産を申請することを決議、今後破産申請をする見込み。~~~中略~~~
ところが、2011年6月17日に過去の決算において不正経理を行っていたことを発表。2007年6月期から2011年6月期第3四半期までで約24億円の架空売上と約10億円の粉飾利益があったことを明らかにするとともに、同日付で監理銘柄に指定される事態となっていた。このため、信用が低下し予定していた大型案件の受注も出来ず、スポンサーの獲得も難航、今後の資金繰りの目処が立たないことから、今回の措置となった。
さて、私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしています。「会社四季報で倒産した企業のページを見ること」を何回も繰り返していくうちに、どういった財務内容の企業が危ないのか感覚的に判ってくるからです。
四季報でインネクストの「2011年6月期 第3四半期の決算」を見るに、インネクストは総資産13.02億円に対して、自己資本(株主持分)が3.58億円となっています。これは自己資本が多いとはいえませんが、致命的な数字ではありません。
有利子負債は8.14億円です。これは悪い数字です。
利益剰余金は-7100万円となっています。利益剰余金がマイナスになっているのは、倒産する会社にありがちです。
営業キャッシュフローは2010年6月期の本決算で-2.03億円となっています。営業キャッシュフローがマイナスなのはよくありません。また、同時期の投資キャッシュフローは-9500万円となっていました。
そして、同時期の財務キャッシュフローは+2.47億円となっています。
四季報の数字を見るに、財務状況は全体的によくないです。しかも、これ、決算を粉飾していて、この数値なんです。実態はもっと悪かったわけですから、粉飾決算がばれれば破産して当然です。
- 参考リンク – インネクスト粉飾決算の発表: ある経営コンサルタント
なお、2011年度の上場企業の倒産は、下記のようになっています。
▼2011年度 倒産上場企業の一覧
会社名 | 証券取引所と証券コード | 倒産の形態 | 倒産時の負債 | 倒産の日付 (2011年) |
上場廃止日 (2011年) |
中小企業信用機構 | ジャスダック:8489 | 民事再生 | 90億300万円 | 1月25日 | 2月26日 |
セイクレスト | ジャスダック:8900 | 破産申請 | 22億8200万円 | 5月2日 | 5月20日 |
インネクスト | 札証アンビシャス:6660 | 破産申請 | 10億7000万円 | 9月9日 | 10月10日 |
今年に入っての上場企業の倒産は、インネクストが3社目です。
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