パシフィックホールディングス、会社更生法申請(倒産)で上場廃止

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3月10日、不動産関連投資やファンド運営のパシフィックホールディングス 【東証1部:8902】が、東京地裁へ会社更生法の適用を申請し、受理されたと発表しました。

いわゆる倒産です。負債は約1636億円です。

これを受け、東京証券取引所はパシフィックホールディングス株を4月11日付で上場廃止にすると発表しました。

以下、帝国データバンクのウェブサイトからの抜粋です。

私募不動産ファンド運用の持ち株会社
東証1部上場
パシフィックホールディングス株式会社など3社
会社更生法の適用を申請
負債3265億2200万円

企業コード:987661149

「東京」 パシフィックホールディングス(株)(資本金196億3947万4550円、千代田区永田町2-11-1、代表織井渉氏ほか1名、従業員171名)と子会社のパシフィックリアルティ(株)(資本金1億円、同所、代表秋澤昭一氏)、(有)パシフィック・プロパティーズ・インベストメント(資本金300万円、同所、秋澤昭一氏)の3社は、3月10日に東京地裁へ会社更生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。

~~~中略~~~

 しかし、サブプライムローン問題に端を発した金融機関の融資姿勢の厳格化および不動産市況の急速の悪化に伴い保有不動産の売却が進まず資金繰りが悪化。

また物件購入見合わせによる違約金の発生や物件売却に伴う損失計上を見込み、2008年11月期では当期純損失約180億円に業績を下方修正。

この間、財務体質の強化を図るべく2008年7月には(株)大和証券グループ本社による資本参加の基本合意を締結し9月末を目処に協議していたが、最終合意には至らなかった。

11月には第三者割当増資による資金調達を発表したが、優先株式による調達資金約468億円のうち、現物出資を予定していた社債約270億円の払い込みはなされなかった。

その後、新たに470億円の優先株式発行による増資交渉を進めていたものの、2008年11月期に大幅な赤字決算となり債務超過に転落したことから、金融機関からの借り入れに関し財務制限条項に抵触、継続企業の前提に関する注記がなされるなどしたことでその後も増資交渉が難航。監査法人からは意見不表明を受けるなど動向が注目されていた。

さて、私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしています。「会社四季報で倒産した企業のページを見ること」を何回も繰り返していくうちに、どういった財務内容の企業が危ないのか感覚的に判ってくるからです。

四季報でパシフィックホールディングスの2007年11月期の決算を見るに、パシフィックホールディングスは総資産3702億円に対して、自己資本(株主持分)が577億円しかありません。有利子負債は2879億円と巨大です。利益剰余金は一応197億円のプラスになっています。

しかし、営業キャッシュフローが647億円と大きくマイナスになっています。

ただ、私は2007年11月期の決算を見た時点では、175億円の純利益が出ていたため、パシフィックホールディングスが倒産するとは予測できませんでした。

私が、パシフィックHDが倒産するかもしれないと最初に思ったのは、2008年9月に下記リンク先のニュースを読んだときでした。

 ・参考記事 大和証G、パシフィックへの資本参加で最終合意に至らず 【ロイター】

なお、今年倒産した上場企業は、下記の12社です。

▼2009年度 倒産上場企業の一覧

会社名 証券取引所と証券コード 倒産の形態 倒産時の負債 倒産の日付 (2009年) 上場廃止日 (2009年)
東新住建 ジャスダック:1754 民事再生 430億円 1月9日 2月10日
クリード 東証1部:8888 会社更生 650億円 1月9日 2月10日
エス・イー・エス ジャスダック:6290 民事再生 142億円 1月16日 2月17日
サイバーファーム ヘラクレス:2377 破産 79億円 1月30日 2月17日
中道機械 (なかみちきかい) 札証:8094 民事再生 76億円 2月5日 3月6日
日本綜合地所 東証1部:8878 会社更生 1975億円 2月5日 3月6日
ニチモ 東証1部:8839 民事再生 757億円 2月13日 3月14日
小杉産業 東証2部:8146 破産 97億円 2月16日 3月3日
あおみ建設 東証1部:1889 会社更生 396億円 2月19日 3月20日
SFCG 東証1部:8597 民事再生 3380億円 2月23日 3月24日
トミヤアパレル 大証2部:8067 会社更生 156億円 2月26日 3月27日
パシフィックホールディングス ※ 東証1部:8902 会社更生 1636億円 3月10日 4月11日

※をつけた会社は不動産関連企業or建設関連企業です。不動産関連企業の苦境はまだ続きそうです。

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