2013.6.9 Last Update!
2012年12月まで、東証などの通常の株式市場では、信用取引でデイトレードを行った際に差し入れた委託保証金は、その日のうちに他の取引の保証金に使うことが不可能でした。つまり、信用取引では新規の取引をするたびに新たな保証金を用意する必要があったのです。
2012年まで、信用取引では新規の取引をするたびに信用新規建余力※が減っていき、反対売買をしてもその日のうちには余力が回復しませんでした。しかし、これが 2013年1月4日に改定されました。
※信用新規建余力・・・信用取引で売買が可能な残り金額のこと
法律の改定により、2013年1月4日の取引より、 同じ保証金を使って一日に何度でも売買できるようになりました。
- 参考記事 – 信用取引 規制緩和スタートで「一攫千金のチャンス広がる」
2013年1月から、信用取引のルールが変わり「同じ担保を使って1日に何度でも売買できる」ようになっています。
例えば2012年までは、委託保証金100万円を証券会社に差し入れて信用取引で300万円の株を購入した場合、信用の余力はほとんどなくなっていました。当日中にその株を全部売却しても、余力は回復せず、その日のうちに再度300万円の買付を行うことはできませんでした。
2013年1月4日からは、売却後に余力がすぐに回復し、その日のうちにまた取引ができるようになっています。デイトレードで、何度でも同じ担保(委託保証金)を利用可能になったのです。
つまり、事実上、2013年1月から信用取引において差金決済が認められたわけです。よって、信用取引では現物株の取引における差金決済禁止ルールのような煩わしさが無くなりました。
2013年から、信用取引は少ない資金であっても、それを使って何度でも無制限に回転売買できるようになったので、終日勝負に打って出られるようになりました。よって今の信用取引はFX取引や日経225先物取引なみに使い勝手が向上しています。
信用取引のルール改定に伴い、ネット証券各社がルール改定の案内を出していますが、個人的には岡三オンラインの解説が一番判りやすいものでした。参考にその解説を抜粋しておきます↓
以下、岡三オンラインのウェブサイトからの抜粋です。
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委託保証金の計算方法等の見直しについて
2013年1月1日より、金融商品取引法第161条の2に規定する取引及びその保証金に関する内閣府令の一部改正により、信用取引に係る委託保証金の計算方法等が変更となりました。
【改正のポイント】
- 委託保証金の拘束期間の見直し 同日において、同一資金で何度でも信用取引の売買が可能
- 反対売買による確定利益額の取扱いの見直し 建玉の反対売買による確定利益は、受渡日前でも利用が可能
- 追証(追加委託保証金)解消方法の見直し 建玉の反対売買による追証の減額が可能
1.委託保証金の拘束期間の見直し
↓クリックで拡大可能
委託保証金の拘束期間が、受渡日基準から約定日基準に変更となり、以下のことが可能となりました。
(1)
建玉の返済後、旧建玉にかかる委託保証金を、新規建玉にかかる委託保証金に充当することが可能となりました。
これまでは同一資金(委託保証金)での売買回数に制限がありましたが、改正後は同一資金で何度でも信用取引の売買が可能となりました。
(2)
建玉の返済後、旧建玉にかかる委託保証金を、即日引き出すことが可能となりました。
これまでは受渡日まで損金や現引代金等に充当することができませんでしたが、改正後は約定日から可能となりました。
2.反対売買による確定利益額の取扱いの見直し
受渡日前であっても、反対売買による確定利益を、委託保証金残高として算入することが可能となりました。
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3.追証(追加委託保証金)解消方法の見直し
従前の解消方法は、保証金の差入れのみですが、改正後は以下の解消方法が追加になりました。
(1)
建玉の一部返済
追証発生後、建玉の返済を行った場合、返済した建玉の20%を追証額から控除できます。
(2)
確定損金の差入れ
追証発生後、確定損金相当額を差入れた場合、当該損金に相当する額を、追証額から控除できます。
~~以上、岡三オンラインのウェブサイトからの抜粋~~
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