「アドウェイズ株誤発注事件」と「ジェイコム株誤発注事件」を比較してみます。
まずジェイコム株誤発注事件です。
ジェイコム株誤発注事件
・2005年12月8日、みずほ証券がジェイコムの株式(発行済み株式数14,500株)で「61万円1株売り」とすべき注文を「1円61万株売り」と誤って注文。
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東証のシステム不具合により注文消去ができず、あえなく買い戻し注文を出す
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しかし、全ての株券を買い戻すことができず9万6,236株は、他の証券会社や個人投資家に渡ってしまう
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みずほ証券は、株券を用意して9万6,236株を他の証券会社や個人投資家に渡さなければならない。
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しかし、発行済み株式数14,500株をはるかに越える9万6,236株が市場に出回ってしまったため、みずほ証券には株券を用意することができない
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異常事態を収拾するため、日本証券クリアリング機構は現金による強制決済を決定。みずほ証券は、9万6,236株を一株91.2万円で買い戻すこととなった(終)
アドウェイズ株誤発注事件
・2006年6月20日AM9:10、立花証券がアドウェイズの株式(発行済み株式数15,315株)で指値1670円、2600株の売却注文を出す(空売り※)。 ※空売り・・・持っていない株を売ること
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AM9:11、すぐに取り消し注文を出したが、1482株が売買成立した。誤注文によって売却が確定した1482株が他の証券会社や個人投資家に渡ってしまった
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立花証券は1482株を用意して、受け渡し日となる23日までに他の証券会社や個人投資家に株券を渡す必要がある
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アドウェイズの総発行株式数が1482株なので市場で買い戻すことができるかもしれないが、23日までに1482株を全て市場で買い戻すのは時間的に難しそうだ。
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立花証券はとりあえずアドウェイズの大株主から株券を借りる必要があるだろう。今日アドウェイズ株を買った人々に株券を渡すために。
現状はこんな感じです。大株主に借りた株もいずれは返さないといけません。最終的に立花証券は市場で1482株全てを買い戻すのでしょうか。そうなると立花証券に相当な損失が発生しますね。
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