みずほ証券による誤発注問題 東証側のシステム不具合で訂正注文が通らず

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みずほ証券によるジェイコム株の誤発注問題ですが、東証のシステムにも問題があったことが判りました。
東証のプレスリリースによると売買の取り消しは、売買契約を成立させる処理の後に受け付ける仕組みとなっているとのことです。今回の取り消し注文は処理中に出されましたが、処理が終わった後も正常に認識されなかったと東証は発表しています。東証は、みずほ証券の申し出を受けてシステム開発者の富士通と点検した結果、9日夕に富士通から不具合があったとの報告を受けたとのことです。
なんといいますか、東証と富士通がんばってくれとしか言いようがないですね。この前、大規模システムトラブルがあったばかりですから。
■以下、東証ウェブサイトのリリースより

投資家及び関係の皆様へ
-12月8日のジェイコム(株)株式の注文取消処理に係る株式・CB売買システムの不具合について-
2005/12/11
ジェイコム株式につきましては、去る12月8日、新規上場日の取引において、特別買気配が表示される中、みずほ証券による大量の売注文により、67万2千円で初値が決定された時点以降、株価は制限値幅の下限である57万2千円まで急速に下落し、その後一転して制限値幅の上限である77万2千円まで上昇、その間下限価格において大量の約定がなされました。
同銘柄の当日の株価変動等の直接の原因は、みずほ証券による大量の誤発注でありますが、同証券による注文取消の指示が、当取引所において受け付けられなかった点につきましては、当取引所システムの不具合によるものであることが判明いたしました。
当初、当該取消注文が実行されなかった原因について、みずほ証券が取消注文の値段にみなし処理後の値段を指定しなかったからとの誤った説明をしたため、関係の皆様にご迷惑をお掛けしましたことを、深くお詫び申し上げます。
市場の信頼を損ないかねないような株価変動を生ぜしめたことにつきましては、安定した市場機能を提供する責務を負う当取引所といたしましては、誠に申し訳なく、関係の皆様に重ねて深くお詫び申し上げる次第であります。
当日の経緯及び状況等について、以下にご報告申し上げます。
経緯
午前9時27分、ジェイコム株式に対し、みずほ証券が61万円で1株の売注文を、1円で61万株として発注いたしました。その際、同銘柄は67万2千円の特別買気配を表示中でしたが、当該売注文により約定成立要件が整い、売買が成立しました。ただし、今回の売注文が大量で初値成立後にも残っていたため、残存分は初値決定により設定された呼値の制限値幅の下限である57万2千円の売注文として登録され(詳細は後述いたします)、大量の買注文と間断なく順次約定していくこととなりました。その過程で、みずほ証券から当該注文に対する取消注文が発注されましたが、そのような例外的状況において生ずる不具合が売買システムに存在したため、取消しができずにその後も連続対当により約定が順次成立することとなりました。
現時点で判明している処理状況
新規上場銘柄の初値が決定した際には、当該初値を基準として同銘柄の呼値の制限値幅が設定されますが、この制限値幅を超える注文は、売買取引制度上、制限値段の注文とみなされます(以下「みなし処理」といいます。)。本事象は、このみなし処理が行われた注文に対する取消・変更処理の不具合であることが判明いたしました。
具体的には、ジェイコム株式について、特別買気配67万2千円が表示されている状態で午前9時27分に1円の売注文が発注され、初値67万2千円が決定いたしましたが、これにより呼値の制限値幅(上下10万円)が設定されました。この1円の売注文が大量で初値決定以降もなお残っていたため、みなし処理により呼値の制限値幅の下限である57万2千円の売注文として登録され、この後、67万2千円から順次買注文を消化する形で、約定を繰り返しつつ、値段が下落していくこととなりました。
このような状況下でみずほ証券による注文の取消しが複数回にわたって行われましたが、当該注文が発注された時点で板状態が対当中(約定処理中)であった場合に、対象注文が取消されないという不具合が発生いたしました。これは、みなし処理がなされ、それに対当する注文が存在する場合に生ずる不具合です。
今後の対応
本事象は、当取引所に直接新規上場する銘柄の場合で、かつ、今回のケースのように、特別買気配が表示中に気配の差引数量を超え、初値決定後も売注文が残るほどの大量の注文がみなし処理の対象となるような値段で発注されたような場合に発生する事象であることから、当面新規上場銘柄に対する監理の強化を行うとともに、今後はこのようなケースを含め、あらゆるケースを想定して十分な精査を行い、不具合が生じることのないよう努める所存であります。また、今般の不具合につきましては、売買システムの開発担当者である富士通株式会社の協力を得て、早急に詳細原因の徹底分析を行うことといたしたいと存じます。
今後は、二度とこのような事態を引き起こすことがないよう、役職員、関係者一同全力を尽くし、市場運営に万全を期す所存であります。何卒ご理解・ご支援たまわりますよう、お願い申し上げます。
平成17年12月11日
株式会社 東京証券取引所
代表取締役社長 鶴島 琢夫

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