今年も今日で終わりですので、当サイト管理人の私(兜達也)が選ぶ2011年の重大ニュースを三つピックアップしたいと思います。
1位・東日本大震災および福島第一原発事故
これは日本に住んでいる人なら、誰しもが2011年の重大ニュースとして真っ先に思い浮かべることでしょう。株式市場にも激震が走りました。
まず、地震と津波が発生した2011年3月11日当日は、地震関連銘柄 (復興関連銘柄)に注目が集まりました。 地震の被害の全貌が明らかでなかったことと、金曜日であったことにより、日経平均株価は10,434円から10,254円に小幅な下落ですみました。
しかし、週明け、津波による被害と、福島第一原発事故の重大さが明らかになるにつれ、株価は暴落しました。まず、3月14日月曜日に日経平均株価が633円下落。3月15日には、9620円から8605円に急落しました。3月15日の下落率は10.55%であり、リーマンショック後の2008年10月月16日(11.41%)に次ぐ過去三番目に悪い数値でした。
東日本大地震と福島第一原発事故は、株式市場に下記のような問題を発生させました。
- 原子力に依存したエネルギー政策に傾倒していたために、原発事故が起こると電力不足になり、計画停電や節電を余儀なくされた。電力不足は、日本の重要産業である自動車の生産に与える影響も大きかった。
- 電力会社は上場銘柄の中では、「配当金狙いに適したローリスク・ローリターンなディフェンシブ銘柄」として、個人投資家に人気だった。しかし、東京電力の株価暴落によって、電力会社は必ずしも配当狙いに適した銘柄とはいえなくなった。
- 地震と原発事故の影響により、3月14日から同15日にかけて日経平均株価指数が2,000円を超える大幅な値下がりとなった。 この株式相場の急変により、日経225先物・オプション取引をしていた多数の個人投資家において、多額の損失が発生。支払い不可能なほどの巨大な損失を抱えた個人投資家が続出し、その損金を各証券会社が負担せざるをえないケースが続出した。
また、復興需要の影響で、東北の建設・建築業は人手不足な状況です。逆にいえば東北では建設や建築業の仕事があるということです。
そして、今回の福島第一原発事故は、日本の長期的なエネルギー政策に大きな影響を与えました。
去年までは、電力は原子力発電に大きく依存していましたが、今後は、太陽光発電・風力発電などの代替えエネルギーに加え、スマートグリッドにも注目が集まることでしょう。
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第2位 オリンパス損失隠し問題
オリンパスが過去のM&Aにおいて不透明な取引と会計処理を行なっていたことが、 『月刊FACTA』の2011年8月号で初めて報じられ、それをきっかけに、同社の損失隠し(損失飛ばし)が明らかになっていきました。
個人にはカメラ、投資家には「医療用の光学機器や顕微鏡分野」で有名な老舗メーカー。しかも東証1部上場で、売上が年間数千億円もあるような大企業のオリンパスの経営陣が、損失隠しを行っていたということで、個人投資家の注目の的となりました。
もともと配当利回りが高い会社ではありませんでしたが、「消化器内視鏡の世界シェアが7割」ということで優良企業と見なされていたオリンパスの株を保有していた投資家は多いことでしょう。
第3位 日経225先物オプションによる証券会社の損失問題
上記の1位のところでも、ちらっと述べましたが、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響により、3月14日から同15日にかけて日経平均株価指数が2,000円を超える大幅な値下がりとなりました。
この株式相場の急変により、日経225先物・オプション取引をしていた多数の個人投資家において、多額の損失が発生。支払い不可能なほどの巨大な損失を抱えた個人投資家が続出し、その損金を各証券会社が負担せざるをえないケースが続出しました。
損失額を発表した証券会社8社だけでも、損失額の合計は200億円を超えています。特に、ひまわり証券は80億円と損失額が大きく、その影響で日経225先物事業と証券事業を廃業することとなりました。
また、ひまわり証券より損失額が小さかった証券会社でも、上場している会社は損失により株価にマイナスの影響が出ました。
日経225先物取引や日経225オプション取引はレバレッジを効かせることができます。個人投資家は、このレバレッジを強くすればハイリスクハイリターンな取引が可能となるわけです。
今回の一連の事件で、日経225オプション取引は個人投資家だけでなく、証券会社にとってもハイリスクハイリターンな金融商品であるということが、あらためて判りました。
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