- 外貨建てMMF [読み:がいかだて えむえむえふ]
- 「外貨建てMMF」の同義語=「外貨MMF」
外貨MMFは、海外の投資信託会社によって外貨で運用される公社債投資信託です。
外貨MMFについて解説する前に、まず「MMF」がなんなのか説明しましょう。
MMFとは投資信託の一つです。MMFはMoney Market Fundの略称です。ここでいうファンドが「投資信託」のことです。
中身は「元本割れの心配がほとんどない安全な債券や短期の金融商品」で運用されています。日本円だけで運用されているMMFを円MMFと呼び、外貨で運用しているMMFを「外貨MMF」や「外貨建てMMF」と呼びます。
外貨MMFは投資信託の一種なわけですが、格付けの高い債券やコマーシャル・ペーパーなどで運用されるため、安全性や安定性は高く、元本保証ではありませんが現地通貨での元本割れはまずありません。
現地通貨での元本割れのリスクがまずない代わりに、金利は低めに設定されています。
外貨MMFは外貨預金に似ていますが、外貨預金と比べていくつかメリットがあります↓
▼外貨MMFのメリット一覧
- 外貨MMFは、外貨預金より為替手数料が安い
- 外貨MMFは為替差益が発生しても課税されない。ただし、このメリットは2015年までとなっている。税制変更により2016年以降は、為替差益に対して課税が行われる。また、現在、外貨預金は為替差益が出た場合、税金を払わなければならない
- 外貨MMFは分別管理の対象となるため、万一、証券会社が破綻した場合でも、個人投資家の外貨建てMMFは保全される。外貨預金は預金保険の対象外のため、資産保護はなし。
これら外貨MMFのメリットに対して、外貨預金のメリットは海外への送金ができることです。預金という形のために海外の銀行口座への送金ができるので、海外旅行へ行ったときなどに現地で外貨を引きおろすことができて便利になります。
以下、「外貨預金」と「外貨MMF」と「FX」の特徴の比較表です。
▼外貨預金、外貨MMF、FXの比較表
外貨普通預金
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外貨MMF
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FX
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為替手数料 | 米ドルなら往復1円~2円程度 | 米ドルなら往復で50銭程度 | 米ドルなら往復1銭以下のFX会社もある |
保有時にかかる費用 | なし | 管理報酬や投資顧問報酬等の費用が間接的にかかる |
通常はなし マイナスのスワップが発生することもあり |
為替差益にかかる税金 |
雑所得としての申告が必要 最高50%の税率 |
2015年まで非課税。2016年から20.315%の税率で課税される | 20.315% |
金利にかかる税金 | 利息から20.315%が源泉徴収される | 分配金の20.315%が源泉徴収される | 20.315% |
金利 | 変動金利 | 運用実績による分配、複利効果が期待できる | 変動のスワップ金利 |
解約の自由度 | 日本円の定期預金でも同じだが、外貨預金も、満期前に解約すると解約手数料を取られる場合がある | いつでも解約できる | いつでも決済できる |
主なリスク | 為替変動リスク、信用リスク | 為替リスク 、信用リスク、 価格変動リスク、金利変動リスク |
為替リスク 、信用リスク、 価格変動リスク、金利変動リスク、レバレッジ取引のリスク |
元本の保証 |
外貨ベースで元本保証 為替変動により、円貨ベースで元本割れが生じることがあります |
現地通貨ベースでの元本割れはまずない | 元本保証なし |
預け先が破たんした場合の資産保護 |
預金保険の対象外のため、資産保護はない。 預けている外貨預金は、銀行が破綻した場合、全額戻ってこないリスクがある |
分別管理の対象となるため、証券会社が破綻した場合でも、個人投資家の外貨建てMMFは保全される | 通常、信託銀行に分別管理されているため、FX会社が破たんした場合でも、個人投資家の資金は保護される |
外貨へ両替 |
○
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○
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△(業者による)
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換金性(流動性) | 一日一回 | 一日数回 | 24時間OK |
満期 | 定期預金は満期の期限がある | 無期限 | 無期限 |
レバレッジ | 1倍のみ | 1倍のみ | 1~25倍 |
空売り |
×
|
×
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○
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最大損失 | 投資額のみ | 投資額のみ | レバレッジをかけた場合、投資額以上の損失が出る場合もある |
注文方法 | 成行のみ | 成行のみ | 多数の注文の種類がある |
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