松井証券が約定価格改善サービス「ベストマッチ」を開始

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松井証券が2018年5月21日から、約定価格改善サービス「ベストマッチ」の提供を開始します。

ベストマッチ注文を使うと、東証より株を安値で買ったり、高値で売ったりできる可能性が出てきます。

ベストマッチの仕組みは、下記のようになっています。

▼ベストマッチの仕組み

松井証券以外の証券会社で、東証に上場している銘柄に成行の買いの注文を出すと、通常、東証のシステムで表示されている一番安い価格で約定します。

松井証券のベストマッチ注文では、東証で表示されている価格以外にも、下記の二つの価格で約定する可能性があります。

  1. 東証の立会外市場(ToSTNeT)で表示されている価格
  2. 松井証券の顧客の売り注文の価格

本家の東証より、ToSTNeTや松井証券の顧客の注文の方が有利な価格の場合、そちらで約定するので、株を安く買えるという仕組みです。

この仕組みを図にしたものが下記の画像です。松井証券の発表文からの抜粋になります。

東証の立会外市場(ToSTNeT 読みトストネット)では、通常は機関投資家が売買しています。ベストマッチを使えば、本家の東証だけでなく、ToSTNeTの価格も監視して、有利な価格を見つけようと試みてくれます。

また、ベストマッチは松井証券の顧客が出している注文の価格を監視しているので、買い注文を出せば他の松井証券の顧客の中から安い価格の注文を探してくれますし、売り注文出せば高い値段で買ってくれる顧客の注文を探してくれます。

自社内の「買い」と「売り」の二つの注文をToSTNeTに流した上、ToSTNeT内で約定させるという仕組みになっています。

というわけで、簡単にいうとベストマッチを使えば、通常より安い価格で株を買ったり、高い価格で株を売ったりできる可能性があるので、約定の価格面で松井証券のユーザーにメリットがあります。

しかし、ベストマッチのサービスには少し欠点もありまして、今のところ、ベストマッチ注文を利用できるのは松井証券で信用取引の口座を開設している人だけです。

また、ベストマッチ注文は現物株取引でしか使えません。信用取引では使用不可能です。

ちょっと判りにくいかもしれませんが、「信用取引口座を持っているユーザーが、現物株取引で使用できるのがベストマッチ注文」です。

なお、ベストマッチ注文で約定すると、通常の松井証券の株取引の手数料がかかります。

また、現物株取引でベストマッチを利用して、東証よりも有利な価格で約定した場合、改善成功報酬がかかります。改善成功報酬の計算式は下記のようになっています。

 改善成功報酬(税抜)=ベストマッチを利用して約定した代金と、東証の最良気配で約定したと仮定した場合の約定代金との差額×30%

具体例を挙げると、東証にて1株100万円で売っている株を、ベストマッチにて99万円で買えた場合、1万円の差額がありますが、この1万円の3割が改善成功報酬と見なされます。つまり、この例だと改善成功報酬は3000円(税抜)です。

以下、松井証券のウェブサイトからの抜粋です。

~~~

ベストマッチの仕組み

お客様が注文を発注します。

取引所へ注文を発注する際に、松井証券のベストマッチ・システム(※)で注文をチェックします。

ベストマッチ・システムに接続する他の証券会社の注文、または当社が他のお客様から受託した「最良」の注文との間で、東証の最良気配よりも有利または同一の価格で約定成立が可能であるか、注文をチェックします。

※ ベストマッチ・システムとは、対当する注文の有無を判定する松井証券のシステムです。

最良気配よりも有利な約定(※1)が成立する場合

約定可能な数量(発注数量の一部、または全数量)をベストマッチ・システムで見つかった注文とお客様の注文を取引所外(※2)で約定させます!

※1 最良気配より有利な価格とは、買注文の場合は最良気配よりも低い価格、売注文の場合は最良気配よりも高い価格のことです。

※2 東証の立会外市場(ToSTNeT)

▼最良気配よりも有利な約定が成立しない場合

通常どおり、東証へ発注します!

東証で約定するまでの間、東証の最良気配よりも有利な価格で約定できないか、ベストマッチ・システムでチェックし続けます。

※ 東証と最良気配と同一の価格の場合は、ベストマッチ・システムにより立会外市場で約定します。

~~以上、松井証券のウェブサイトからの抜粋~~

松井証券は独自のPTS(私設取引市場)を持っていませんが、東証の立会外市場(ToSTNeT)を利用することで、自社のユーザーが通常より有利な価格で株を売買出来る機会を提供しようというわけです。

ベストマッチ注文と似たような仕組みとしては、SBI証券のSBBO-Xサービスがありますが、SBBO-Xは今のところ預り資産残高1千万円以上の顧客しか利用できないという縛りがあるのが難点です。

記事下

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※情報の内容に関しては正確性を期していますが、情報が古くなっている場合がありますので、各証券会社のウェブサイトで確認をお願いいたします。掲載している情報に誤りがあった場合、ご指摘いただけると幸いです。

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