9月26日に、当サイトでソフトバンクが携帯電話事業を証券化するというニュースをお伝えしました。しかし、「事業の証券化」というのが具体的に何を意味するのか今ひとつ腑に落ちなかったのです。
今日は、「事業の証券化」とはどんなものかを具体的に解説しているサイトを見つけましたので、紹介します↓
・ソフトバンクの携帯事業証券化:他のIT・ネット企業のM&A戦略に与える影響・・・ITmediaより
この記事は、リーマン・ブラザーズ証券、UBS証券にてM&Aアドバイザリー、資金調達案件を担当した経歴を持つ保田隆明氏が書いています。そのため、「事業の証券化」について非常に詳しい解説となっています。上記リンク先の記事から、私が一番重要だと感じた部分を抜粋しておきます。
証券化による資金調達を行う場合は、お金を貸す側は、ある特定の事業の収益、キャッシュフローだけを評価して、その特定の事業の収益、キャッシュフローでローンの返済がなされることという条件のもと、お金を貸します。
具体的な例では、都内の一等地にビルを保有している企業が存在したとします。都内の一等地であれば、ビルの入居率は高いでしょうし、ビルの賃料も今後大きく値下がることもないでしょう。つまり、将来の収益、キャッシュフローが見込みやすいのです。そこで、そのビルからの収益、キャッシュフローでお金を返済するという条件をつけてお金を借りる手法が証券化です。このビルを保有する企業の本業が食品業だったとした場合、証券化をする前まではビルの収益、キャッシュフローは自社の本業のために使うことができましたが、証券化後は、そのビルの収益、キャッシュフローは証券化で調達したローンの返済のために使う必要があり、本業のために使うことはできません。
この部分を読んだとき、「なるほど、証券化とはそういうことだったのか」と思いました。
「携帯電話事業を証券化することによって、その携帯電話事業から得られたキャッシュは、他の事業に使うことができない。その代わりに金利は安くなる。」・・・これが今回のソフトバンクによる携帯電話事業証券化の要旨です。
今後、ソフトバンク以外に、「事業を証券化し金融機関から融資を取りつけ、M&Aにその資金を投入する企業」が出てくるかもしれませんね。