日興アセットマネジメントが、日本を除く、先進国、新興国44カ国の株式に一度に投資ができるETF「上場MSCI世界株(証券コード:1554)」を、3月8日に東証に上場すると発表しました。
「上場MSCI世界株」は、「MSCI ACWI=All Country World Index(除く日本)」という株価指数に価格連動するETFです。「上場MSCI世界株」を買うと、日本を除く、先進国、新興国44カ国の株式に分散投資ができます。信託報酬は年0.315%です。
「世界株式」と「豪州リート」、2本のETFを新たに上場 [PDF] – 日興アセットマネジメントのプレスリリース 02/14/2011
2010年に、日興アセットマネジメントは、先進国の株式に投資する上場MSCIコクサイ株(1680)、新興国の株式に投資する上場MSCIエマージング株(1681)を、東証に上場させています。
この2本のETFに85対15くらいの比率で投資すると、「上場MSCI世界株」1本に投資すると同じように世界に分散投資ができます。
2本のETFに85対15くらいの比率で投資すると、信託報酬が年0.2625%となります。しかし、両方買うのはめんどうですね。
「上場MSCI世界株」だけに投資すると、信託報酬が年0.315%と高くなります。しかし、1本しか買わなくていいので楽です。
以下、日興アセットマネジメントのウェブサイトからの抜粋です。
2011年2月14日
本日、上場の承認を得た新しいETFについて、ご紹介いたします。当社のETFとしては18本目と19本目のETFになります。
当社のETFも本数が増えたなあと感慨もひとしおです。それぞれのETFの仕組み、分配頻度などの設計に伴なう課題を乗り越えた過程を思い起こします。
今回の2本のETFは海外の資産を投資対象にした金銭設定・金銭償還型のETFになります。(ETTの設定方法についてのコラム「No.8 投資対象の広がりとともに改良されるETFの仕組み」)
先進国投資も新興国投資もこのETF1本で ~上場MSCI世界株
3月8日に東京証券取引所に上場する上場MSCI世界株(1554)は、MSCI ACWI=All Country World Index(除く日本)に連動をめざすETFになります。
日本を除く、先進国、新興国44カ国の株式に一度に投資ができるETFです。
昨年、当社は先進国の株式に投資する上場MSCIコクサイ株(1680)、新興国の株式に投資する上場MSCIエマージング株(1681)を立ち上げました。
この2本のETFを85対15※くらいの比率で投資していただければ同じような投資効果が得られるのですが、投資家の方々からは全世界株式に投資するETFの要望が寄せられていました。ETFを組み合わせて投資をすることが、個人投資家の方には難しいこともありますので、利便性を提供したいと思いました。
一方、指数会社のMSCI社でも、投資家に新興国の成長を享受していただくことを目的に「コクサイからACWI(アクイ)へ」というキャッチフレーズでACWIを紹介しています。
この同社の動きに同調するような形であれば、この上場MSCI世界株(1554)の認知が進むことも期待できるのではないかと思いました。
MSCI ACWI=All Country World IndexのETFを組成するのであれば、日本も含めた本当の全世界にすることも考えられます。
しかしながら、機関投資家にとっては日本が入っていると資産配分がしづらくなることや、ETF(日本の投資信託も同様)の基準価額算出ルール上、日本と諸外国の評価日が違ってしまい、指数をうまく加工しないと連動性が保てないといった問題も発生することがネックでした。そのようなこともあり日本を除く指数で組成することにしました。
この上場MSCI世界株(1554)は、上場MSCIコクサイ株(1680)と上場MSCIエマージング株(1681)がそれぞれ投資している先進国株式と新興国株式の私募投信に、上述のとおり85対15程度※で投資します。
この比率は先進国株式と新興国株式のそれぞれの時価総額の変動に伴なって変化します。その私募投信は世界各国の先物を中心に運用しています。
諸外国の税制に円滑に対応するために先物を活用しているのですが、新興国のリスクを限定的にする効果もあります。というのは、先物は投資の一部を証拠金として投資先現地へ納め、残金は日本の口座に保全されています。
よって、不測の事態が投資先の新興国で起こり証拠金が没収されても残金は日本に残り、その影響は限定的になるということです。
※2011年1月末現在
ちなみに、「上場MSCI世界株」の正式名称は、「上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI) 除く日本」となっています。
「上場MSCI世界株」は、上場MSCIコクサイ株(1680)と上場MSCIエマージング株(1681)がそれぞれ投資している先進国株式と新興国株式の私募投信に投資するので、ファンド・オブ・ファンズです。
なお、今回、新規に上場する「上場MSCI世界株」は、上場日の2011年3月8日に貸借銘柄に選定される予定となっています。貸借銘柄になると、信用取引で空売りができるようになります。
というわけで、これから「日本を除く世界」の景気がよくなると思う方は「上場MSCI世界株」を買えばいいですし、逆に景気が悪くなると考える方は空売りすることも可能です。
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