TCBホールディングス、破産手続き開始で上場廃止

10月21日、TCBホールディングス【東証マザーズ：2356】が東京地裁へ自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けたと発表しました。

負債は9月末時点で約2億5823万円です。

これを受け、東京証券取引所は、TCBホールディングス株を11月5日付で上場廃止にすると発表しました。

（民事再生法や会社更生法を申請した場合の倒産だと、倒産から上場廃止になるのに1ヶ月程度の期間があります。破産の場合、破産から2週間程度で上場廃止になります。）

以下、企業信用調査で有名な帝国データバンクのウェブサイトからの抜粋です。

2010/10/21（木） ＷＥＢインフラ、情報サービス会社等の持株会社
東証マザーズ上場
ＴＣＢホールディングス株式会社
破産手続き開始決定受ける
負債2億5823万円

TDB企業コード：986793161
「東京」　ＴＣＢホールディングス（株）（資本金6億628万2066円、渋谷区道玄坂2-6-17、代表大嶽貞夫氏）は、10月20日、東京地裁へ自己破産を申請し、同日破産手続き開始決定を受けた。

～～～中略～～～

　翌2004年3月には、同商社が持株の一部を大手情報会社に売却し、同商社の子会社ではなくなっていた。2006年10月にＴＣＢテクノロジーズ（株）に商号変更し、ＷＥＢインフラ事業などを中心に2007年3月期の年収入高は約13億2800万円を計上していた。2009年8月に2社を買収し、2009年9月に既存事業を会社分割による新設子会社に譲渡し、持ち株会社に改組したうえで、現商号に変更していた。

　しかし、2008年3月期まで4期連続で最終欠損が続き、財務体質は脆弱だったところへ、2009年8月に買収した2社の買収資金が負担となり、持株会社への移行にともなう新オフィスへの移転費用や賃料増加も資金繰りを圧迫、今回の措置となった。

さて、私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしています。「会社四季報で倒産した企業のページを見ること」を何回も繰り返していくうちに、どういった財務内容の企業が危ないのか感覚的に判ってくるからです。

四季報でTCBホールディングスの2011年3月期の第1四半期決算を見るに、TCBホールディングスは総資産10.35億円に対して、自己資本(株主持分)が3.35億円あります。

総資産と株主持分から計算すると、株主持分比率は32.4%あり、これは悪くない数字です。

有利子負債は1.07億円で、総資産に対して少な目です。

しかし、利益剰余金は-3.18億円となっています。大幅なマイナスで悪い数字です。利益剰余金が大幅にマイナスになっているのは、倒産する会社にありがちです。

営業キャッシュフローは2010年3月期の本決算で+4.44億円となっています。これはよい数字です。また、同時期の投資キャッシュフローは-1.75億円となっていました。

そして、同時期の財務キャッシュフローは+0.22億円となっています。

貸借対照表の数字が悪く、2010年3月期本決算で8500万円の営業赤字、2011年3月期第1四半期決算で6000万円の営業赤字を出したため、TCBホールディングスには継続企業の前提に関する重要な疑義が付いていました。

やはり、「継続企業の前提に関する重要な疑義」が付いている銘柄は、買わない方が無難でしょう。

TCBホールディングス株は、2011年3月期の第1四半期決算が出た時点ですでに、「買ってはいけない銘柄」になっていたといえます。

ちなみに、TCBホールディングス以外に「継続企業の前提に関する重要な疑義」が付いてる会社が、どれくらいあるのか知りたい方は、下記リンク先の記事をクリックしてください。

重大なリスクを抱えている……いわゆる“イエロー企業”は43社・・・ZAKZAK

なお、今年に入ってからの上場企業の倒産は、下記のようになっています。TCBホールディングスが9社目となります。

▼2010年度 倒産上場企業の一覧

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