ひまわり証券、東北関東大震災をきっかけとした株式相場急落で不足金80億円発生

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去る3月17日に、当サイトで「ひまわり証券、東日本大地震の影響で日経225先物事業と証券事業を廃業、店頭FXは継続」という記事を配信しました。

3月17日の時点で、ひまわり証券は、日経225先物事業でいくら損失を出したか、金額を発表していませんでした。

3月30日、ひまわり証券から続報が出ました。同社は、東日本大震災発生以降の株式市場の急落で、日経225先物取引や日経225オプション取引を行っている顧客の損失分(決済損)の回収が進まず、80億円の不足金が発生したと発表しました。

▼3月11日から3月17日の日経平均株価の値動き

日付 始値 高値 安値 終値
2011年3月17日 8,913.35 9,093.61 8,639.56 8,962.67
2011年3月16日 8,767.2 9,168.51 8,763.95 9,093.72
2011年3月15日 9,441.66 9,441.66 8,227.63 8,605.15
2011年3月14日 10,044.17 10,049.92 9,578.65 9,620.49
2011年3月11日 10,298.64 10,378.55 10,254.43 10,254.43
2011年3月10日 10,544.13 10,549.17 10,410.1 10,434.38

3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震およびこれに端を発した福島第一原子力発電所事故の影響により、週明けの3月14日から同15日にかけて日経平均株価指数が2,000円を超える大幅な値下がりとなりました。

日経225先物価格が急落した結果、ひまわり証券で日経225先物・オプション取引をしていた多数の個人投資家において、多額の損失が発生しました。

支払い不可能なほどの巨大な損失を抱えた個人投資家が続出し、その損金を ひまわり証券が立て替えているわけです。不足金は約80億円になっています。

東洋経済新報社の記事によると、今回の相場乱高下では、日経225オプション取引における「プットの売り」で巨額の損失を出した個人投資家が多いということです。

  ~~~前略~~~

 今回は地震発生後の日経平均の8000円台への急落に伴い、主に日経225オプション取引のプットの売り手に巨額の含み損が発生した。ネット証券ではこ うした含み損が発生した場合、顧客に「追い証」と呼ばれる追加の差し入れ金の払い込みを求める。しかし、「期日までに追い証が払い込まれない場合は、強制 的にプットを買い戻し、足りなかった金額が不足金として発生する」(マネックス証券)。

ちなみに、ひまわり証券は、この80億円のうち個人投資家から回収できなかった部分は貸倒引当金に計上する予定ということです。

以下、ひまわり証券の親会社の「ひまわりホールディングス」のウェブサイトの発表文からの抜粋です。

平成 23年 3月 30日

各 位

会社名 ひまわりホールディングス株式会社

代表者代表取締役社 長山 地一郎 (JASDAQ・コード番号 8738)

問合せ先 取締役経営企画部長 寺田義秋

電話03-5400-4133

連結子会社における債権の取立不能のおそれに関するお知らせ【PDF】

当社連結子会社のひまわり証券株式会社において、債権の取立不能のおそれが発生しましたので、下記のとおりお知らせいたします。

1.
発生した事実の概要

平成 23年 3月 11日に発生した東北地方太平洋沖地震後の国内株式相場の急落等に伴い、連結子会社ひまわり証券株式会社において、株価指数先物・オプション取引顧客について決済損に対する不足金が約 80億円発生いたしました。

2.
不足金の発生に対する対応

今般の不足金の発生に対応するため、当社グループでは、取引銀行からの融資により本日までに 80億円を調達しております。

また、ひまわり証券では本日付で、当社を引受先とする 23億円の第三者割当増資を実施するとともに、不足金が生じた該当顧客に対する債権を当社に譲渡し、これらによりひまわり証券の純資産額及び自己資本規制比率に影響はなく、同社の事業運営に支障はありません。

なお、平成 23年 3月 17日付「当社連結子会社の一部事業(証券事業)の廃止に関するお知らせ」でお知らせしましたとおり、ひまわり証券では、証券事業からの撤退を決定し、すでに証券取引に係る新規の口座開設及び新規注文の受注を停止しております。

ひまわり証券では、今後、黒字部門であるFX事業に注力し、業績の向上にまい進していく所存です。

3.当社の業績に与える影響
上記不足金額につきましては、現在、該当顧客からの回収に向けての専門部署を組織し、弁護士の指導のもと鋭意回収作業に努めておりますが、速やかに入金されない不足金残高については、今後の回収可能性を個別に勘案し、平成 23年 3月期の連結決算において貸倒引当金繰入による損失計上を行う見込みです。

以上

東北関東大震災に端を発した株式市場の混乱で、顧客取引による多額の損金発生について発表したのは、今のところ下記の6社です。

  1. ひまわり証券、東日本大地震の影響で日経225先物事業と証券事業を廃業、店頭FXは継続
  2. 松井証券、東日本大地震をきっかけとした株式相場急落で不足金35億円発生
  3. マネックス証券、東日本大震災をきっかけとした株式相場急落で決済不足金13億円発生
  4. auカブコム証券(旧カブドットコム証券)、東日本大地震をきっかけとした株式相場急落で不足金39億円発生
  5. 岡三オンライン、東日本大地震をきっかけとした株式相場急落で不足金18億円発生
  6. クリック証券、東日本大地震をきっかけとした株式相場急落で不足金3億9千万円発生

3月11日から15日にかけて、日経平均株価が高値10,378円から安値8,227円まで急激に動いたわけですから、日経225先物・オプション取引を提供している証券会社はどこでも、個人投資家から損金を回収できない事態が発生している可能性があります。金額に大小はあるでしょうが。

相場の乱高下で、個人投資家が日経225先物・オプション取引で多額の損失を出すリスクが高まったため、ネット証券各社でも、日経225先物取引の必要証拠金を改訂する会社が相次いで出てきています。

ネット証券の日経225先物取引の必要証拠金について知りたい方は、当サイトの日経225先物取引手数料比較表日経225mini手数料比較表をご覧ください。

手数料だけでなく、必要証拠金の倍率も掲載しています。

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※情報の内容に関しては正確性を期していますが、情報が古くなっている場合がありますので、各証券会社のウェブサイトで確認をお願いいたします。掲載している情報に誤りがあった場合、ご指摘いただけると幸いです。

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