ジェイコム男BNF氏のインタビュー記事が、12月2日発売の「週刊SPA! 2008年12月9日号」に掲載されました。
この雑誌を購入したので、記事の内容の紹介をします↓
週刊SPA! 2008年12月9日号 102~105ページ
200億男 米金融株などでついに資産は200億円突破!
10月だけで利益18億円! ジェイコム男=BNF氏が語る「下落相場の稼ぎ方」
先月発売された月刊ダイヤモンドZAiの記事では「BNF氏はトレーディングルームに5台あった液晶ディスプレイのうち2台を破壊し、現在3台になっている」と書かれていました。
しかし、SPA!の105ページのトレーディング部屋の写真には、液晶ディスプレイが 5台写っています。おそらくBNF氏は11月下旬に、モニターを2台買ったのでしょう。
これでBNF氏のトレーディング環境は、2007年4月当時の状態とほぼ同じ状況に戻ったといえます。
ただ、残念ながら、新規に買った2台のモニターのメーカーや商品型番は判りません。
ちなみに記事の写真を見るに、BNF氏は相変わらず楽天証券のマーケットスピードを使っています。
以下、スパの記事から、BNF氏の発言録の抜粋です。
▼BNF氏の発言録
- 僕は常に相場は下がるという前提でやっていて、もし上がればついていくだけ。だから今年の初めも「日経平均は1万2000円を割って、1万1800円くらいかな」とは考えてましたけど、まさか7000円を割るとは想像してなかったですね。
- いや、今回はホントに危なかったですね。一歩間違ったら株をやめていたかもしれない。
- 部屋に置かれた壊れたモニターが、それを事実だと教えてくれる。 → リモコンを投げつけて壊しちゃったんですよね。
- 10月6日と7日に買って、2億~3億円の含み損を抱えたんですが、8日まで持ち越さず7日中に損切りできたのは大きかった。8日の急落を食らわずに済みましたから。
7日は結構下ヒゲが出てるじゃないですか。普通だったら持ち越しますけど、なんかヘンだ、ヤバそうだと。だから大した損でもなかったし、7日中に損切りしました。
- 8日は下のほうで買って、9日の上ヒゲのところで売った。利益的には数千万円でしたけど、そこで逃げられたのはラッキーでした。
- 9日に利益を確定したのは、一旦は上がったけど、下がり始めたからヤバいと思ったんですか?→いや、上がってる最中に売りました。だから普通だったら9日も持ち越すんですけど、やっぱりこの日も危ない気がした。まぁ前日からは2億円の含み損で持ち越してたんで、プラスで終わればいいやっていう感覚でしたね。
- 本当は持ち越すべきところなんですけどね、短期売買の常識的には。だから8日と10日の下げは普通じゃありえないんですよ。同じ局面がもう一度来たら、次は食らっちゃうかもしれません。
- 8 日は最後のほうに買ったら、引け間際にさらにガーッと下がった。結局2億円の含み損で持ち越したんですけど、かなり怖かった。常識的には反発する相場なのに、常識が通用しないのかもって。
だからプラスになっただけで御の字って感じで9日に売ったんです。そしたら10日にドンと下がったから買ったら、14時40分くらいまでは1億円以上の利益が出てたのに、引け際にまた下げて、3000 万円くらいの含み損で持ち越した。これは結構賭けでした。
3連休前だったので米国市場がその間に2日あるわけですよ。そこでアメリカが下げたらもう一段下落しただろうから。でもそうはならず14日には過去最大の暴騰があって12億円の利益を出せた。
- 例えば9日に持ち越して10日の下げを食らったら損切りします? → それはわからないですね。含み損を抱えた立場とノーポジでは、全然精神状態が違いますから。現物だから多分売らないとは思うけど、心理的に追い詰められてたら売っちゃうかも。
だから、もし 7 日に損切りし損なってたら 10 日に食らってる可能性があるんですよ。8日じゃ売れないし、9日も上ヒゲは出たけどそろそろ底打ちだろうと思って売らないし、そうすると 10日の大暴落も食らう。そういう本当に危ない相場でしたね。
- 22日に買って23日に損切りして5億円くらいヤラレました。日本株では今年最大ですね。14日に利益が出てたから中途半端なところで買っちゃったんです。しかも長い下ヒゲの下のほうで損切ってるから全然ダメですよ。
でも、よく考えれば22日に買ってなければ、23日は買う立場になってる。そうすると、24日の暴落を食らってたわけですから、一概に失敗だったとも言えない。5億円損したから気をつけなきゃと思って、27日も日経平均が7600円くらいのときに買おうかなって迷ったけど、やめた。これはラッキーでした。
で、28日は7100円台で始まったので最初から買っていって、7000円割れした過程でもどんどん買い増して、結局日経先物を入れて90億円分くらい買ったのかな。で、20億円分はその日のうちに売って 5 億円くらい利益が出て、翌日全部売って7億円くらい儲かって、合計で12億円の利益が出ました。
- 11月 4日にアメリカの大統領選があったじゃないですか。そこまでは上がるだろうと踏んでたので、この週はそんなにリスクはないなと。
ホントは 4日まで持ってるつもりだったんですけど、10億円以上利益が出たんで我慢できずに売っちゃいました。売った後もかなり上がったんで悔しかったけど、まぁそれはしょうがないです。
- 僕、9月にリーマン・ブラザーズの倒産を食らったんですよね……。
- 9月の頭にファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)の国有化が発表されて暴落したんです。
そのときに僕は ’05年のりそなHDのこと※を連想した。りそなは国有化発表の翌日に暴落した後、どんどん上がっていった。アメリカ人はりそなのことを知らないし、これはスゴいチャンスだなと。
- 日本株とのバランスを考えて、45億円分買おうと思って注文したら、通らなかった。「一度に1万株未満しか注文できません」って。1万株って100万円分くらいだから、45億円買うとなるとものすごい大変で。で、その日は5時間くらいチマチマ注文して・・・・・・
- 結局、何日かに分けて 30億円分買いました。ファニーメイを約 2100万株、フレディマック約900万株、合計で3000回以上注文したら、上腕の、三角筋が筋肉痛になりました。あ、注文するときはこの筋肉を使ってるんだって、一つ勉強になりました(笑)。
- でも、その間に株価は下落したから結果的にはよかったのでは? → ところがそうじゃないんですよ。15億円分余っちゃったから、ちょうど暴落してたリーマン・ブラザーズに手を出しちゃったんですよね。7億円ほど買ったら 2日後に倒産して、紙切れになりました。
- リーマンが倒産して地合いがすごく悪くなって、空売り規制が発動されたんです。その途端にこ 2銘柄が投機的に上がっていった。25日にピークをつけたんですけど、そのときは一時的に含み益が50億円くらいになりました。
ところが売るときも3000回注文しないといけないから、一日で売れない。売りたいのに売れないってものすごいストレスですよ。あの日に全部売れてれば40億円は稼げたんですけどね。
最終的にはリーマンの損や為替差損、手数料、税金を差し引いて7億円くらいのプラス。でも、米国株取引は大失敗。ファニーメイとフレディマックは想像したような値動きをしなかった。
もしリーマンが倒産しなくて空売り規制がなかったら、すごい損失を抱えたし、そしたら多分、僕、株はやめてたと思います。いい勉強になりました。
- 短期売買って、そのときの精神状態にすごく左右される。利益を出していれば簡単に損切りできるけど、大損した後に損切りするのはすごく難しい。今は特に一日損切りが遅れただけで致命的な損失を被るような相場だから、自分としてはとにかく大損だけはしないように心がけました。
だからトヨタショックの日もチャート的に中途半端だったから買わなかった。大損すると流れが悪くなって、そこから元に戻すのは大変なんです。
- 不動産投資をきっかけに、ついに実業にも進出か? → それはないです。秋葉原のビルを買ったのはあくまでも資産の分散が目的。転売するつもりもないし、家賃収入が目的というわけでもない。
もともと資産が3億円のときから不動産には興味があったんです。でも、自分の資産が増えていくときは市況もいいから不動産も上がっていて、買う局面がなかった。分散目的だから高い値段では買いたくなかった。で、ようやく不動産が下がってきたので、そろそろいいかなと。
- 秋葉原のような大きな駅の駅前物件を個人が買える機会なんてまずない。大手不動産会社か老舗が持ってますからね。
何十件も物件を紹介して頂きましたが、駅前物件はあれだけだったし、かなり前から不動産をチェックしていた僕もあんな物件は初めて見た。しかも、今年4月オープンでほぼ新築。不動産はまだ下がるかもしれないけど、今、買うしかないと即決でした。
- リーマン株の購入でもわかるように、僕はお金があったらあるだけ投資しちゃうんですよ。チャンスだと思ったら200億円突っ込んじゃう。でも、そうすると身動きがとれなくなるんですね。今みたいな相場で図体が大きくなりすぎると、いざというときに逃げ切れない。
実際、扱った金額が多すぎて損しちゃったことが何度かあったんです。長期投資なら200億円でもいいけど短期売買だと自分を抑える意味でも資金を減らさなきゃいけないと思ってたんです。
- 口座を長期と短期に分ければいいんじゃないですか? → 性格的にムリ。目の前で株価が動いたら我慢できない。
手軽に売買しにくい新興国とかなら長期投資もできるかもしれませんね。目をつけてるところはあるけど秘密です(笑)。でも、今は経済がどう動くかわからないから、流れを見極めてからですね。
- 『チョムチョム』ってどういう意味ですか? なんかヘンな名前ですよね・・・・・・。 → 英語で食べ物を噛むときの音のことらしいですよ。僕もホントは変えたいんですよね・・・・・・。
- だってチョムチョムですよ。でも、ビルの名前を変えるのって大変なんですよ。テナントは広告を出したり、名刺を作ったりしてるから、全部作り直す費用も僕が負担しなきゃいけないらしくて、いろいろ面倒なんです。なので当分はチョムチョムで我慢しますよ。
- でも、あの名前はインパクトがあるし、ビルのキャラクターも可愛いと思いますよ。
※りそなホールディングスの国有化は実際は2003年に起こった出来事
▼今回の記事でBNF氏について判ったこと
- 取材日は2008年11月下旬と思われます。
- 取材日時点での総資産は210億円以上。楽天証券の口座に約123億円。また、2008年10月に秋葉原の駅前のビルを90億円で購入。
- 記事の写真を見るに、相変わらず楽天証券のマーケットスピードを使っている。
- BNF氏は日経225先物取引も行っている
- 楽天証券の外国証券取引口座では、米国株は一度の取引で最大9999株までしか発注できない
- 秋葉原駅前のビルは、センチュリー21加盟の街の小さな不動産屋に紹介してもらった。ちなみに、トレーディンルームがあるマンションもこの不動産屋に紹介してもらった。
ちなみに、SPA!に載っているBNF氏の「株資産の時価評価額の写真」を見るに、BNF氏は最近は楽天証券でしか取引を行っていないようです。
BNF氏は、SBI証券、リテラ・クレア証券、日興コーディアル証券の口座にも株取引用の資金を入れていた時期がありました。
リテラクレア証券は昔は月数十万円の手数料で株取引が何回でもできる制度がありました。しかし、その制度がなくなったので使わなくなったのでしょう。
日興コーディアル証券は、IPO(新規上場株)狙いで口座を作っていたと推測されますが、最近は不景気で新規上場株が、日本国内の全ての株式市場で少なくなっているため、利用価値がなくなったのかもしれません。
あと、取材記事の中で、記者がBNF氏のことを「いつ、どれだけ売買したかを完璧に記憶している記憶力はプロスポーツ選手のようだ」と述べています。こういうコメントを見ると、BNF氏の頭脳は、将棋のプロ棋士のそれに通じるところがあるのかなと感じます。
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