日経225先物取引とは (初心者向けの解説)

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  •  日経225先物取引 [読み:にっけい にーにーご さきものとりひき]

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祐作:先輩、日経225先物取引とはなんですか?

兜:ふむ、日経225先物取引とは、先物取引の一種だな。まず、先物取引とは、「ある商品」を、「未来の決められた日」に、「今の時点で取り決めた価格」で取引することだ。「今の物」ではなく、先の物を取引するんだ。簡単にいえば予約取引だ。

祐作:う~ん、もう少し詳しく説明してもらえますか。

兜:日経225先物取引は、日経平均株価指数を売買する取引だ。例えば、ある日、日経平均株価が10000円だったとする。君が日経平均「決められた日」10000円で一枚買う予約をいれたとしよう。

祐作:はい。

兜:「決められた日」に日経平均が11000円に上がっていたとしたら、君は予約のおかげで10000円で買えるから、1000円分得したことになる。

祐作:そうですね。

兜:逆に「決められた日」に、日経平均が9000円に下がっていたとしたら、予約のせいで10000円で買わないといけないから、1000円分の損だ。

祐作:はい。

兜:で、日経225先物の場合、最低取引単位の「枚」は日経平均株価指数の1000倍なんだ。

祐作:え? 1000倍ですか?!

兜:日経225先物を1枚買った場合、日経平均が1000円上がったら、「1000円×1000」で100万円利益が出るということだよ。逆に1000円下がったら、100万円損する。

祐作:そ、それは、すごいですね。ところで、1000倍ということは、例えば日経平均株価が26000円だったら、1000×26000で2600万円の投資資金が最初に必要ってことですか?

兜:いや、そうじゃないんだ。先物取引は予約取引といったけど、予約をいれるのに証拠金(保証金)を証券会社に預ければいい。現在の日経平均株価が26000円だと仮定すると、120万~150万円の証拠金を預ければ、日経225先物取引をさせてくれる証券会社が多いな。

祐作:120万円の元手で「2600万円の売買」ができるって、とんでもないですね。

兜:ああ。2600÷120=21.6だから、約21倍のレバレッジを効かせられるってことだからね。株の信用取引の限界レバレッジは約3倍ってことを踏まえると、その凄さがわかるってもんだ。

祐作:なんだか、ちょっと恐くなってきました。

兜:恐いと感じるか、資金効率がいいと感じるかは人それぞれだけどね。今は、日経225先物の最低取引単位を10分の1にした「日経225mini」という先物商品がある。

日経225先物は扱う資金が大きすぎると思うなら「日経225mini」の取引をやればいい。日経225miniなら証券会社に預ける証拠金も10分の1ですむよ。

祐作:なるほど。

兜:ところで、ちょっと話を戻そう。先物取引とは、「ある商品」を、「決められた日」に、「今の時点で取り決めた価格」で取引することと述べた。日経225先物取引でいう「決められた日」とは、聞いた事があるかもしれないけどSQ算出日のことだ。

祐作:SQ?

兜:SQ算出日は「3月、6月、9月、12月の第二金曜日」で、ここまでに決済をしなかった、日経225先物は、日経平均株価に採用されている225銘柄の寄り付きの値段を基に計算された特別清算指数 (SQ=スペシャルクォーテーション) で「清算」=決済されるんだ。

祐作:ということは、日経225先物は、ほうっておくと「3月、6月、9月、12月の第二金曜日」で強制的に決済されてしまうということですね。

兜:そういうことだな。ただ、日経225先物は、別にSQ算出日まで持っておかないといけないものじゃない。SQ算出日の前日までは自由に売買できるんだ。最初に挙げた例でいうと、10000円の先物価格が10010円になったときに、売って利益確定してもいい。それが買った1分後でも構わないぞ。

祐作:でも、売買に期限があるのは、現物株の取引と比べてちょっと不便ですね。

兜:そうだな。しかし、現物株に比べて便利なところもある。まず、日経225先物は信用取引空売りのように売りから入ることができる。最初に高いところで売って、後から安く買い戻せば利益が出せるんだ。

祐作:なるほど、それは下げ相場のときには便利ですね。他にメリットはありますか?

兜:日経225先物取引は、株券が実在せず、指数を売買するので株券の受け渡しがない。そのため、売った値段と買った値段から利益や損失を計算し、その差額を受け渡すことで取引を完了させる取引となっている。このような取引を差金決済取引という。差金決済だと、デイトレードで証券会社に資金が拘束されない。

祐作:ということは、現物株の取引における差金決済禁止の煩わしさがないということですか。

兜:そういうことだ。日経225先物取引は証拠金が足りていれば、日計り取引が自由にできる。一日のうちに何度でも買ったり売ったりできるんだ。そういう意味ではデイトレーダーに向いている。

祐作:なるほど、大量に取引を行っても問題ないんですね。他にメリットはありますか?

兜:信用取引のような金利や貸株料はかからない。日経225先物の取引でかかるコストは取引手数料だけだ。

祐作:かかる費用が分かりやすいですね。それなら、僕も日経225のデイトレに挑戦してみようかな。

兜:やるのは自由だけど、自分の資金の許容度を越えた巨額の取引はしないように注意してな。

 ちなみに、日経225先物取引は「日経先物、日経平均先物、日経平均株価先物取引、日経225先物(ラージ取引)」などと呼ぶこともあるから覚えておくといいさ。

▼まとめ

  1. 日経225先物取引は、日経平均株価(日経225)を売買する取引である。
  2. 日経225先物取引は、日経平均がこの先高くなるとおもったら買い、安くなると思ったら売ればよい。日経225先物を買ったときは買い建玉と呼び、日経225先物を売ったときは売り建玉と呼ぶ。
  3. 日経225先物取引は、最低取引単位を「枚」と呼び、一枚は日経平均株価指数の1000倍である。 なお、日経225先物の取引単位を10分の1に小口化したものを日経225ミニと呼ぶ。
  4. 日経225先物取引は、証券会社に証拠金を預けなければならない。
  5. 日経225先物取引は、株券の受け渡しがないので、損益のお金を受け渡す差金決済になる。差金決済が認められているので、証拠金が足りていれば自由にデイトレードができる。
  6. 日経225先物取引は、少ない資金で大きな金額の取引を行うことができる (レバレッジを効かすことができる)。
  7. 日経225先物取引は、決済期限があり、決済期日は3月、6月、9月、12月の第2金曜日の前日となっている。それまでに反対売買して清算していなかった場合、第2金曜日に自動的に決済される。
  8. 日経225先物取引は、信用取引のような金利や貸株料はかからない。日経225先物取引でかかるコストは取引手数料のみである。

  •  日経225先物取引の同義語 → [日経平均先物、日経先物、日経平均株価先物取引、日経225先物(ラージ取引)]

▼補足:

2018年7月17日から、日経225先物取引において取引できる限月(げんげつ)6つ増えた。決済の期限が最長8年先の長期限月の先物も生まれたが取引量が少ない(流動性が低い)ので、今のところ無視してもよい存在である。

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