本日の株関連書籍の書評では、「ピーター・リンチの株式投資の法則―全米No.1ファンド・マネジャーの投資哲学」を取り上げます。
■ジャンル:ファンダメンタルズ投資
■推奨:株式投資初心者~中級者
■私のおすすめ度☆☆☆☆☆
この本は、私が株式投資を始めて間もないころに読んで感銘を受けた本です。
難しい専門用語もあまりなく文章が平易で、ユーモアに満ちているため、さくさく読めました。
全米NO.1ファンドマネージャーの回想録として読んでも、十分おもしろい内容です。
著者のピーター・リンチ氏はファンダメンタルズ重視の投資法で大成功を収めた人物です。株式投資を行っている方で、チャートやテクニカル指標に頼らない投資をされている方は、一度目を通す価値があると思います。
文章は平易なのですが、全米NO.1のファンドマネージャーが書いた本ですから、株式投資の本質をついています。
そういう意味では、株式投資の経験が長い方が読んでも学ぶところは大きいでしょう。
最後に、私が感銘を受けた著者の金言を紹介しておきます。
■小型企業には二つの良い点がある。一つは、小型企業は大型企業に比べて成長率が高いということである。そしてもう一つは、理解しやすいということである。
■目が届かないほどのたくさんの株式を持つな。
■定期的に投資せよ。
■自分自身に「わかった、次に株式市場が下がるときは悪いニュースを無視して、割安銘柄を拾おう」と言うのは簡単だ。しかし、一つひとつの危機が過去より悪く見えるので、それらを無視するのは、至難の業である。おびえて株式から逃げない最善の方法は、定期的に買うことである。
■最初に売上高と一株当たり利益が妥当な速度で伸びているか、次に株価は理にかなったものかを見なさい。
■2~3年の悪い状況が、長期的な成長を妨げてしまうかもしれないので、財務体質の強さと債務構造を調べることは重要である。
■小売業や外食業の増益と株価上昇をもたらす一番の源は、売上の拡大である。既存店売上高が伸びているかぎり、その企業は、過剰負債で苦しむことはないし、報告書で株主に対して述べているような拡張計画が順調に進んでいることになる。結果、その株をずっと保有していても、たいていはわりにあう投資となろう。
■斜陽産業の中の生き残り企業は、いったん競争相手がいなくなったら、運命は様変わりになるということである。