11月20日、冷凍食品大手の加ト吉 【東証1部:2873】の株価が前日比+80 (+18.78%)の終値506円と暴騰しました。ストップ高です。
今日、日経新聞が、JTと日清食品が加ト吉にTOBをかけると報じたため株価が急騰しました。以下、日経新聞の記事からの抜粋です。
日本たばこ産業(JT)と即席めん最大手の日清食品は、共同で冷凍食品大手の加ト吉を買収する方針を固めた。JTがTOB(株式公開買い付け)で加ト吉の全株式を取得した後、加ト吉株の49%を日清に譲渡する手法で最終調整している。食品事業を強化したいJT、冷凍食品を柱に据えたい日清と、不正取引の発覚で低迷する業績の立て直しを迫られる加ト吉の思惑が一致した。食品業界の再編が一段と加速してきた。
この件については、東京新聞が本日の夕刊でさらに詳しい記事を配信しています↓
<メモ>加ト吉 1956年創業の大手冷凍食品会社。本社は香川県観音寺市。うどんやエビフライなど幅広い冷凍食品を製造・販売し、グループで外食事業やホテル運営も手掛ける。帳簿上だけで商品の売買を繰り返す循環取引と呼ばれる不正会計が今年春に発覚した。2007年3月期連結決算の売上高は3486億円、純損失は過去最悪の赤字となる98億円だった。従業員は約950人。
日本たばこ産業(JT) 前身は1949年設立の日本専売公社。公社や専売制度の改革を求めた臨時行政調査会の答申を受けて専売改革関連法が成立、85年に日本たばこ産業としてスタートした。94年に東証1部へ上場。積極的な企業買収戦略を進め昨年末には英たばこメーカー、ギャラハー・グループを2兆円超で買収すると発表した。2007年3月期の連結売上高は4兆7693億円。グループの従業員は約3万3000人。
日清食品 即席めんの最大手。創業者の故安藤百福氏が研究を続け、1958年に世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」の商品化に成功した。71年にはカップめんの原点でもある「カップヌードル」を発売。2006年には、米系投資ファンドから敵対的な株式公開買い付け(TOB)を仕掛けられた明星食品に対し、友好的な対抗TOBを実施、子会社化した。07年3月期の連結売上高は3582億円。従業員は約1300人。
スティール・パートナーズから敵対的なTOBを仕掛けられた明星食品を救った日清食品が、今度はJTと共同で加ト吉にTOBを仕掛けます。その日清食品ですが、実はスティール・パートナーズに18.99%の株を握られています(11月7日時点)。今後の食品業界の再編の行方は興味深いものになりそうです。
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