4月21日、マネックス証券の親会社であるマネックスグループが、米国の中小ネット証券のトレードステーションを買収すると発表しました。
米国子会社を通じた株式公開買い付け(TOB)で、6月上旬までに全株を取得する予定です。買収額は約339億円と見込んでいます。
トレードステーションは、米国市場に株式を上場しているネット証券6社の中の1社です。昨年末時点の口座数は約4万8000口座で、預かり資産は約20億ドルです。主に個人投資家向けに株式や金融派生商品などの取引を提供しています。
本日の日経新聞電子版の記事によると、「マネックス証券は買収により米欧市場に足場を築くとともに、同社の高度なシステム開発力を生かして国内の個人向けサービスを充実させる考え」ということです。
以下、マネックスグループのウェブサイトの発表文(PDF)からの抜粋です。
平成 23年 4月 21日
各 位
マネックスグループ株式会社
代表取締役会長兼社長 CEO 松本 大
(コード番号 8698 東証第一部)
米国のオンライン証券 TradeStation Group, Inc.株式の取得について(PDF)
(現金による友好的な株式公開買付けを実施)
当社は、米国のオンライン証券グループである TradeStation Group, Inc.(本社:米国フロリダ州、代表者: Salomon Sredni, CEO and President、米国 NASDAQ上場: TRAD、以下「トレードステーション社」)株式の公開買付け(以下「本公開買付け」)およびそれに続く現金を対価とする合併により買収(以下「本件買収」)することについて、本日トレードステーション社と合意いたしましたので、以下の通りお知らせいたします。
記
1. 株式取得の目的等
(1)株式取得にいたる背景およびその目的当社グループについて当社グループは、当社の完全子会社であるマネックス証券株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 CEO 松本大、以下「マネックス証券」)を中心として、 1999年の株式委託手数料の完全自由化以来、日本のオンライン証券の草分け的存在として、個人投資家に対し先進的で独自性のある金融サービスを提供してまいりました。マネックス証券は現在 120万以上の口座を有する世界有数のオンライン証券となっています。
中国における経済および資本市場の成長は顕著かつ持続的であり、また、国外の証券取引所の国境を越えた合従連衡とそれに伴う投資家の投資選好のボーダーレス化が加速する環境をふまえ、当社グループはグローバルな商品・サービスの強化に加えて、顧客基盤のグローバル化、ビジネス領域のグローバル化に努めてまいりました。具体的には、2008年以降、北京における駐在員事務所の開設、香港における BOOM証券グループの買収など、中国における事業展開を進めるとともに、さらなるビジネス領域の拡大・グローバル化の要として、米国における事業展開を模索してまいりました。
トレードステーション社について
グローバル展開の本格化として、今回のトレードステーション社の株式取得を通じた米国進出は極めて重要な一歩であると考えております。同社は、米国市場に株式を公開するオンライン証券会社 6社のうちの 1社で、米国を中心に主に個人投資家向けに証券サービスを展開しており、Dow Jones発行の投資家向け金融情報紙「 Barron’s」における 2011年オンライン証券セクターで総合 1位にランクされるなど輝かしい実績と評価を有しています。業界でも競争力のある手数料体系で、自社の有する高度な技術開発力による定評のあるトレーディング・プラットフォームを生かし、主に株式や先物オプションを取引するアクティブトレーダー層へのサービスとしては米国市場でのリーダー的存在であると当社は考えております。
本件買収の意義:事業展開における相乗効果
同社株式の取得は、当社グループのグローバル化の一環としての米国市場への進出のみならず、技術力・顧客基盤・収益基盤について当社グループと補完関係が構築できること、日本や中国でのアクティブトレーダー層への展開において同社の技術開発力を活用できること、米国市場での経験豊富なマネジメントや IT技術者と協働できることなど、当社グループとしての中長期的な成長、企業価値の向上に大きく貢献する、意義の大きい戦略的アクションと位置づけています。具体的には、新たな収益基盤の確保および地域分散によるグループ全体の収益力強化、同社との共有プラットフォームによる固定的費用の抑制、グローバルな 24時間取引への対応、グローバルな経営執行体制の構築など、さまざまな相乗効果が考えられます。本件買収の意義:経営成績におけるプラス効果
トレードステーション社の 2010年 12月期業績は、純営業収益が 128.9百万米ドル、純利益が 11.4百万米ドルであり、連結子会社化後当社連結業績にプラスに寄与し、中長期的にも当社業績に大きく貢献すると見込んでおります。同期間における両社合算の収益ポートフォリオでは、日本からの収益が 65%、米国 29%、その他地域 6%となり、収益の地域分散が可能となります。中期的には、両社の共有プラットフォームの構築などにより両社合算の現在の固定費 20%の削減、および営業利益率を 40%まで向上させることを目標としてまいります。
(2)公開買付者と対象者の株主との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に
関する事項該当すべきものはありません。
買収の効果が出るにはかなり時間がかかると思いますが、トレードステーションのシステム開発力には期待したいですね。
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