今日、読売新聞からこんなニュースが配信されました↓
信用取引で証券10社以上が大損、株急落で顧客支払えず
東証マザーズ上場の電気検査装置メーカー「オー・エイチ・ティー」(広島県福山市)株の取引をめぐり、証券会社10社以上に、顧客から代金が支払われず、総額数十億円の損害が出ていることがわかった。
委託保証金(担保)の約3倍の株の売買ができる信用取引を行っていた顧客が大半で、同社株の急落で多額の損失を抱えたことが原因とみられる。同社の株価は2005年以降、業績と関係なく高騰し続けていたという経緯があり、金融当局も関心を寄せている。
ネット上の掲示板では、前から噂されていた事件ですが、ついに一般紙もネタに取り上げてきましたね。この事件については、下記の夕刊フジの記事が参考になります。
証券10社“鉄砲被害”…仕手戦で決済せず失踪
業界関係者は「どうやら複数の証券会社が“鉄砲”をくらったようだ」と語る。
鉄砲とは、注文を出して売買を成立させておきながら、株券や代金を証券会社に払わないという不正な取引のこと。注文するだけして決済しない行為を、発射したら戻ってこない鉄砲の弾に例えたとされる。
関係者の話を総合すると、いわゆる「仕手筋」(特定の銘柄に大量の資金をつぎ込み、株価を釣り上げようとする投資家集団)と呼ばれる投資家が、複数の証券会社で先物取引を利用してOHT株に大量の買いを入れていたが、ある時点で、決済を行わないまま姿を消したというのだ。
今回の事件で被害を受けたのがほぼ確定なのは、藍澤證券 【JASDAQ:8708】とタイコム証券です。
藍澤證券は、6月8日にプレスリリースで、顧客9名との信用取引において決済損金が生じ、10億8209万7731円の立替金が生じたと発表しています↓
タイコム証券は上場していないので藍澤證券のようなプレスリリースは出していませんが、6月8日から下記の業務を停止しています。
【停止をする業務】(実施日:平成19年6月8日(金)から)
・信用取引/先物・オプション取引の新規建て注文の受託
・株式現物取引の買付け注文の受託
・新規口座開設(新規口座開設のみ、実施日:平成19年6月1日(金))
・株券の預託(他社からのほふりでの口座振替を含む。)
これは証券会社にとってはかなりの異常事態であり、トラブルに巻き込まれた可能性が濃厚です。タイコム証券の今後の動向については注目したいと思います。