3月12日、東証が日興コーディアルグループの上場維持を決定しました。以下、ロイター配信からの抜粋です。
東証が日興CG株を上場維持、クロとは判断し切れず
東京証券取引所と大阪証券取引所(8697.OJ: 株価, ニュース , レポート)は12日、不正会計問題を起こした日興コーディアルグループ(8603.T: 株価, ニュース , レポート)の株式について、上場維持を決定したと発表した。3月13日付で監理ポスト割当を解除する。
東証と大証は上場維持を決めた理由について、虚偽記載を行い、その影響が重大であるときと定めている上場廃止基準に該当しないと説明。会見した東証の西室泰三社長は「できるかぎりの聞き取りと書類調査を行ったが、クロとは言えずグレーだった。廃止基準に抵触する組織的な関与があったとは判断できなかった」と述べた。
日興の上場廃止は既定路線と思われていただけに、今回の発表には度肝を抜かれました。日興が上場維持ということですから、今後、シティグループをはじめとした外資系証券会社の日興株争奪戦が激しくなりそうです。上場廃止ではないので、「シティが発表したTOB価格=1株あたり1350円」では安すぎると、TOB価格に不満を述べる大株主も出てくるでしょう。
シティがTOB価格を吊り上げるか否かに、市場の注目が集まりそうです。
なお、今のところ、私が読んだニュース記事の中では、の毎日新聞の記事が秀逸でした。
下記の毎日の記事によると、「上場維持の判断理由は?」と尋ねられた西室社長は下記のように答えています。「グレーを罰することはできない」という言葉が印象的です。
組織全体として関与したという確証が得られなかった。利益の水増し水準も判断の参考になった。グレーの部分がまったくないとは言わないが、グレーを罰することはできない。悪質性も認めるが、これ一つで企業が悪質と決めつけるのは行き過ぎだろう。