さや取り [読み:さやどり]
祐作:先輩、さや取りってなんですか?
兜:ふむ、株式投資の世界で「さや取り」というと、二つの意味がある。まず簡単な方から説明すると「一つの銘柄で、より低い価格で買付け、より高い値段で売って利益を得ること」だ。例えば、ある銘柄を500円で買い、510円まで上がったところで売ると10円幅の利益が取れる。この時10円の利幅を「さや」といい、10円の利幅をとった行為を「さや取り」という。
祐作:なるほど、ではもう一つの意味の方を教えてもらえますか?
兜:もう一つの「さや取り」とは、2つの物の値幅の動きを利益につなげようとする取引のことだな。これを裁定取引と呼ぶこともある。株式市場で言われる裁定取引とは、日経平均と日経平均先物を対象にした取引のことだ。
日経平均から日経平均先物の理論価格を算出し、日経平均先物に実際についている価格が理論価格を上回った時には「先物売り、現物買い」、先物価格が理論価格を下回った時には「先物買い、現物売り」という売買を行い、先物価格が理論価格にサヤ寄せした時に反対売買すればその値動き分が利益となる。