12月8日に起こったジェイコムショックの市場への影響はすごかったですね。
この事件、株取引をしたことがない方には、「空売り」の意味がわからないと思うので、産経新聞の解説記事を引用しておきます。
みずほ証券誤発注 買い残し分損失90億円超 ジェイコム株売買停止
【用語解説】空売り
実際に保有していない株式を、証券会社などから借りて売却する取引。信用取引で使われる手法で、一定期間後に市場で同じ株を買い、売った値段と買った値段の差額を決済する。株価が下落すると予想される場合に活用され、実際に株が値下がりすれば利益が得られるが、反対に株価が上がると損失が出る。みずほ証券が保有していない大量のジェイコム株を誤って売ったのは、信用取引ではないが、事実上の空売りとなる。ジェイコムの発行済み株式総数を上回る売り注文をしたため、どう決済するかが焦点となる。
空売りをした場合、通常なら決済日までに全株を買い戻ししなければならないわけです。しかし、今回はジェイコムの総発行株式14500株をはるかに超える推定10万株が、他の証券会社や個人投資家に買われているので、事実上、市場での買戻しは不可能。
そこで、↓こんな記事が証券新報から出てきました。
東証 ジェイコム誤発注で非常時条項適用
東証と日本証券クリアリング機構は、みずほ証券のジェイコム株誤発注を受けて、決済の特例を認める「非常時条項」適用の検討に入った事が明らかになった。ジェイコムの株主は株券の変わりに現金を受け取るなどの対応になるようだ。
出回ってる株式の数が数なだけに、こういう解決方法しかないのか。
個人投資家が誤った空売り注文を出した場合、泣く泣く市場で買い戻すしかないのですが、問題が大きすぎるので東証もイレギュラーな対応をしてきそうですね。
さて、強制決済になった場合、ジェイコム株の保有者にいくらの現金が支払われるのか、それがキーポイントです。
仮に一株100万円としても、10万株なら買い戻しに1000億円が必要な計算ですか。
この10万株だけでみても、1000億円-530億円=470億円になりますね。
みずほ証券からしてみたら大変な損失です。
しかし、1株100万円以下だったら、ジェイコム株の保有者は激怒するでしょうね。
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