9月6日、証券金融会社最大手の日本証券金融 【東証1部:8511】の株価が前日比-159円 (-12.81%)の終値1,082円と急落しました。
同社が信用取引の品貸料を不当に吊り上げてきた疑惑が浮上したからです。以下、読売新聞の記事からの抜粋です。
株の信用取引をする投資家が、証券会社を通じて株を借りた相手に手数料として支払う「品貸料(しながしりょう)」が不当につり上げられている疑いのあることがわかった。
品貸料を決める証券金融会社の入札で、最大手の「日本証券金融」(東京都中央区)が、入札に参加する証券会社に高めの価格を提示するよう働きかけていたとみられる。
信用取引が個人投資家に広がる中、割高な手数料を支払わされていることになり、証券取引等監視委員会は同社の検査に着手した。
この報道を受け、日証金の株価は暴落しました。以下、本日の日証金の一日チャートです。
もし、報道が事実であれば、証券取引等監視委員会が日証金に処分を加えることになるので、今後、高額な逆日歩(品貸料)が発生するケースが減るでしょう。
しかし、品貸料が低くなれば、日証金が貸株を集めることが難しくなります。そうなると、日証金が証券会社に貸す株を集めることができず、「信用取引新規売り停止(売り禁)」が発生するかもしれません。
なお、証券金融会社には日証金の他に、大阪証券金融(=大証金)と中部証券金融(=中証金)があります。
下記リンク先の産経新聞の記事によると、証券監視委は大証金や中証金にも検査に入ったとのことです。
日証金は金融庁の免許を受けた専門会社3社のうち最大手。東京、福岡、札幌、ジャスダックの4証券取引所で行われる信用取引の決済に必要な株や資金を証券会社に貸し付けている。
監視委は6月に日証金への検査に着手し、大阪証券金融(大阪市)と中部証券金融(名古屋市)にも8月に検査に入った。投資家保護の点で問題があるとして、品貸料のつり上げが裏付けられれば証券取引法に基づいて処分するものとみられる。
日証金総務部は「監視委が検査中なので、内容についてはコメントできない」と話している。
しかし、本日の株価は、大証金 【大証1部:8512】が前日比-4 (-1.24%)の終値318円、中部証券金融(株) 【名証2部:8513】が前日比変わらずの310円とほとんど下落しませんでした。