5月30日、松井証券が一橋大学と個人投資家の投資行動についての共同研究に乗り出すと発表しました。松井証券が保有する投資家の株式売買データなどを匿名の形で大学に提供し、投資家が株式売買の際に必ずしも合理的な判断をしない原因などを研究するとのことです。
以下、松井証券ウェブサイトのログイン後の画面からの抜粋です。
行動ファイナンスに関わる研究への協力について
■掲載日時 05/30 17:05
松井証券は、2007年5月30日(水)、ファイナンスにおける新しい研究分野として注目を浴びつつある行動ファイナンスについて、一橋大学大学院の研究グループと、共同研究を行うことについて合意しました。
今回の研究は、松井証券が保有する個人投資家の株式売買データを一橋大学大学院の研究グループに提供し、日本における行動ファイナンスの本格的な基礎研究に役立てると同時に、そこから見出された研究成果をビジネスに転用することを目的とするものです。
個人情報保護の観点から、個人が完全に特定される形式でのデータ提供はいたしません。
なお、データ提供について同意されない場合は、松井証券顧客サポートまでご連絡ください。
また、今回のプレスリリースに異議がある場合、6月5日(火)までに当社までお申し出ください。
【参考】行動ファイナンスとは
行動ファイナンスとは、ファイナンスの基本原理ともいうべき効率的市場仮説※1に疑問を呈するアプローチで、人間の心理バイアスに起因する投資家の非合理的な行動を基礎とした理論的枠組みを用いることにより、資産価格のアノマリー現象※2の説明に一定の成功を収めています。2002年、心理学者であるダニエル・カーネマン博士がノーベル経済学賞を受賞し、一躍脚光を浴びる分野となりました。
※1「金融資産の価格は利用できるすべての情報を合理的に織り込んで、効率的に決定されている(価格に影響を与えるニュースや材料は全て価格に織り込まれており、また新しいニュースや材料も瞬時に価格に織り込まれるため価格は常に適正になっている)」とする考え方。
※2市場の変化について合理的な説明ができない現象。
松井証券のユーザーの方で、自分の株式売買データを一橋大学に提供したくない方は、その旨を松井証券のサポートに連絡すればいいでしょう。連絡の期限は6月5日までです。
松井証券の口座にログインし、「問い合わせ・ご意見」のコーナーから下記のような文面を送信すればOKです。
行動ファイナンスに関わる研究への協力に関して、取引データの外部への提供について同意いたしかねます。よろしくお願い申し上げます。