11月7日、ネットレイティングス株式会社が2000年以降日本人のウェブ利用行動がどのように変化したかを分析する「データクロニクル2006・ファクトシート」を公表しました。
ネットレイティングスによると、パソコンを使ったWeb利用者の年齢構成比がこの6年間で変化しているということです。20代の比率がほぼ半減した一方、中高年層が増加しています。以下のグラフ画像をご覧下さい。
ネットレイティングスのニュースリリースより
このグラフだと一見、20歳代のWeb利用者がこの6年間で半減したように見えるのですが、そうではありません。Web利用者全体の中で20歳代の占める割合が低下しているだけです。そりゃ、この6年間で40~60歳代のWeb利用者が増加しているんですから、20歳代のシェアは低下しますよね。
ただ、40~60歳代のWeb利用者増加だけでは、20歳代のシェアがここまで落ちる説明として不十分です。シェア減少のもう一つ理由は、ネットレイティングスのレポートにも取り上げられていますが、若者の携帯電話によるWeb利用の増加です。
実は、上記のグラフは、「家庭のPCからのアクセス」を統計の元にしています。携帯電話によるWeb利用は統計に含まれていません。
実際問題20歳代が全くWebの利用なしで生きていくのは難しいわけで、グラフだけ見て「20歳代と50歳代でWebを利用する人数の割合は同じくらいなのか」と思ってはいけません。
20歳代には携帯電話でインターネットを使う人間が多数います。仕事場ではパソコン、家では携帯からネットにアクセスという人達です。私は家にいるのに携帯でネットをする人を、勝手にホームモバイラー(家でモバイルする人)と呼んでいます。
パソコンからしかWebにアクセスしたことがない人には理解しづらいでしょうが、パソコンがネットに繋がっているのに、家では携帯でしかネットをしない人がいるのです。
私の知人にもそういうタイプの人がいますが、彼らは「ケータイは寝転がっててもネットができるのがいい」「パソコンは立ち上げるのがめんどくさい」などと言います。そして、携帯の画面の小ささをものともせず使いこなします。
ホームモバイラーは、パケット通信料定額サービスが出てきてから、その数が急速に増えたように思われます。今後、30歳以下の世代では、ますますホームモバイラーが増えるでしょう。
パソコンを使わない「家モバイラー」が増加すれば、ユーザーのパソコン利用を前提にネットビジネスを構築してきた企業は、今までのサービス提供のあり方を変えねばなりません。携帯を制する企業が、インターネットの次の10年を制するわけです。その企業は、今までの10年と同じヤフーなのでしょうか、それとも別の企業なのでしょうか。今から10年後が楽しみです。
▼参考