ROE [読み:アールオーイー] [英語名:Rate of Return On Equity]
祐作:先輩、ROEとはなんですか?
兜:ふむ、ROEとは企業分析で用いられる株価指標の一種でRate of Return On Equityの略称だな。
祐作:どんな指標なんでしょうか?
兜:企業が株主から募った自己資本(株主持分)を使って、どれくらい効率的に利益を上げているかを計る指標だよ。計算式は、下記のようになっている。
ROE(あーるおーいー)=(当期純利益 ÷ 株主持分)
例えば、当期純利益が5億円で、株主持分が100億円だったとすると、5÷100=0.05だから、ROEは「5%」ということになる。
祐作:ROEのパーセンテージの持つ意味合いを教えてもらえますか?
兜:ROEが何を表わしているかというと、株主から預かったお金(資本)を使って、その年にどれくらいの利益を生み出したか、つまり元金の運用利回りは何パーセントか、ということを示しているんだ。誰でも、投資するからには大きく殖やしたいと考えるよね。運用利回りの良い高ROEの株式は人気を集めて値上がりが期待できるから買おうかな、ということになる。
祐作:なるほど。
兜:だから、ROEの数値は基本的に高い方がいいんだ。ROEが5%と15%の会社では15%の会社の方が、効率よい経営をしていると評価される事が多い。ただ、負債が多く株主持分が極端に少ない会社はROEが高くなりがちだから他社と比較するときは、そういった注意も必要だな。
また、ROEは株主重視の経営が行われているかどうかを示す指標にもなっているから、日本でもROEの上昇を経営目標にかかげる企業は多い。
祐作:そうですか。でも、なんでROEを上げることを目標にするんですか? 利益を増やすって目標じゃだめなんですか?
兜:例えば、利益が増えていってもそれ以上に株主持分が増えていくケースだってある。株式を発行して得たお金は、株主持分に加えられるから、追加で株を発行したら発行済株式数が増える分その分利益も増やさないと1株当りの利益は低下するし、株価も下げてしまうかもしれない。
祐作:なるほど。
兜:だから利益が増加してもROEが下がっていくということは株主の期待に応えているとは決して言えないんだ。利益をちゃんとだしているのに株価が低迷している会社を調べてみるとROEが低く効率的な経営が行えていないケースあるんだよ。
ちなみに、ROEは新会社法が施行されてからは「自己資本当期純利益率」、「自己資本利益率」、「株主持分利益率」などとも呼ばれている。新会社法が施行される以前は「株主資本利益率」と呼ばれていたな。