9月22日、ワンルームマンション1棟販売、戸建住宅販売のHuman21 【JASDAQ:8937】の株価が前日比-30円 (-41.67%)の終値42円と下落しました。ストップ安です。
9月19日、同社が東京地裁に民事再生手続きの開始を申し立て、受理されたと発表したからです。負債は約464億です。
これを受け、ジャスダック証券取引所はHuman21株を10月20日付で上場廃止にすると発表しました。
以下、帝国データバンクのウェブサイトからの抜粋です。
ワンルームマンション1棟販売、戸建住宅販売
ジャスダック上場
株式会社Human21
民事再生法の適用を申請
負債464億374万円TDB企業コード:980661512
「東京」 (株)Human21(資本金14億3644万5000円、台東区蔵前1-8-6、代表林淸美氏ほか1名、従業員104名)は、9月19日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。
~~~中略~~~
しかしその後は、改正建築基準法、サブプライムローン問題などの影響から、主力のマンション販売事業において、買い手が資金不足に陥るケースが増えたことで、2008年4月期は、年売上高約338億3200万円、経常利益約4億7200万円(前期=約22億5700万円)と減収・減益を強いられていた。
こうしたなか、“今後1年間の安定的な資金繰りの確定に関して疑義がある”などとして、法定提出期限である9月16日に2009年4月期第1四半期報告書の提出が出来なくなる事態となり、動向が注目されていたが、ここにきて自主再建を断念した。
さて、私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしています。「会社四季報で倒産した企業のページを見ること」を何回も繰り返していくうちに、どういった財務内容の企業が危ないのか感覚的に判ってくるからです。
Human21は、ぱっと見た感じでは、株主持分が少ない点、有利子負債が相当多い点、営業キャッシュフローが大幅にマイナスな点が目に付きます。このあたりの悪い部分は、創建ホームズなど倒産した他の不動産関連上場企業にも、散見されるケースです。
Human21は総資産に占める有利子負債の割合が大きいのに加えて、営業キャッシュフローが99億円のマイナスとなっていました。売上高339億円の企業で、営業キャッシュフローが99億円のマイナスというは厳しいですね。しかも、前年度も37億円の営業キャッシュフローのマイナスを出しています。資金繰りに行き詰るのも当然です。
営業キャッシュフローの大幅は赤字は、先日倒産したアーバンコーポーレーションや創建ホームズにも共通していえることでしたね。
なお、今年倒産した上場企業は、下記の15社です。
- グレース ※
- レイコフ ※
- ニイウスコー
- アリサカ
- トスコ
- スルガコーポレーション ※
- 真柄建設 ※
- エー・エス・アイ(株) (旧・(株)アスキーソリューションズ
- キョーエイ産業 ※
- ゼファー ※
- 三平建設※
- アーバンコーポレーション※
- 創建ホームズ※
- トランスデジタル
- Human21※
※をつけた会社が不動産関連企業です。