日本ファースト証券という商品先物取引と外国為替証拠金取引(FX)を手がけている会社があります。いや、「手がけていた」と言った方が正しいかもしれません。
同社は、顧客から預かった保証金を他の顧客の保証金に流用するなど金融商品取引法に違反していたほか、自己資本比率も100%を割れるなど健全性にも問題があることを理由に、2007年12月3日に金融庁から6カ月間の全金融商品取引業務停止命令を受けていました。
そして、2008年3月19日、金融庁は日本ファースト証券に対し、自己資本比率が100%を下回った状態が続いており、今後も回復の見通しが立たないとして、金融商品取引業者の登録を取り消しました。
同時に顧客資産の保全を図る必要から、東京地裁に破産手続き開始と保全管理命令の申し立てを行い、同日、東京地裁が保全管理命令を出しています。
以下、日経新聞のウェブサイトからの抜粋です。
金融庁が14日に東京地裁に出していた日本ファースト証券(東京・中央)の破産申し立てが19日、受理された。同庁は近く金融商品取引業者の登録を取り消す。同庁は自己資本比率規制が健全性の目安を大幅に下回り、回復の見込みがないと判断。投資家の資金を保護することを最優先し、破産を申し立てていた。
金融庁は2007年12月、すべての業務について6カ月間にわたり業務を停止するよう命令を出していた。行政処分は06年12月、07年12月に続き3度目。外国為替証拠金取引(FX)業務で、顧客から預かった財産を分別管理していなかったり、自己資本規制比率も目安の100%を下回ったりしていたことが理由。3カ月経過しても経営状態が改善していないため、最も重い処分を科すことにした。(07:01)
金融庁は「破産させ、不動産や会員権などの資産を売却すれば顧客に弁済できる」と判断した模様です。
商品先物やFXのオンライン取引業者は、株のオンライン取引に比べて小規模な会社が乱立しています。個人投資家がFXの口座を開設する場合、日本ファースト証券のように過去に金融庁から行政処分を受けたことがある会社は避けるべきです。
そして、口座を開設する前に貸借対照表や損益計算書などの財務諸表をチェックして、財務状況がよいと判断できる会社を選ぶのが無難です。