11月29日、日本最大手の乳業メーカー、明治乳業【東証1部:2261】の株価が前日比+73円 (+14.26%)の終値585円と急騰しました。
11月28日に、同社が2008年3月1日の出荷分から、ヨーグルトや加工乳など58品目の商品を約3-10%値上げすると発表したからです。以下、明治乳業のプレスリリースからの抜粋です。
市乳部門商品 メーカー希望小売価格改定のお知らせ
明治乳業株式会社は、2008年3月1日より市乳部門商品のメーカー希望小売価格を改定させていただきます。
現在、チーズ、脱脂粉乳、バター、ホエイなど海外乳原料に加え、果汁・果肉、包装材料等の価格が高騰しております。
これは、中国、インド、ロシアなど新興市場国における食料需要の拡大、原油価格の高騰に伴う穀物のバイオ燃料用途への拡大、更には世界的な異常気象による穀物類の供給不足などの要因によるものであります。
当社と致しましては、これまで海外調達先の見直し、物流の合理化、製造コストの低減、間接業務の効率化などコスト削減に向け鋭意取り組んでまいりました。
しかしながら、原材料価格は大幅に上昇し、加えてエネルギーコストも上昇する中、この流れは今後、中長期的にも継続すると予測され、企業努力の範囲内ではもはや吸収できない大変厳しい状況となっております。
つきましては、引き続き安全・安心で高品質の商品をお届けするため、下記の通り市乳部門商品のメーカー希望小売価格を改定させていただきます。
当社は、今後ともコスト削減に向けた努力を継続して行うとともに、お客様にご満足いただける商品の開発とサービスの提供に努めてまいりますので、何卒ご理解を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。■ 対象商品
市乳部門商品58アイテム(加工乳・乳飲料・発酵乳等)■ 改定内容
メーカー希望小売価格で約3~10%の価格改定
※対象商品と改定内容については以下をご参照ください。「対象商品と改定内容 一覧」(関連資料 参照)
■ 改定日
2008年3月1日より<当リリースに関するお問い合わせ先>
● 明治乳業(株)お客様相談センター
TEL.0120-598-369
原材料の価格上昇に耐え切れず、商品値上げとなりました。原材料の価格上昇の理由については、下記のものがあります。
- 中国、インド、ロシアなど新興市場国における食料需要の拡大 → 新興国の人々の所得が増え、以前よりチーズなどを食べる機会が増えた
- 原油価格の高騰に伴う穀物のバイオ燃料用途への拡大 → 乳牛の飼料となる穀物価格の上昇
- 世界的な異常気象による穀物類の供給不足 → 同上
- 原油価格の上昇 → 包装材料等の価格の上昇
なお、同社の業績は原料高の影響などから、08年3月の連結経常利益は前期比23%減の180億円の見込みとなっていて、これを嫌気した株価の下落が続いていましたが、商品値上げの発表で株価が一気に反騰しました。
他の乳業メーカーも商品値上げを発表すれば、株価が上昇するかもしれません。