毎日新聞が報じたところによると、日本証券業協会が上場廃止株を売買する市場を創設する方針を明らかにしたとのことです。以下、毎日新聞の記事からの抜粋です。
日本証券業協会:上場廃止株の市場創設へ 投資家に配慮
日本証券業協会は14日、東京証券取引所やジャスダック市場などで上場廃止になった株式を売買する市場を創設する方針を明らかにした。カネボウやライブドアなどが不祥事で上場廃止に追い込まれた際、個人投資家が保有する多数の株券が市場で取引できなくなったことに批判が高まり、投資家保護のための受け皿が求められていた。日証協は証券会社や取引所の実務者らによる作業部会を近く設けて検討を始める。
新市場の創設は、「どうせ上場廃止株市場があるのだから、少々ムチャな経営をしてもかまわないだろう」と考える経営者が出現するリスクを孕んでますね。
こうしたモラルハザードが起こる危険性を持った新市場の創設が、投資家保護に繋がるのかいささか疑問ではあります。
ライブドアショック以降、監査法人による監査が厳しくなり、IXIなど新興市場における粉飾決算が明らかになる事例が増えてきました。新興市場の株価指数が低迷する大きな要因になっています。
新市場の創設は、「上場廃止」という上場企業に対する最大の罰則の効果を薄めることになります。その結果、新興市場への不信感に拍車をかけるではないでしょうか。