8月15日、松下電器産業(株) 【東証1部:6752】 の株価が前日比-105 (-4.95%)の終値2,015円と急落しました。
8月14日、携帯電話製造世界一のノキア社が、同社製の携帯電話に搭載されている松下電池工業製のリチウムイオン充電池が充電中に過熱する不具合を起こす可能性があるとして全世界で4600万個を対象に無償回収を実施すると発表したからです。
松下が負担する回収費用は数百億円に上る見込みです。以下、日経新聞のウェブサイトからの抜粋です。
松下製電池4600万個回収──ノキア製携帯に搭載、異常発熱の恐れ
松下電器産業やフィンランドのノキアは14日、ノキア製携帯電話に搭載している松下のリチウムイオン電池が異常発熱するおそれがあるとして世界で4600万個を対象に無償回収すると発表した。昨年秋にソニーが回収したパソコン用電池の960万個や、三洋電機の携帯用電池130万個を大きく上回る過去最大規模の回収となる。重大事故は報告されていないが、松下などは数百億円規模の回収費用を負担する見通しだ。
~~~中略~~~
松下の携帯電話向けリチウムイオン電池の年間出荷個数は6300万個で売上高は180億円。世界シェアは約7%で、世界首位の三洋電機やソニー(いずれも約30%)に次ぐ。最近は携帯電話端末の高機能化により、電池の小型・高出力競争が激化している。
ちなみに、類似の事件として、2006年の8月半ばからソニーが出火の恐れがあるパソコン用電池を960万個回収したことがあります。
このときは、2006年8月15日に「Dell、410万台のノートPC用バッテリーをリコール バッテリーの製造元はソニー」という第一報のニュースが流れました。同日のソニー株の終値は5,210円でした。翌日の終値は5,150円でした。
その後、事の重大さが世間に知れ渡るにつれソニーの株価は下落していき、2006年10月5日には最安値4,440円をつけました。バッテリー回収費用に約510億円を引き当てた割には、株価は大して下がりませんでした。日経平均株価上昇の影響があったからです。
2006年8月15日の日経平均株価終値は15,807円、同年10月5日の終値は16,286円となっています。
今回の松下電器の件では、下げ相場のなかで不祥事が発覚したので、株価下落のスピードが速くなったといえるでしょう。
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