ジェイコム男BNF氏が今日の日経新聞で、信用取引の空売りについてコメントを述べていました。以下、日経新聞からの抜粋です
見えない取引(上)空売り規制に抜け道――縛れぬ海外、手口巧妙化(株価)
2008/07/09, 日本経済新聞 朝刊, 17ページ
~~~前略~~~
もちろん個人投資家も信用取引を利用して空売りできるが、ロングセルとは条件が異なる。
例えば信用売りは一回の注文が五十単元超でアップティックルールが適用となる。例えばトヨタ自動車株(百株が一単元)なら、投資金額が約二千五百万円で価格規制がかかる。二百億円超を運用するある個人投資家は「自分の投資規模では規制が足かせになって空売りできない」という。
信用取引において、51単元以上の空売りは法律によって価格規制が適用されます。「法162条、金融商品取引法施行令26条の2~26条の4」で価格規制のルールが決められているのですが、この法律の原文はとても長いです。ジョインベスト証券のウェブサイトが、この法律の要旨をコンパクトにまとめていたので、抜粋します↓
空売り規制(法162条、金融商品取引法施行令26条の2~26条の4)
空売り(信用取引における新規売建)を行う際、金融商品取引法施行令により直近公表価格に規制が設けられております。
具体的には、直近公表価格に対し安い価格(成行含む)で発注を行う事を禁止しております。
同法令に違反しますと30万円以下の過料が課されることがございますので(法208条の2)、十分ご注意ください。具体的には以下のことにご注意ください。
一回の発注につき51単元以上の新規売の注文をする場合、または短時間で一つの銘柄について合算で51単元以上の新規売の注文をする際には
現在値よりも高い指値で注文をする。※1
成行注文は出さない。※2
寄付前については前日の終値より高い指値での注文をする。なお、50単元以内の新規売の注文、及び51単元以上の注文であっても新規売以外の注文につきましては空売り規制は適用されません。
空売りには、こういう発注価格の規制があるわけです。具体的に言うと、現在の値段が100万円の株があったとして、「100万円で51株の指値の空売り注文」はその前の価格が
99万円の場合は違反になりませんが、101万円なら違反になります。
規制があるので、空売りを利用している個人投資家のうち、一度の注文で50単元までしか発注しないようにしている人は多数います。
しかし、50単元までしか自由に空売りできないとなると、BNF氏のような巨額の資金を運用している投資家にとっては、取引が難しくなってしまいます。空売り規制が、BNF氏が空売りを利用しない理由の一つとなっています。
また、BNF氏の資産が130億円だったころ、BNF氏は楽天証券で信用口座を開設していましたが、与信が35億円しか与えられていませんでした。信用取引なのに、現物取引より取引できる金額が少なかったわけです。これも、BNF氏が現物取引中心にならざるを得ない理由の一つといえるでしょう。
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