9月25日、ユニココーポレーションの株価が前日比-80円のストップ安となりました。9月22日に同社が上場廃止になる見通しとのニュースが出たからです。以下、日経新聞の記事の抜粋です。
ユニココーポ、債務超過で上場廃止へ
建設機械リースのユニコ・コーポレーションは22日、2005年12月期単独決算で33億円の債務超過に陥っていたと発表した。不正会計の発覚に伴って過去の決算を再調査した結果、計84億円の追加損失を計上することになったため。04年12月期も44億円の債務超過となった。
2期連続の債務超過で上場廃止基準に抵触することから、ジャスダック証券取引所は有価証券報告書の訂正を待って、現在は監理ポストに割り当てているユニココーポ株の上場を廃止する方針だ。
ユニココーポ社の粉飾決算についての第一報が出たのは2006年8月9日でした。正直、私はそのニュースが出るまではユニココーポ社が問題をはらんでいる企業とは思っていませんでした。
普通、上場廃止になる企業というのは財務が極端に悪化していて、「利益剰余金がマイナス」だったり「有利子負債が過大」だったりするものです。今年、上場廃止になったアドテックスやペイントハウスなどは、上場廃止銘柄としてはわかりやすい事例でした。
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しかし、ユニココーポ社は一味違っていました。8月9日に粉飾決算のニュースが出るまでは、財務が普通の企業に見えていたのです。6月15日に発売されていた会社四季報の2006年夏号でユニココーポ社のページを見たとき、財務状況が悪いようには思えませんでした。
ユニココーポ社の粉飾を見抜くのはかなり難しかったと思うので、8月9日以降、粉飾決算のせいで株価暴落のあおりを受けた投資家の方にはお気の毒としかいいようがありません。
ライブドアショックのときにも思いましたが、やはり個人投資家の一番の敵は粉飾決算ですね。この先も粉飾決算が株式市場から無くなることはないでしょう。だから、個人投資家は一つの銘柄に全ての資金を投じてはいけないんですよね。
今回のユニココーポ社の粉飾決算は、「株式市場の恐ろしさ」と「リスク分散の重要性」を思い出させてくれた事件でした。