4月24日、加ト吉 【東証1部:2873】が外部調査委員会から受けた報告書を元に、循環取引に関する報告を発表しました。
・関連用語 循環取引とは 【株式用語解説】
報告書によると、不適切な取引による損失見込み額が約150億円になるとのこと。水産管理部の取引に関する特別損失約100億円のほか調査過程で新たに判明した営業債権の回収不能額が約50億円見込まれています。
また、加ト吉と子会社が2007年3月期までの5年間で、循環取引など、実際には商品を動かさず伝票上だけで売買した取引額は約985億円でした。
加ト吉は、小野薬品興行(株)の倒産にともない、3月23日に特別損失の発生についての発表を行っています。そのとき発表した特別損失見込み額は75億円でした。
今回、発表した損失見込み額は150億円ですので、前回発表した額より75億円増しになっています。この75億円を2007年3月期に全て盛り込むのか、また別の期に振り分けるのか、気になるとことです。
加ト吉の一連の不祥事に関する報道では、読売新聞がスクープ記事を配信し、他のメディアを引っ張ってきました。今回、加ト吉が発表した報告書を読みましたが、大体の内容は読売新聞の記事と同じになっています。
報告書を信じるならば、会社のトップは循環取引を把握しておらず、元取締役常務執行役員・水産事業本部長高須稔氏らの不正取引を管理部門のチェックの甘さから阻止することができなかったということになります。
日興コーディアルグループの不祥事の場合、組織全体として粉飾決算に関与したという確証が得られなかったということで上場維持の判断が下されました。加ト吉のケースではどうなるでしょうか。注目していきたいと思います。