4月17日、ドリームテクノロジーズの株価がストップ安売り気配になっています。
ドリームテクノロジーズが16日に、平成電電の支援スポンサーを降り、再建支援を中止すると発表したからです。
平成電々のスポンサーを降りることは必ずしもドリテクにとって悪いこととは言えません。しかし、投資家は平成電々とドリテクのコラボレーションに期待を持っていたため、失望しているようです。
■以下、ドリームテクノロジーズのウェブサイトのリリースからの抜粋です。
平成18 年4 月16 日
各 位
会社名 ドリームテクノロジーズ株式会社
代表者 代表取締役社長 池田 均
(コード4840 大証ヘラクレス市場 G)
問合せ先 総務部長 城所弘行
電話 0 3 ( 6 7 7 0 ) 7 0 0 7
平成電電株式会社に対するスポンサー支援中止のお知らせ
弊社は、再生債務者である平成電電株式会社(以下「平成電電」といいます。)に対する再生支援のためのスポンサーとして選定され、同社との間で締結したスポンサー支援に関する基本合意書に基づき、これまで、平成電電の再生のための支援活動を行ってきましたが、下記に概要を記載しましたとおり、本日現在においても依然として再生の見込みが立たず、また、このままスポンサー支援を続行した場合、弊社の財務状況に対しても重大な悪影響を及ぼす可能性が高いため、弊社の株主様及び全てのステークホルダー様の利益保護の観点から検討した結果、真に遺憾ながら、弊社取締役会におきまして、平成電電からのDIP ファイナンス(つなぎ融資)の要請を受け入れないこと、さらに、平成電電の再生のためのスポンサー支援を中止することを決定いたしました。
記
1. 支援中止の理由
(1) 支援を中止するに至った経緯について
平成電電は、他事業者の直収電話サービスへの参入や値下げによる競争環境の激化等により、計画していた契約数の増加を実現できず、収益が低迷したこと等の理由から、平成17 年10 月3 日をもって、東京地方裁判所に対して民事再生手続開始の申立てを行いました。弊社は、平成17 年12 月12 日に公表しましたとおり、平成電電に対する再生支援のためのスポンサーとなることを決定し、同社の再生のための支援活動を行ってきました。
平成電電の事業再生は、当初、コスト削減と人員整理により容易に再生が可能との見込みでしたが、弊社による支援を加味しても、なお、他社による協業がない限り現実的な再生を図ることが不可能であることが判明し、急遽、日本テレコム株式会社との業務提携という方法を選択することとなりました。
弊社としましては、日本テレコム株式会社と協調し、平成電電の電気通信事業者としての事業再生を実現すべく、スポンサーに選定された以後、平成電電と共同して早急に事業計画を策定すべく努力してきましたが、合理的かつ現実的な事業計画を提出して欲しい旨の弊社からの再三に亘る要求にもかかわらず、弊社の意向は全く反映されないまま、再生計画の策定が進められてきました。
また、弊社に対して説明された事業計画は、再生計画の裁判所への提出期限の直前に至るまで数字が確定されないものであり、弊社に提出された直後には説明が変わり数字も変わってしまうような信頼に値しないものでした。また、弊社の疑問点に対しても、内容証明郵便を送付しなければ明確な回答を得られないという状況にあり、スポンサーとの信頼関係を維持することができない状態になっておりました。
(2) 事業計画の内容について
平成18 年4 月10 日付けにて、平成電電から最終の再生計画案が東京地方裁判所に提出されましたが、同計画の内容は、通信設備の更新の予定が織り込まれていないなど、永続的な事業運営を前提とする電気通信事業者としての再生を図るための合理性に欠けており、また、同計画案を実現するための人的資源が大幅に流出しているなど、その実現可能性も乏しいと判断いたしました。
また、提出された計画案については、そもそも、平成18 年4 月6 日に初めて弊社に対して貸借対照表が開示されるといった状況にあり、弊社としましては、スポンサー支援による弊社の財務に対する影響を検討することも困難な状況にありました。
このようにスポンサーとして十分に検討ができない再生計画案が提出されているうえ、説明された計画案は、直前に説明を受けていた計画案よりも最終的な収支が15 億も悪化しております。
最終の再生計画案によっては、平成電電が、通信設備を維持・更新し、永続的に電気通信事業を営むために必要とされる前提が欠けており、弊社として、そのような継続性に欠ける計画を前提として事業を承継支援することは著しく困難であると判断いたしました。
かかる継続性のない事業を承継した場合、弊社としては、当該事業を清算せざるを得なくなる可能性が極めて高く、その場合、弊社に生じる損失は少なくとも100 億円を超過することが見込まれており、弊社の財務状況に対して深刻な悪影響を与えます。
(3) 情報提供の不十分さについて
弊社は、平成電電と共同して事業再生を図るべく努力してきましたが、株式会社ヒューマンアウトソーシング社に関する仮処分の件及びその影響、通信設備に関する膨大な追加撤去費用の件その他、平成電電から開示を受けられない重大な事実が多数存在しておりました。
また、弊社は、平成電電から、監督委員(裁判所に代わって再生手続きをチェックする役割を担う人)に面会することを強く止められており、平成18 年4 月12 日に至るまで、一度も面会することを許されませんでしたが、弊社によるスポンサー支援について、監督委員の同意を得ず、かつ、監督員に対する十分な説明もなされないままに進められているといった事実も判明し、平成電電から提供を受けている事実の信憑性についての疑義が生じておりました。
また、平成電電に関しては、現在、事業組合に基づく投資に関連して、組合資金の運用内容に不正があったのではないかということが問題視されておりますが、弊社としては、かかる実態について全く情報の提供を受けておりません。予定通り民事再生が進行するとすれば、かかる問題点について十分な追及・解明がなされないまま手続が終結してしまう可能性があります。
(4) 追加支援について
弊社は平成17 年10 月3 日以後、平成電電向けの売掛金の回収見込みがなくなったことから、リストラ、給与カットなども含めて、コスト削減の努力を続けており、同じく、平成電電に対しても、十分なコストカットを行うよう再三要請してきましたが、同社によるコストカットは限定的かつ不十分であり、依然として不必要な経費を垂れ流している状態が続いております。
そのような状況にあって、当初は平成18 年8 月からDIP ファイナンス(つなぎ融資)の必要が生じ得るということでしたが、急遽、4 月から必要ということになりました。再生計画認可前の不確定な状況であったため、弊社からは担保提供を要請しておりましたが、かかる要請にもかかわらず無担保による資金融資が必要ということとなりました。
弊社としては、上記のとおり、事業計画に電気通信事業者としての合理性が欠けていること、合理的な事業計画を実現できる可能性が低いこと等を念頭に慎重に検討しましたが、平成電電による無責任な赤字垂流しの状態、今後、追加支援を要する金額が拡大し弊社として合意している許容限度を超過する可能性等を勘案した結果、弊社の株主利益の保護の観点から判断した結果、スポンサー支援に関する合意書の内容を踏まえても、なお、合理性及び実現可能性に欠ける事業計画を前提とする無担保融資は不可能と考え、かかる支援要請を拒絶することを決定いたしました。
なお、平成電電が現時点で保有している弊社株式を売却処分する際には、弊社による買取りを行いたいと考えております。
2. 業績に与える影響について
平成電電の再生が実現しない場合、ISP 事業及び弊社の連結子会社である平成電電コミュニケーションズによるマイライン事業において、事業提携先の選定と移管を行う必要が生じ、ISP 事業及びマイライン事業の売上減少の可能性、また、間接的ではありますが、ISP 事業及びマイライン事業関連の債権の回収可能性に悪影響を及ぼす可能性があります。現時点において、これらの影響を予測することは困難ですが、弊社の財務状況に与える影響は一時的であり、また、限定的であると考えております。
平成電電に関する業績については、弊社の業績予想等に含めておらず、これによる直接の影響はございません上記の詳細については、判明次第、追って公表いたします。
以上