旧株 [読み:きゅうかぶ] [別名:親株]
祐作:先輩、旧株ってなんですか?
兜:ふむ、旧株とは、株式会社が株式分割や増資、合併・株式交換等により、新しく発行する株式のことを新株というのに対して、すでに発行されている株式のことだな。
祐作:なるほど、分割の元となる株式のことですね。
兜:そういうことだな。ちなみに旧株のことを「親株」、新株のことを「子株」ということもあるから覚えておくといいさ。
旧株 [読み:きゅうかぶ] [別名:親株]
祐作:先輩、旧株ってなんですか?
兜:ふむ、旧株とは、株式会社が株式分割や増資、合併・株式交換等により、新しく発行する株式のことを新株というのに対して、すでに発行されている株式のことだな。
祐作:なるほど、分割の元となる株式のことですね。
兜:そういうことだな。ちなみに旧株のことを「親株」、新株のことを「子株」ということもあるから覚えておくといいさ。
Qレシオ [読み:キューレシオ]
祐作:先輩、Qレシオってなんですか?
兜:ふむ、Qレシオとは、株価を1株あたり実質純資産で割ったものだな。実質純資産とは、純資産に含み資産を加えたもの。株価純資産倍率(PBR)の計算に用いる純資産に、含み資産を加えて時価で計算する指標だ。Qレシオの計算式は下記のようになる。
Qレシオ = 株価 ÷ 1株あたり(純資産+含み資産)
祐作:Qレシオにはどんな特徴がありますか?
兜:うん、ではPBRと比較してみよう。PBRで利用されている純資産は、貸借対照表に帳簿価格で表されている。しかし、土地などの時価は購入時の簿価(帳簿価格)から大きく離れているため、実際の数字とは違ってしまうことがある。このときの時価と簿価の格差を、「含み」と呼んでいる。
簿価ではなく時価で計算することで、実際の純資産価値に注目した点では、QレシオはPBRより優れているんだ。QレシオはPBRの時価評価版ともいえるな。しかし、企業がどれくらいの含み益を持っているか正確に知る手だてはなく、計算には推定値を使っているため、Qレシオは指標としての信頼性に欠けているな。
ちなみに、Qレシオのことを「実質株価純資産倍率」とも呼ぶから覚えておくといいさ。
キャピタルゲイン [読み:きゃぴたるげいん]
祐作:先輩、キャピタルゲインってなんですか?
兜:ふむ、キャピタルゲインとは、株式などの売買による利益のことだな。株式を100万円で買って105万円で売れば、差額の5万円が「キャピタルゲイン」というわけだ。株を空売りして値下がりしたところで買い戻した時に得た利益もキャピタルゲインになるよ。
祐作:キャピタルゲイン以外になにがあるんですか?
兜:預金や国債などの債券の利息、株式の配当などは「インカムゲイン」と言う。これは、投資した元本に対して年何%というような形で支払われるものだ。
祐作:どうして区別するんですか?
兜:キャピタルゲインの方は、売ったときに利益が出るのに対して、インカムゲインの方は、債券・預金などを保有していることで、利益が得られる。利益の性質が違うので、区別している訳だね。
祐作:キャピタルゲインとインカムゲインで税金は違うんですか?
兜:インカムゲイン(配当課税)の場合、10%が源泉徴収(2008年4月から20%となる予定)される。確定申告をすることによって税金の控除や還付が受けられる場合もあるぞ。収入が少ない場合は確定申告した方が得するケースがあるってことだな。
祐作:キャピタルゲインの場合はどうですか?
兜:キャピタルゲインの場合、一般口座と特定口座によって納め方が違うんだ。以下の3パターンがある。
▼一般口座の場合
▼特定口座(源泉徴収なし)
▼特定口座(源泉徴収あり)
祐作:一般口座も特定口座も一長一短ですね。
兜:そうだな。だから、自分の株取引に適した口座を選ぶことが重要だ。ちなみに、サラリーマンで会社に株で儲けてることがばれないようにしたい人は、特定口座(源泉徴収あり)ありにした方がいいよ。
キャッシュフロー [読み:きゃっしゅふろー]
祐作:先輩、キャッシュフローってなんですか?
兜:ふむ、キャッシュフロー(Cash flow)とは、文字通り「資金の流れ」のことだな。企業の一定期間の「現金(キャッシュ)と現金同等物の流れ(フロー)」のことを指すぞ。
(現金同等物とは取得日から3カ月以内に満期日または償還日が到来する短期的な資金のことをいい、普通預金、短期の定期預金、公社債投資などを指す。)
祐作:なぜ、投資家はキャッシュフローに注目するんでしょう?
兜:企業の現金の流れを把握しておいた方がいいからなあ。「黒字倒産」って言葉があるだろう。損益計算書では利益が出ているのに、現金が枯渇して倒産というやつだ。そんな事態を避けるためにも投資家は企業の現金の流れに注目するんだな。
祐作:なるほど、ではキャッシュフローについてもう少し詳しく教えてもらえますか?
兜:キャッシュフローの数字は会社四季報にものっているし、決算書にもキャッシュフロー計算書というものが必ずついている。キャッシュフローは3種類に分類されている。
▼3つのキャッシュフロー
営業キャッシュフロー:商品やサービスの販売といった営業活動から稼ぎ出した現金のこと。値がマイナスだと本業で儲かっていないといえるので問題あり。
投資キャッシュフロー:固定資産の取得・売却、有価証券の取得・売却、工場や店舗を建てるなどして増減した現金のこと。将来の利益を生み出すための投資を行うため通常はマイナス。
財務キャッシュフロー:借入金や社債の発行等で現金を得るとプラス。逆に借金の返済などを行った場合はマイナスとなる。
祐作:なるほど。
兜:この3つの組み合わせによっても企業の状態がみえてくる。例えば、
<良い例>
営業キャッシュフロー:+500
投資キャッシュフロー:−200
財務キャッシュフロー:−100
合計 :+100
<悪い例>
営業キャッシュフロー:−200
投資キャッシュフロー:−200
財務キャッシュフロー:+300
合計 :−100
兜:良い例だと、営業活動で生み出された現金の範囲内で設備投資などを行い、借金の返済にも充てていることがわかる。
祐作:なるほど。
兜:悪い例は、営業活動での不足分や設備投資を、借金や社債の発行を行うことでやりくりしていると解釈することができる。こうやってキャッシュフローを見ることで企業分析に役立てることができるんだ。
投資キャッシュフロー [読み:とうしきゃっしゅふろー]
祐作:先輩、投資キャッシュフローってなんですか?
兜:ふむ、投資キャッシュフローとは、設備投資や株式の売買などによる現金収支(資金の流れ)のことだな。
祐作:投資キャッシュフローはプラスがいいんでしょうか?それともマイナス?
兜:普通は、適度なマイナスがいいね。適度なマイナスだと将来への投資に、適度にお金を使っているということだから。
企業が投資をすればお金が出て行くから、そのときはキャッシュフローがマイナス。逆に工場などを売却して利益が出ればプラスになる。基本的には投資が必要な企業、または成長のために投資をする企業はマイナスになるから、プラスマイナスの持つ意味をしっかりと押さえ、なぜマイナスか、なぜプラスかを読み取る必要がある。
ちなみに「会社四季報」だと投資キャッシュフローは「投資CF」と表記されるから覚えておくといいさ。
財務キャッシュフロー [読み:ざいむきゃっしゅふろー]
祐作:先輩、財務キャッシュフローってなんですか?
兜:ふむ、財務キャッシュフローとは、企業の財務活動や借り入れによる資金調達や返済などによる現金収支(資金の流れ)のことだな。
祐作:財務キャッシュフローはプラスがいいんでしょうか?それともマイナスですか?
兜:普通は、適度なマイナスがいいね。プラスだと、借金が増えていってる状態になるから。逆に財務キャッシュフローがマイナスだと借金を返していってる状態だ。
ちなみに「会社四季報」だと財務キャッシュフローは「財務CF」と表記されるから覚えておくといいさ。
逆張り [読み:ぎゃくばり]
祐作:先輩、逆張りってなんですか?
兜:ふむ、逆張りとは、相場が悪い時に買う、あるいは、相場が良い時に売ることだな。
祐作:はあ、それは天邪鬼ですね。
兜:そうだな。相場の流れに従って売買するのが一般的だからな。株価が上がっていくところを買い、株価が下がっていくところで売るのを「順張り」という。これとは反対の行動だから、「逆張り」と言うんだな。一般的には、短期売買では「順張り」が、中長期投資では「逆張り」が適していると言われている。「人の行く裏に道あり花の山」という有名な相場格言は、逆張りの視点に立って生まれた言葉だな。
逆ザヤ [読み:ぎゃくざや]
祐作:先輩、逆ザヤってなんですか?
兜:ふむ、逆ザヤね。まず「さや」とは売り値と買い値の差のことだ。実際に株式を購入し、それ以上の価格で売却した場合には順ザヤ、逆にそれ以下の価格で売却した場合を逆ザヤというんだよ。
祐作:なるほど。逆ざやとは、投資対象の値が下がってマイナスとなっている状態のことですか。
兜:うん、そういうことだな。
ちなみに利ザヤの漢字は「利鞘」で、逆ザヤの漢字は「逆鞘」と書くことが多い。当て字だけど。サヤ(鞘、差也)とは、相場における価格差の事だ。江戸時代の米相場で限月間の価格差を差也と表記したのが語源といわれている。現在はサヤまたは鞘と表記される事が多いが、鞘は当て字なんだ。
記念配当 [読み:きねんはいとう]
祐作:先輩、記念配当ってなんですか?
兜:ふむ、記念配当とは、企業にとって記念すべき時期に、通常の配当に加えて行われる配当のことだな。創立後、10周年、20周年、25周年、50周年などといった記念すべき年や上場時に、特別に行うことが多いね。
祐作:では、記念配当とは一時的なものなんですね。
兜:うん、「記念」と表記することで配当を今後も引き上げるのではなく、一時的なものであると意思表示をしているわけだな。
規制銘柄 [読み:きせいめいがら]
祐作:先輩、規制銘柄ってなんですか?
兜:ふむ、規制銘柄とは、信用取引による売買が過熱し、証券取引所による信用取引規制の措置を受けた銘柄のことだな。
祐作:はあ、なんで信用取引規制なんてあるんですかね?
兜:ある銘柄の信用取引が加熱し、日々公表銘柄に指定された後もなお信用取引が投機化している場合に、これを抑制するためこの規制措置がとられるんだ。
祐作:規制銘柄に指定された銘柄はどうなりますか?
兜:ある銘柄が規制銘柄として指定されると、証券取引所は状況に応じて以下の措置をとるぞ。
この規制をしても投機がさらに強まるようであれば、場合によっては信用売り、信用買いのいずれか、または両方が停止されることもあるな。
期日 [読み:きじつ]
祐作:先輩、期日ってなんですか?
兜:ふむ、期日とは、制度信用取引で6カ月後の決済日のことだな。
祐作:もう少し詳しく教えてもらえますか?
兜:信用取引とは、証券会社から「信用の供与」である「融資」を受けて、その融資資金を使って株式の取引をおこなうことだ。制度信用取引において、融資をうけた場合、融資資金は最長6カ月間借りることができる。証券会社に対して、その融資資金を返済しなくてはならない最終日(決済日)のことを「期日」と呼ぶんだな。ちなみに「期日」のことを絶対期日と呼ぶこともあるから覚えておくといいさ。
偽計取引 [読み:ぎけいとりひき]
祐作:先輩、偽計取引ってなんですか?
兜:ふむ、偽計取引とは、株式などの有価証券の売買や相場の変動などを目的として、人をだましたり、事実に基づかない情報を流したりすることだな。「偽計」とは人をあざむくという意味だ。
祐作:堀江貴文ライブドア元社長は、偽計取引の容疑で逮捕されたんですよね?
兜:そうだな。「偽計取引」は、「風説の流布」「暴行」「脅迫」とともに、証券取引法第158条で相場の変動を目的とする不正行為として禁じられているんだ。その罰則は5年以下の懲役または500万円以下の罰金、法人の場合は5億円以下の罰金となってるよ。
議決権 [読み:ぎけつけん]
祐作:先輩、議決権ってなんですか?
兜:ふむ、議決権とは、株主として企業の経営方針などに関する決議に加わる権利のことだな。企業の利益や資産、経営権などに関する取り決めなどを決議する権利として、売買単位株主は1単元株につき、1票の議決権を持つことになる。しかし、売買単位未満の株主に対しては、議決権は認められないんだ。
コーポレートガバナンス [読み:こーぽれーとがばなんす]
祐作:先輩、コーポレートガバナンスってなんですか?
兜:ふむ、コーポレートガバナンスとは、企業統治(きぎょうとうち)と翻訳され、企業の内部牽制の仕組みや不正行為を防止する機能のことだな。
祐作:どうやって不正行為を防止するんでしょうか?
兜:以下の三つのような方法があるな。
(1)経営者の独走・暴走をチェックし阻止すること
(2)組織ぐるみの違法行為をチェックし阻止すること
(3)企業理念を実現するために、全役員・従業員の業務活動を方向づけること
祐作:なんでコーポレートガバナンスという概念に注目が集まってるんですかね?
兜:90年代半ば以降企業の不祥事が多発したことから、企業運営の監督・鑑査の必要性が認識されるようになり、注目を集めるようになったんだ。法律上では企業は株主のものであり、統治の主体は株主であることから、コーポレートガバナンスの本来的な目的は企業価値の維持増大といえる。
しかし、日本では会社は経営者あるいは従業員のものという意識が強く、企業運営の主体は内部昇格による経営陣が主体で、モラルハザード、経営責任の曖昧さが表面化したという経緯から「会社は誰のものか」「会社は誰のためにどのように運営されるべきか」「会社の運営をどのように監督・監視するべきか」ということがコーポレートガバナンス議論の主たるテーマとなっているよ。
機関投資家 [読み:きかんとうしか]
祐作:先輩、機関投資家ってなんですか?
兜:ふむ、機関投資家とは、顧客から集めた資金を運用・管理する法人投資家の総称だな。
祐作:具体的には?
兜:一般に機関投資家と呼ばれるグループをいくつか挙げると、「投資顧問会社」「生命保険会社」「損害保険会社」「信託銀行」「投資信託会社」「年金信託」などがあるよ。生命保険会社や損害保険会社であれば、加入者の保険料収入であり、投資信託会社であれば、投資信託を購入した人たちの提供した資金が元手になる。
祐作:なるほど。
兜:機関投資家は、莫大な資金量で投資を行うために、市場に与える影響も大きいものがある。アメリカでは、昔のように個人投資家が自ら株式投資を行うよりも、投資信託や年金などを通じて株資産を保有することが多くなったために、直接的に株式市場に参加する比重は機関投資家が大きくなった。こうした現象を「株式市場の機関化現象」というから覚えておくといいさ。
監理ポスト [読み:かんりぽすと]
祐作:先輩、監理ポストってなんですか?
兜:ふむ、監理ポストとは、証券取引所において、上場廃止の可能性がある銘柄を暫定的に売買するポストのことだな。
祐作:どんな株式の銘柄が監理ポストで売買されるんでしょうか?
兜:経営不振などのニュースが伝えられたにもかかわらず会社の説明が不十分な時や、浮動株の不足など上場基準に抵触した際、その株は「監理ポスト」に移行して売買が行われるよ。売買の方法はほかの一般銘柄と同様だ。上場廃止の必要がないと判断されれば、その時点で元のポストに戻される。ただし、上場廃止が決まった場合は、上場廃止銘柄の売買を行う「整理ポスト」に移されるぞ。
カントリーファンド [読み:かんとりーふぁんど]
祐作:先輩、カントリーファンドってなんですか?
兜:ふむ、カントリーファンドとは、特定の国や地域に投資するクローズドエンド型の会社型投資信託のことだな。基本的には、対象国の代表的な銘柄に投資して運用されているので、その国そのものに投資する効果が得られるぞ。
祐作:クローズドエンド型の会社型投資信託とはなんでしょうか?
兜:クローズエンド型の会社型投信というのは、会社形態にして資金を集めて運用し、運用主体には基本的に換金請求できない投信だ。換金する場合には、基本的には市場で売却することになる。したがって、純資産と市場価格が大きく食い違う状況もありうるな。
クローズエンド型の会社型投信の価格は、一般事業会社の場合と同様、投資者の投資判断に基づく市場での需給関係によって変動する。この点が、純資産額(基準価額)で換金される日本の投資信託(契約型)と大きく異なるところだよ。
幹事証券会社 [読み:かんじしょうけんがいしゃ]
祐作:先輩、幹事証券会社ってなんですか?
兜:ふむ、幹事証券会社とは、株式の新規公開時(IPO)などの公募・売り出しに際して、発行する企業と証券会社との間で元引き受け契約をする内容を確定させる協議を行う証券会社のことだな。
祐作:なるほど。
兜:また、一般的に「幹事証券会社」は株式公開時や公開後の資金調達時において、公開等に関する全般的な指導や取引所など関係機関との折衝・調整等を行う。幹事会社になるためには資本金が30億円以上必要だ。幹事会社の中で、幹事団を代表し主導的な役割を果たす者を主幹事会社というから覚えておくといいさ。
借株 [読み:かりかぶ]
祐作:先輩、借株ってなんですか?
兜:ふむ、借り株とは、信用取引の空売りや「株券消費貸借」で借りている株のことだな。
祐作:株券消費貸借?
兜:株券消費貸借契約とは、貸し手(株主)が借り手に対して株券を差し入れる一方、借り手から賃借料を受け取るというものだ。貸株の所有権は、借り手にあることから議決権の行使や配当金の受け取りなどといった株主権の行使は借り手が行うんだ。
株配 [読み:かぶはい]
祐作:先輩、株配ってなんですか?
兜:ふむ、株配とは「株式配当」の略称だ。株式配当とは、通常の現金による配当の代わりに、全部または一部を新株の発行により株式で配当することだな。
ロングショート戦略 [読み:ろんぐしょーとせんりゃく]
祐作:先輩、ロングショート戦略とはなんですか?
兜:ふむ、ロングショート戦略とは、証券の買いと売りを同時に行なって、市場変動による影響を軽減しつつ収益をあげることを狙う投資戦略のことだな。証券を買うことをロング、空売りすることをショートと言うことから、ロングショート戦略と呼ばれているんだ。
祐作:なんだか難しそうな手法ですね。
兜:ヘッジファンドが利用する投資手法だからねえ。
祐作:そうなんですか。ところで、ロングショート戦略では何を基準に買いと売りをいれるんですか?
兜:普通、割安と判断した株式を買い、同時に割高と判断した株式を空売りするな。
祐作:私の感覚では、割安と判断した株を買うだけでいいような気がするんですが、同時に空売りをすることの狙いはなんなんでしょう?
兜:最初にも言ったけど、「市場変動による影響を軽減する」のが狙いだ。株価は企業の業績や成長期待によって決まると部分もあるけど、市場全体の動向や業界の動向の影響を受ける。従って、日経平均やTOPIXが下げていくような局面ではほとんどの銘柄が同じように下がってしまう。例えば、松下電器が業界の中では勝ち組だとしても、日経平均が下がれば、やはり周りに連動して下げてしまう。
祐作:そうですね。
兜:ロングショートでは、そういった外部要因による株価の変動を軽減させるとい
うメリットがある。ある銘柄を買って、ある銘柄を空売りするから、基本的には全体が上がる、下がるは問題ではなくなるわけだ。
要は、買った銘柄が空売りした銘柄より値上がりすれば利益になるし、買った銘柄が値下がりしても空売りした銘柄がより値下がりすればやはり利益になる。同じ業界(業種)の中で、同じような動きをする銘柄同士でロングショートを組めば、日経平均の行方に関わらず利益を得るチャンスがあるわけだな。
祐作:なるほど、下げ相場の中では買いだけ勝つのは難しいけれど、ロングショートなら勝てる可能性が出てくるというわけですね。
兜:そういうことだな。まあ、逆に言えば、上げ相場のときにはロングショートじゃなくて、買いだけで臨んだ方が勝つ可能性が高くなるけどね。
祐作:さっき、ロングショート戦略の例として「割安と判断した株式を買い、同時に割高と判断した株式を空売り」というの教えてもらいましたが、他にロングショートの組み合わせはありますか?
兜:他には下記のような組み合わせがあるよ。
祐作:いろいろありますね。
兜:まあ、「同一市場、同一業種内で相対的に株価の高いものを売り・低いものを買う」が一番わかりやすいと思うけどね。東証一部の銘柄と新興市場の銘柄は値動きのスピードが全然違うし、業界が違うとPERの比較とかも難しくなってくるからねえ。
ロングショートを組むなら、東証1部の大型株で同一業種にしておくのが無難だと思うよ。
証券税制 [読み:しょうけんぜいせい]
祐作:先輩、証券税制ってどんなもんですか?
兜:ふむ、証券税制とは株取引に関する税制(税金)のことだな。証券税制には、株で儲かった売却益にかかる「キャピタルゲイン課税」と、配当金にかかる「配当課税」があるな。
祐作:キャピタルゲイン課税とはどんなものでしょう?
兜:株で儲けた利益にかかる税金のことだな。キャピタルゲイン課税は、原則として売却益の20%(所得税15%+住民税5%)。ただし、2008年12月まで、特例として10%(所得税7%+住民税3%)となる優遇措置がとられている。
祐作:キャピタルゲイン課税による税金はどうやって納めるんですか?
兜:一般口座と特定口座によって納め方が違うんだ。以下の3パターンがある。
▼一般口座の場合
▼特定口座(源泉徴収なし)
▼特定口座(源泉徴収あり)
祐作:一般口座も特定口座も一長一短ですね。
兜:そうだな。だから、自分の株取引に適した口座を選ぶことが重要だ。ちなみに、サラリーマンで会社に株で儲けてることがばれないようにしたい人は、特定口座(源泉徴収あり)ありにした方がいい。
祐作:わかりました。それでは、配当課税の方はどうでしょうか?
兜:配当課税は10%が源泉徴収される。確定申告をすることによって税金の控除や還付が受けられる場合もあるぞ。収入が少ない場合は確定申告した方が得するケースがあるってことだな。
株主優待 [読み:かぶぬしゆうたい]
祐作:先輩、株主優待とはなんですか?
兜:ふむ、株主優待とは、会社が株主還元の一環として提供する物品やサービスのことだな。
祐作:どんなものがもらえますか?
兜:小売や外食などの会社が、買物優待券・食事優待券などを株主優待として提供するケースが多いなあ。消費財のメーカーの場合は自社製品を提供したり、それ以外の会社の場合にはお米や図書券など自社の事業とは関係ないものを提供するケースもある。
祐作:どうすれば株主優待がもらえますか?
兜:株主優待をもらうためには、最低売買単位の1単元の株を保有していることが条件(一部例外あり)だな。ミニ株などの単元未満株は対象外になるから注意してくれ。
祐作:そうですか。僕も株主優待のある銘柄を買ってみようかな。
兜:優待でもらえる商品券なんかをネットオークションやチケットショップで売却し換金するという裏技もあるから悪くない。でも、株主優待には注意点もある。会社の業績が悪化したりすると株主優待を見送ったり廃止したりする企業もあるからマメにチェックしておく必要があるな。あと、人気の優待銘柄は、権利付き売買最終日の前に買い注文が集まり、株価が上昇する場合があるから、狙うなら早めがいいね。
買い建玉 [読み:かいたてぎょく]
祐作:先輩、買建玉とはなんですか?
兜:ふむ、買建玉とは、信用取引を使って買った株のことだな。信用取引では株式のことを「玉(ぎょく)」といい、信用買いした玉を買建玉(かいたてぎょく)、空売りした玉を売建玉(うりたてぎょく)というんだよ。
祐作:ちょっと難しいですね。
兜:玉は英語でポジションというんだけど、そっちの方がしっくりくるかもしれない。信用買いしたら「買いポジション」を持っている状況で、空売りをしたら「売りポジション」を持っている状況だ。玉っていうのは、相場に対していまの自分のポジション(立場)を表すわけだな。
祐作:なるほど、買い建て玉を持っていれば株価の上昇を願っている立場だし、売り建て玉を持っていれば株価の下落を願う立場ということですね。
兜:そういうことだな。ちなみに、買い建て玉を持っている人を「買い方」、売り建て玉を持っている人を「売り方」と呼ぶから覚えておくといいさ。
現物取引 [読み:げんぶつとりひき]
祐作:先輩、現物取引ってなんですか?
兜:ふむ、現物取引とは、信用取引やデリバティブ取引などではない、通常の株取引のことだな。
祐作:投資家が自分で資金を用意して行う取引のことですね。
兜:そういうことだな。株式の場合、手に入れた株式の名義を書き換えることにより株主となり、配当金受取や株式分割などの権利を得ることができる。最近は証券保管振替制度を利用することにより、ほとんどの銘柄は受渡によって自動的に株主になることができるな。
現物株 [読み:げんぶつかぶ]
祐作:先輩、現物株とはなんですか?
兜:ふむ、現物株(現物)とは、実際に受渡しすることができる株式のことだな。有価証券そのものだ。信用取引での株の売買に対して、通常取引の株を「現物株」として区別しているんだ。
祐作:信用取引の場合、どう呼ぶんですか?
兜:株を買った場合は「買建玉」、空売りをした場合は「売建玉」と呼ぶよ。
売方 [読み:うりかた]
祐作:先輩、売方ってなんですか?
兜:ふむ、売方とは「信用取引を使って売り建玉を持っている投資家」を指すぞ。
祐作:なるほど。空売りを行っている投資家のことですね。
兜:そういうことだな。ちなみに「売り方」の反対を「買い方」というから覚えておくといいさ。
株主総会 [読み:かぶぬしそうかい]
祐作:先輩、株主総会ってなんですか?
兜:ふむ、株主を構成員として、定款の変更、取締役・監査役の選任、会社の解散・合併など、会社の基本的事項について、株式会社の意志を決定する集まりのことだな。
祐作:株主であれば誰でも出られるんですか?
兜:最低単位(単元株)を持っていれば出ることができるぞ。但し、株式ミニ投資(ミニ株)や単元未満株は持っていても出席することはできないんだ。
祐作:出席するのに何か手続きは必要ですか?
兜:普通に株を買った場合には、「保管振替機構」に預けられて自動的に「実質株主」として登録される。決算期末に登録されていれば、証券会社に届け出た住所に「株主総会招集通知」が送られてくる。それを持って株主総会に行けばいいんだ。
祐作:出られない場合ですが、議案に賛成したり反対したりできますか?
兜:「株主総会招集通知」と一緒に「議決権行使書」というものが送られてくるから、議案毎に賛成か反対かを記入して送り返せば大丈夫だ。
祐作:「議決権」の票数は、持っている株数に比例しますか?
兜:そのとおり。だから、会社の経営者は株の買占めに敏感なわけだな。
貸借融資銘柄 [読み:たいしゃくゆうしめいがら]
祐作:先輩、貸借融資銘柄とはなんですか?
兜:ふむ、貸借融資銘柄とは制度信用取引で、「買建て(信用買い)」のみ行うことが可能な銘柄のことだな。
祐作:信用買いのみですか。では、信用買いも信用売り(空売り)もできる銘柄はなんていうんですか?
兜:制度信用取引で信用買いも信用売りもできる銘柄は、貸借銘柄と呼ばれているから覚えておくといいさ。
備考:
貸借融資銘柄・・・証券金融会社からは売付株券の借入れが受けられず、買付け資金の融資のみ受けることができるため、制度信用取引の「買建て」のみ行うことが可能。
貸借銘柄・・・売付株券・買付資金の両方が証券金融会社から借りることができる銘柄を「貸借銘柄」といい、その銘柄選定については制度信用銘柄の中から一定の基準に基づき取引所が行う。したがって、貸借銘柄に選定されることにより、制度信用取引の「買建て」及び「売建て」が可能。
ROE [読み:アールオーイー] [英語名:Rate of Return On Equity]
祐作:先輩、ROEとはなんですか?
兜:ふむ、ROEとは企業分析で用いられる株価指標の一種でRate of Return On Equityの略称だな。
祐作:どんな指標なんでしょうか?
兜:企業が株主から募った自己資本(株主持分)を使って、どれくらい効率的に利益を上げているかを計る指標だよ。計算式は、下記のようになっている。
ROE(あーるおーいー)=(当期純利益 ÷ 株主持分)
例えば、当期純利益が5億円で、株主持分が100億円だったとすると、5÷100=0.05だから、ROEは「5%」ということになる。
祐作:ROEのパーセンテージの持つ意味合いを教えてもらえますか?
兜:ROEが何を表わしているかというと、株主から預かったお金(資本)を使って、その年にどれくらいの利益を生み出したか、つまり元金の運用利回りは何パーセントか、ということを示しているんだ。誰でも、投資するからには大きく殖やしたいと考えるよね。運用利回りの良い高ROEの株式は人気を集めて値上がりが期待できるから買おうかな、ということになる。
祐作:なるほど。
兜:だから、ROEの数値は基本的に高い方がいいんだ。ROEが5%と15%の会社では15%の会社の方が、効率よい経営をしていると評価される事が多い。ただ、負債が多く株主持分が極端に少ない会社はROEが高くなりがちだから他社と比較するときは、そういった注意も必要だな。
また、ROEは株主重視の経営が行われているかどうかを示す指標にもなっているから、日本でもROEの上昇を経営目標にかかげる企業は多い。
祐作:そうですか。でも、なんでROEを上げることを目標にするんですか? 利益を増やすって目標じゃだめなんですか?
兜:例えば、利益が増えていってもそれ以上に株主持分が増えていくケースだってある。株式を発行して得たお金は、株主持分に加えられるから、追加で株を発行したら発行済株式数が増える分その分利益も増やさないと1株当りの利益は低下するし、株価も下げてしまうかもしれない。
祐作:なるほど。
兜:だから利益が増加してもROEが下がっていくということは株主の期待に応えているとは決して言えないんだ。利益をちゃんとだしているのに株価が低迷している会社を調べてみるとROEが低く効率的な経営が行えていないケースあるんだよ。
ちなみに、ROEは新会社法が施行されてからは「自己資本当期純利益率」、「自己資本利益率」、「株主持分利益率」などとも呼ばれている。新会社法が施行される以前は「株主資本利益率」と呼ばれていたな。