4月22日、大阪証券取引所が2009年3月をめどに外国為替証拠金取引(FX)市場を創設する、と発表しました。
扱う通貨の組み合わせは9種類を予定しています。円・ドルなど円と外貨の組み合わせが7種類で、ユーロ・ドルなど外貨同士の組み合わせが2種類です。取引時間は土日を除く午前7時から翌日の午前6時までで、取引単位は100万円程度の予定となっています。
FX取引は、FX専門業者や証券会社が投資家の注文に応じて金融機関などと相対で外貨取引を行うケースが大半です。FX取引の多くは、公設の取引所を通さないで取引をしているわけです。そして、取引所を通さないFX取引では、個人投資家とFX業者の間でのトラブルが増えています。
2005年以降、20社を超すFX業者が経営破たんしました。公設の取引所を通さない取引の場合、FX業者が破綻すると、個人投資家が預けた証拠金の大半が返済不能の状態になります。ほとんどの個人投資家は泣き寝入りになるのです。
一方、公設の取引所を通すFX取引の場合ですが、取扱業者は金融先物取引法に基づいて、顧客の証拠金の全額を取引所に預託する義務があります。万一、業者が破綻した場合でも、取引所に預託された証拠金は原則として投資家に返還されることになっています。
現在、日本国内にFXの公設の取引所は、東京金融取引所が2005年に開設した「くりっく365」しかありません。今回、大証はこの「くりっく365」のライバルになる市場を作ろうと計画しているわけです。
「くりっく365」は相対取引に比べ、「業者破たんにより証拠金の取り返しがつかなくなるリスクが小さい」「税金面で優遇されている」といったメリットがあります。しかし、下記のようなデメリットもあります。
▼くりっく365のデメリット
- 取扱通貨が少ない
- 毎朝メンテナンスで取引できない時間帯が存在する
- 手数料が無料になりにくい
- レバレッジが低い
- 指定決済ができない (決済は建てた順にしかできない)
- GTC注文(発注した注文が取り消されるまで有効となる注文)ができない
このような「くりっく365」のデメリットを解消したFX市場を作ることができれば、大証のFX市場の取引量が「くりっく365」の取引量より多くなる可能性も出てくると思われます。
▼参考、大阪証券取引所の発表文からの抜粋
平成20 年4月22 日
各 位会社名 株式会社大阪証券取引所
代表者名 取締役社長 米田道生
(コード8697 ヘラクレス スタンダード)
お問合せ先 広報グループ
電話 06(4706)0800取引所外国為替証拠金取引市場の創設について
1 趣旨
投資家の投資対象や投資手段の多様化及びグローバル化が進む中で,外国為替証拠金取引(以下「FX 取引」という。)を,透明性が高い価格決定プロセスを有し,取引相手の信用リスクの排除が可能な取引所に上場させることは,貯蓄から投資への流れをより一層進めていくために有効であると考えられることから,当社において取引所FX 取引市場を創設することとします。
2 概要
(1) 取扱商品
・ 米ドル/円を始めとする対円金融指標及びユーロ/米ドルを始めとする非対円金融指標を扱う。現時点で決定しているのは9金融指標。
・ 今後,取引開始までの間に,取引ニーズ等を勘案し,追加を検討。
・ 取引単位は,金融指標毎に,1枚当たり100 万円程度で,きりが良い単位で当社が定める(米ドル/円の場合,1万通貨単位)。(2) 取引日,立会時間
・ 午前7時から翌日午前6時までを一取引日とする。
・ 土日は休日(土曜日の午前5時30 分まで取引を行い,月曜日の午前7時から再開)とし,祝日は取引を実施する。
・ 立会開始前15 分間を注文受付時間とする。
(3) 参加者資格
・ 既存の先物・オプション資格とは別に,FX 取引専用の取引・清算参加者資格を新たに設ける。ただし,市場の質及び清算機関としてのリスクレベルを維持する観点から,資格要件は既存資格と同水準とする。
・ 取引参加者からの申請に基づき,マーケットメイカーを指定する。(4) 売買手法
・ 株式の売買と同様に,オークションの板を用いた取引を行う。
・ 制限値幅は設けないが,直近の約定値段から一定以上離れた値段の注文は受付けず,一定以上の数量の注文についても受付けない。
・ マーケットメイカーには,売買注文(気配)の常時提示義務を課す。(5) 清算・決済,証拠金等
・ 清算・決済は円貨で行う。(非対円取引は,円価換算して決済)。
・ 為替差金(各種差金及びスワップポイント)の授受は,証拠金と合わせて証拠金口座の残高の増減により行う。
・ 証拠金は既存の先物・オプション市場と区分して管理する。
・ 当社がポジション1枚当たりの必要証拠金額(想定元本の約30 分の1程度)を金融指標ごとに設定する。3 今後の予定
○ パブリック・コメント募集
:平成20 年4月22 日(火)〜5月20 日(火)○ 取引開始
:平成21 年3月目途以 上
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