祐作:先輩、空売りってなんですか?
兜:ふむ、空売というと「株券を持たず、あるいは、持っていてもそれを使用せずに売ること」だな。普通なら、株というものは保有していないと売れないよな。
祐作:そりゃ、持っていないものは売れませんよ。
兜:ところが、信用取引を使えば自分が持っていない株も売ることができるんだな。これが空売りだ。
祐作:え、どうやってですか?
兜:証券会社から株を貸してもらって売るんだ。貸してもらった株は、通常6カ月先までに、市場で買い戻して証券会社に返さないといけない。
祐作:へ〜、そんなことができるんですか。でも、それなんのためにやるんです?
兜:「高く売ってから、安く買う」ためだな。通常の株取引(現物取引)では、「安く買ってから、高く売る」ことを目的としている。現物取引とは考え方が逆になるわけだ。
祐作:なるほど、ということは現物株では、株価が下がると損しますけど・・・。
兜:空売りでは逆に儲かるということだ。空売りをする人のことを「売方」というんだけど、売方は株価が下落すると予想した上で空売りし、株価が値下がりしたところで買いもどして他から借りていた株券を返済するために空売りするわけだな。
祐作:なるほど、株価の下げを利用して相場で勝つ方法はあるんですね。
兜:そういうことだな。ただ、空売りには「逆日歩(ぎゃくひぶ)」や「貸借銘柄(たいしゃくめいがら)」というシステムがあって、これが空売りを難しくしている。また、現物の買い注文は投資した金額までしか損しないけど、空売りの損失額は理論上無限大だ。
祐作:え、無限大? どういうことです?
兜:空売りは、証券会社から株を貸してもらって売るから、後で株を返さないといけないって言ったよね。
祐作:そうですね。
兜:例えば、100万円の株を1株空売りしたとして、それが値上がりして1000万円になったとする。1000万円でも返済期限がくると株を買い戻して証券会社に返さないといけない。100万円で売って1000万円で買い戻すわけだから100-1000=-900で、900万円の損失だ。
現物の買い注文だと、100万円の株を1株買っても、最大の損失は100万円だからえらい違いだよな。
祐作:は〜、おそろしいですね。
兜:株価が上がれば上がるほど損するってわけだから、株価が青天井の株を空売りしたら損失はいくらでも増えていくってことだな。だから、昔の人はこういう格言を作った↓
「信用買いは車をなくす。空売りは家をなくす。」または、
「信用買いは家をなくす。信用売りは命までなくす。」
というわけだから、空売りをするならばその前に、信用取引の仕組みをよく勉強しなければならないわけだな。あと、空売りのことを「信用売り」とか「ショート」とか呼ぶこともあるので覚えておくといいさ。
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