ディックスクロキ、民事再生法申請(倒産)で上場廃止

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11月14日、マンションなどを企画開発し投資家に販売していたディックスクロキ 【JASDAQ:8884】が、福岡地裁に民事再生法の適用を申請し受理されたと発表しました。

いわゆる倒産です。負債は約181億円です。

以下、帝国データバンクのウェブサイトからの抜粋です。

不動産販売
ジャスダック上場
株式会社ディックスクロキ
民事再生法の適用を申請
負債181億3100万円

企業コード:983269209

「福岡」 (株)ディックスクロキ(資本金3億5002万円、福岡市中央区高砂2-11-11、代表板倉雅明ほか1名、従業員105名)は、11月14日に福岡地裁に民事再生法の適用を申請した。

~~~中略~~~

 しかし、サブプライムローン問題を発端とした、外資を中心としたファンドへの売却のキャンセル、延期が相次ぐなか、大分、宮崎(稼働中)で開発したホテルの売却に失敗。また、大型案件が計画通りに進まないなど、事業計画に大きな狂いが生じていた。

2009年3月期第1四半期決算では当期損失19億円を計上したことから、シンジケートローンの財務制限条項に抵触し、メーンバンクへの一括返済を要求されるなどしていた。このため借入の圧縮を進める一方で、小型物件に特化した開発にシフトしていたが、不動産市況の先行きの見通しが立たないことから、今回の措置に至った。

 今年に入って上場企業の倒産は、(株)ダイナシティ(ジャスダック、負債520億7700万円、10月民事再生法)に続いて29社目(上場廃止後のエー・エス・アイ(株)を含む)となり、年間の上場企業倒産の戦後最多であった2002年に並んだ。

さて、私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしています。「会社四季報で倒産した企業のページを見ること」を何回も繰り返していくうちに、どういった財務内容の企業が危ないのか感覚的に判ってくるからです。

四季報で2008年3月期の決算を見るに、ディックスクロキは総資産279億円に対して、自己資本(株主持分)が34億円しかなく、有利子負債が183億円と巨額な点が目に付きます。また、営業キャッシュフローが76億円のマイナスと巨大です。

売上高268億円の企業で営業キャッシュフローが76億円のマイナスというのは過大な数値です。不動産市場が活況なときは、この巨額の営業キャッシュフローのマイナスを、財務キャッシュフローでまかなうことができていたのでしょう。しかし、昨今の金融不安により資金繰りが悪化し倒産となりました。

ランドコムが倒産したときにも当サイトの記事で書きましたが、巨額の営業キャッシュフローのマイナスを銀行からの買い入れなどで埋め合わせている企業は「証券会社から目一杯の金を借りて信用取引を行う個人投資家」に似ています。

レバレッジを効かせすぎているため、ハイリスクハイリターンです。景気がいいときは非常に儲かりますが、不景気になると脆いと言わざるをえません。

なお、今年倒産した上場企業は、下記の29社です。年間の上場企業倒産の戦後最多であった2002年に並びました。

  1. グレース
  2. レイコフ
  3. ニイウスコー
  4. アリサカ
  5. トスコ
  6. スルガコーポレーション
  7. 真柄建設
  8. エー・エス・アイ(株) (旧・(株)アスキーソリューションズ
  9. キョーエイ産業 ※
  10. ゼファー
  11. 三平建設
  12. アーバンコーポレーション
  13. 創建ホームズ
  14. トランスデジタル
  15. Human21
  16. リプラス
  17. ジェネシス・テクノロジー
  18. シーズクリエイト
  19. プロデュース
  20. ランドコム
  21. エルクリエイト
  22. 新井組
  23. ニューシティ・レジデンス投資法人
  24. 富士バイオメディックス
  25. 井上工業
  26. 山崎建設※
  27. ノエル※
  28. ダイナシティ※
  29. ディックスクロキ※

※をつけた会社は不動産関連企業or建設関連企業です。

残念ながら2008年は、今後も上場企業で倒産する不動産関連企業が出てくると予想されます。

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