10月8日、兵庫県下・最大手ゼネコンの新井組 【東証1部:1854】 が、東京地裁へ民事再生法の適用を申請し受理されたと発表しました。負債は約427億円です。
これを受け、東証は新井組株を11月9日付で上場廃止にすると発表しました。
以下、帝国データバンクのウェブサイトからの抜粋です。
兵庫県下・最大手ゼネコン
東証・大証1部上場
株式会社新井組
民事再生法の適用を申請
負債427億3700万円TDB企業コード:580076727
「兵庫」 東証・大証1部上場の中堅ゼネコン、(株)新井組(資本金21億9245万1727円、兵庫県西宮市池田町12‐20、代表酒井松喜氏、従業員519名)は、10月8日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。
〜〜〜中略〜〜〜
2006年12月にはNISグループ(東証1部)が筆頭株主となり、同社傘下で民間マンションを中心に受注確保に努めてきたが、受注価格の低迷、改正建築基準法施行や資材高騰から業況は低調に推移、2007年12月期は年売上高約694億8500万円、当期利益約1億4800万円となっていた。
今年に入って、不動産市況の悪化によりマンションデベロッパーの倒産が相次ぐなか、マンションデベロッパーの振り出した手形の割引等が困難となったほか、株価下落により取引先から決済サイトの短縮を要請されるなどで資金繰りは悪化。
今年7月末には当社株式時価総額が20億円を割り込み1部上場維持基準を割り込んでいたほか、2008年6月中間期では不良債権発生などにより約12億3500万円の中間純損失計上を余儀なくされ、ゴーイングコンサーンの注記を強いられていた。
こうしたなか、10月10日の支払いについて資金調達が困難となったことから今回の申し立てとなった。
さて、私は上場企業が倒産すると、必ず会社四季報を見ることにしています。「会社四季報で倒産した企業のページを見ること」を何回も繰り返していくうちに、どういった財務内容の企業が危ないのか感覚的に判ってくるからです。
新井組は、最新版の四季報に載っている2007年12月期の決算を、ぱっと見た感じでは、財務状況がそこまで厳しいように見えません。
自己資本(株主持分)も利益剰余金もわずかながらプラスですし、有利子負債も146億円と、不動産関連企業にしては目立って大きい額とはいえません。
売上高706億円に対し、営業キャッシュフローは50億円のマイナスでした。マイナスではありますが、売上高279億円に対して営業キャッシュフローが227億円のマイナスだったランドコムや、売上高2400億円に対して営業キャッシュフローのマイナスが1000億円だったアーバンコーポレーションに比べれば、かなりマシな数字です。
2007年12月期の決算の時点では、なかなか倒産の可能性が見えなかった新井組ですが、今年に入ってから取引先のマンションデベロッパーが破綻した影響などにより、急速に資金繰りに行き詰ったようです。
2008年7月22日に「債権の取立不能又は取立遅延のおそれに関するお知らせ」というIRリリースを出してまして、これが危険の兆候の一つといえました。
また、2008年9月29日には、ゴーイングコンサーンの注記(継続企業の前提に疑義)が付いたというIRリリースを出していました。これが新井組株の最後の逃げ場だったといえるでしょう。
なお、今年倒産した上場企業は、下記の22社です。この22社という数字は、2002年の29社倒産に次いで戦後2番目の多さです。
- グレース ※
- レイコフ ※
- ニイウスコー
- アリサカ
- トスコ
- スルガコーポレーション ※
- 真柄建設 ※
- エー・エス・アイ(株) (旧・(株)アスキーソリューションズ
- キョーエイ産業 ※
- ゼファー ※
- 三平建設※
- アーバンコーポレーション※
- 創建ホームズ※
- トランスデジタル
- Human21※
- リプラス※
- ジェネシス・テクノロジー
- シーズクリエイト※
- プロデュース
- ランドコム※
- エルクリエイト※
- 新井組※
※をつけた会社は不動産関連企業です。
残念ながら、2008年は、今後も上場企業で倒産する不動産関連企業が出てくると予想されます。
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